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60Km12時間歩きそうになった話

ベトナム縦断したり南米に1年間居住したりして、今はタイのお寺で修業中のひろみです。


今日からバンコクからチェンマイに行き、またお寺ライフが始まった。

着いてから早速、瞑想をし、またその後にももう一度やったので虚は既に2回も瞑想をすることができ、とても良い気分だ。

だが、仲良くしていたタム君が明日から違うお寺に移ってしまうらしく、ちょっと残念。
3カ月に1回位の周期で僧侶がお寺を移動できるタイミングがあるらしく、それが明日だとのこと。

ここよりもさらに野性的な場所に移るらしいので、ぜひ頑張ってほしい。


60Km12時間歩きそうになった話

さて、前述したように今日からまた修業が始まったのだが、お寺に行くとなるとそこまでどのように行くかが問題になる。

この記事にも書いたように、前回は60Km歩こうとしていた。

だが、全然無理なので、20Kmほど歩いて終わった。

もちろん今回はその反省を生かして初めからバスに乗ろうとしたのだが、、
危うくまた灼熱の道をずっと歩くところだった。


タイにはソンテウという乗り合いバスみたいなのがあり、それで中距離移動することができる。

どこからでも乗り込めるのが良いところで、みかけたらその場で手を上げる。

ちょうど道を歩き始めたところにその乗り合いバスが来たので手を上げ止めた。
ドライバーに地図を見せながら「ここに行きたい」と伝え、乗り込もうとしたのだが、なんとそこには行かないと言われてしまった。

お寺の近くでもいいから連れて行ってほしいと行ったのだが、それがなかなか伝わらず、結局1本目はスルー。

もしかしたら違う場所に行くバスなのかと思い、タイ人に聞いてみることにした。

セブンイレブンの店員さんやローカルレストランの人にも聞いたが、バスはあっているらしいので、またトライしてみるがどうしても連れて行ってくれない。


どうやら、このお寺はかなり辺鄙なところにあるそうで、その近くまで行くバスがないそうだ。
大きい道から外れて細い道を進まなくてはいけないので、ドライバーは拒否していた。

だが、ここでタイ人の優しさに触れる。

藁にもすがる思いでレストランの店員さんにこのことを説明し、助けを求めた。
すると彼らはまるで大きな事件が起こったようにに動き回ってくれ、誰かに電話したり、他のお店の人に聞いたりしてくれた。

結局、どうやって行くかはその場ではわからなかった。
だが、とりあえずバスに乗れば近くまで行けるとのことだったので、乗り込むことに。

ここまでおそらく5Kmは歩いた。


バスに揺られること1時間。
大きな道から外れて細道に行くところで降りた。

そこがバスで行ける最も一番近いところだったのだが、お寺まで10Km以上ある。

またこんなに歩くのか~と思いながら他に手段がないので、2、3時間歩き続ける覚悟をもって出発。

前回の学びを踏まえて、歩かないで行こうと思ったのに、結局歩いてしまっている。
なんでそんな変なところにお寺を建てるんだと、さすがに怒りそうになった。


靴はサンダル、髪の毛はまだない、気温は高い、食事はまだしていない。
なんなら前回よりも少し悪い条件だ。

1時間くらい歩いて「さすがにもう無理だ、休もう」と思ったが、一回休むと立ち上がるのが辛くなることは既に予習済みだ。

休むこともできずフラフラと歩いていると、後ろから神の声が

「パイナイ?」

パイナイは「どこに行くの?」という意味だ。
振り返るとバイクに乗ったお姉さんがいた。

「これは来たー!!」と内心狂喜乱舞しながらも、表面は苦しそうに「ここに行くんです、、」と伝える。

予想通り、そこまで連れて行ってくれると言ってくれた。

今日ほど文明の利器のすごさを感じたことはない。
歩いてたら1時間くらいかかる距離を、数分で走ってしまうのだから。


このお姉さんには本当に感謝しても感謝しきれない。
どこの馬の骨かもしれぬ坊主を乗せてくれたことに心から感謝だ。

しかもお姉さんの目的とは全く違う場所なのに乗せてくれるなんて人が好いにもほどがありすぎる。

実は数年前も同じようなことがあり、タイの困っている人を無償で助ける文化に感動し、タイが好きになった。


普段普通に生きていれば助けられて生きていると感じることは難しいが、こういう瞬間にありがたみを感じる。

今日はお姉さんの幸せを願って眠ります。

Sadhu

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