10年前の蛸とトイデジ Vista Quest
週末、わたしの旦那、両親、妹の5人で軽井沢へ行きました。
子供のころは毎年、毎夏、避暑に訪れていた思い出の土地。ただ、大人になって夏休みが短くなるにつれて徐々に足が遠のいてしまい、今回は数年ぶりの訪問です。有名な旧軽井沢銀座、テニスコートに向かってぶらぶらと歩いていたら目に入った、雑貨屋の軒先。シャボン玉やポリバルーン、紙風船といった、懐かしの玩具。はっとしました。「わたし、この蛸の写真撮ったわ!ちっちゃいカメラで!」と。
すっかり忘れてたんです。ちょうど10年前、大学生のころ、Vista Questなるトイデジにハマっていたこと。ずいぶんと色褪せてはいるけれど、変わらず風に揺れてる蛸を見て、自分が撮った写真のことを思い出しました。そうだそうだ、あちこちの雑貨屋にトイカメラが並んでたあの頃。ホルガやロモに憧れたけど、僅かなバイト代では現像のお金が出せる気がしなくて、いろいろ調べて見つけた「トイデジ」。単4電池一本で動き、SDカードにデータが保存される、キーホルダーサイズの小さなVista Questを、どこに行くにもぶら下げていたんだった。
東京に帰る新幹線の中で、mixiのパスワードを必死で思い出し、ログイン。レイアウトが変わっていてあちこち無駄に開いてしまったけど、アルバムのページに当時撮った写真がたくさん残っていました。液晶もなく、ファインダーも変な位置についている、5000円もしないカメラの写真なのに、自分が今も撮り続けている写真に何だか通じるものがある。モチーフとか、構図とか、ムードとか。このカメラが自分にとっての写真の原体験だったんだな、と感じるものがありました。カメラそのものは、棚にしまった”大事なモノの箱”の隅で見つかりました。明るいリビングに引っぱり出してきて、カシャっとカバーをずらすと懐かしい心地。
このまま「退会したユーザー」だらけのmixiにひっそりと残るのも味な気もしましたが、せっかく思い出したのだから、ここにもいくつか載せておきたいなと思います。全部、2010年、いまからぴったり10年前の写真です。
撮ったその時の空気とか匂いとか、周りの感じを思い出す。すっかり忘れていたくせに。自己満足かもしれないけれど、残すことってやっぱり大事だと感じたのでした。
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