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洋楽っぽい日本人アーティストがスッキ

先日このツイートをした時、そういえば「洋楽っぽい、洋楽色の強い邦楽アーティストがずっと好きだなあ」ということを思い出したので、

個人的に好きで何らかの形で影響を受けた、洋楽っぽい、洋楽色の強い、洋楽からの影響を丸出しにする日本人アーティストを4者紹介します。


BONNIE PINK

「洋楽っぽい日本人アーティスト」の存在を意識するようになった最初の存在がBONNIE PINKでした。

1995年にデビューしたシンガーソングライターで、当時の人気アニメの主題歌や、映画の挿入歌、CMソングもやっていたので、一般でも認知してる人はそこそこいるのでは。

BONNIE PINK本人も世代的に洋楽が好きで音楽を始めた人なことと、一時期、スウェーディッシュポップの有名プロデューサー、トーレヨハンソンとアルバム制作をしていたこともあって、英語詞比率も高く、アルバム曲の雰囲気は完全にヨーロッパ系の女性SSWのそれでした。

個人的に好きなのは彼女の楽曲が持つ世界観で、例えていうなら、ちょっと曇りがちな北欧の小さな街で、IKEAみたいな家具に囲まれた部屋に住む男女の生活の様子や日々感じてることを女性目線で独白する、みたいな、映画のストーリーを観ているような感じを受けました(わかるかなあ)

「A Perfect Sky」が有名なのかもしれないけど、一番好きな作品はアルバムの「Present」で、アコースティックとエレクトロニックの融合がとても心地よい作品です。

BONNIE PINKを聴いて、J-POPによくある強烈なワンメッセージ(「あなたが思うより健康だからうっせえわ、ちょっと黙っとけ」みたいなやつ)を放つ歌、ではなく、

心情や情景を描写する「ムードを演出する」歌、というものに影響を受けて、僕が作るポップス系の歌ものの歌詞もそういった描写や、ちょっと曖昧さを残して解釈をリスナーに委ねるものが多くなりました。

Boom Boom Satellites

僕にとって、アルバムが出るたびに試聴もせずに発売日に真っ先に買ってた唯一のアーティスト。「洋楽っぽい」というか、海外で人気が出て日本に逆輸入してきたアーティストなので、彼らは完全に洋楽枠です。

ブレイクビーツでデビューして、途中からビッグビートに変わり、活動終了直前の時期はアンビエントっぽさの入ったメロディックなエレクトロニック歌もの曲、と音楽性が何度か変わっていきましたが、その全ての音がカッコいい!

音楽性を変えると失敗しちゃうこともアーティストによってはあるんですが、BBSは変化するたびに音楽が良くなっていき、多くの人に届くようになっていく、ステップアップ型なチェンジをするアーティストでした。

僕がBBSを好きな理由が、音の強さです。プラグインもソフトシンセもそんなに充実していなかった頃なので、実機のシンセサイザーとサンプラーで作られた音がほとんどだと思うんですが、それがどれも鋭くて重く、そしてとても心地よくて体が動いてしまう。

この理屈とかじゃない、フィジカルさのある電子音楽、というところが好きで、僕がインストとかEDMとか、音そのものが重要なジャンルを好むようになったのは間違いなくBBSの影響です。

サウンドだけでなくビジュアル、アートワークから見えるサイバーパンク感やダークさ、のようなところにもすごく影響を受けていて、僕の活動でいうとEpic Vanguardのロゴにそれがよく表れてると思います。

作品は全曲好きなんですけど、1曲だけ、というならBack On My Feetが一番カッコいいです。

Pay money To my Pain

PTPも大好きで、ライブにも行ったしコピバンでライブもちょっとやってた時期があり、そしてよく聴いてました。

ボーカルのKが、PTPの前にやっていた前身バンドのGUNDOGを新宿のライブハウスでたまたま観たのがきっかけで、それ以来ずっと好きです。

GUNDOGの魅力は、当時流行っていたリンキンパークのような洋楽ラップメタルの音をそのまま取り入れてやっていたことで、それまでの日本のロックに、海外のサウンドが入り込むのって数年のタイムラグがあったんですよね。

でもGUNDOGはほぼリアルタイムで最先端のサウンドを取り入れていて、「日本のライブハウスでこんなカッコいいの観れるの!?」と思って何度も観に行ってました。Kの歌も、完全にアメリカのボーカリストという感じの発音やニュアンスバッチリで完成度が最初から高かったです。

GUNDOG解散後にPTPが始まってからも、ロックバンドとしてはずっと好きなポジションで、ロックバンドのギター、ベース、ドラムサウンド、と言われると個人的にはPTPが理想です。「Arterial Blood」という、格闘技向けのBGMアルバムを去年作ったんですが、その時の音色はPTPを意識してました。

GUNDOG時代はローテンポが多かったのに、PTPがデビューして1曲目がこんなどっ速いハードコアな曲だったのが衝撃で、今でもたまに聴きたくなるのがBlack Sheepです。

澤野弘之

去年こういう記事を書いて、いまだにビュー数だと僕のnote記事の中でTOP3に入ってるんですけど、

そのくらい澤野さんの曲はよく聴いていて、影響を受けました。

ハリウッドの劇判、ダンスミュージック系のUS-POP、00年台のハードロックサウンド、というのが澤野ミュージックの基盤にあると思っていて、ボーカル曲も英語であることが多いし、サウンドの音色なども明らかに洋楽の影響が強くてそれを前面に出すタイプのミュージシャンです。

そもそも「洋楽っぽいのがいいなら洋楽聴けよ」って話なんですけど、「日本人が作った」という点はこれまでの3組もそうですが結構大事で、言語化しづらいところなんですが「洋楽感があるのに、本場のガイジンがやったらこうはならない」ニュアンスが好きで聴いてます。具体的には、

  • 1曲の中に色んなジャンルの要素が混在する

  • メインのパート以外に細かいトラックやレイヤーがいっぱい入っていて、音像としてはそこそこ華やか、賑やか

  • 日本人が好む、わかりやすくて気持ちいいメロディーの入り方

あたりは「洋楽っぽいのに日本っぽいところ」として僕が認識するポイントです。そんな要素が一気に感じられる澤野曲はやっぱりこれですね。

僕が音楽的に影響を受けたもの、というと、今回の4者のような「日本人が日本人の感覚で作った洋楽」が一番強い気がするなと思っています。

最近は米津、YOASOBIあたりがヒットして以降、日本独自のボカロルーツな、洋楽の影響が薄い邦楽が増えてきて、みんなあまり洋楽聴かないのかな、と思う部分もありますが、

それでもKing Gnuとか女王蜂とかVaundyは今や昔の洋楽をしっかりフォローして自分達のものにしてるな、と感じる部分があって結構好きです。

僕も僕なりの感覚で洋楽からの影響を昇華した曲をやってます。ついでに聴いていってください。

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