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『政権交代の悪夢』

阿比留瑠比 著

本棚の中に読まれずにあった本を読むシリーズ第1弾。本棚を整理してたらこんな本が出てきた。
安倍晋三元首相が「悪夢の民主党政権」と批判していたことを思い出して、どの位悪夢だったのか読んで片付けることにした。

著者の阿比留瑠比は産経新聞の記者であり、保守的で、いわゆる右翼側の意見がみうけられる。
対極の朝日新聞や毎日新聞の記者ならまた別の視点からの解説になったということを考えながら読んでみた。

本書は2012年4月の刊行なので民主党政権が倒れることは予測していたが実際に政権が崩壊したところまで見ていない。
それほど危機感を抱いていたのだろう。

民主党政権前の自民党政権は安倍、福田内閣が1年余りで交代し麻生内閣に変わった時期で、それまで私は政治に興味も関心もなかった。

それが、どこから火がついたかわからないが「自民党をおろして民主党に!」と一斉にメディアが言い始めた。本当にものすごい勢いだった。
こんな私も真剣に誰に投票するのか考えたくらいだから。

結果は予想通り、投票率も過去最高、議席数も過去最高、支持率も70%で民主党政権は2009年9月、鳩山内閣が発足し、これから良い時代になると思っていた。

その後、菅内閣、野田内閣と続き2012年11月に解散し約3年間にわたる民主党政権が終わった。

民主党政権の中国、韓国寄りの政策やアメリカと距離を置く政策によって世界から(東亜を除く世界)日本の姿勢を批判され混乱が続いた。
「そもそも民主党に政権を担う準備と資格はあるのか」と冒頭に書かれているが、その通りだろう。初心者マークの運転なのだから資格に関してはあったとしても準備に関しては全く無かったように思える。

彼等の世界は東亜の中だけで地球規模の世界は考えられなかったようだ。
まるで、先日読んだ「犯韓論」の考え方に近くて驚いた。

たまたまNHKで「パク・クネ 弾劾の舞台裏〜その時韓国は沸騰した〜」という番組を観たが、状況こそ違うが国民の盛り上がりは似通ったところがあるようだ。
この番組の結論は「韓国はすごい」というメッセージだったが、そもそも政治家がおかしく、司法もきちんとしていないために起こった事なのでこのメッセージは的外れだったように思える。

しかし、同じ様な事は太平洋戦争の時にもあり、異常な盛り上がりだったのだろう。
国民の不満が何かをきっかけに爆発する。
その何かとはメディアの「煽り」だったように思えるのは私だけだろうか。

内容は日本のためにならない事を沢山行い、それらを列挙して、落胆と混乱が描かれている。

今更ではあるがこの時代のことを理解するために読んでおくべき本であると思う。
朝日新聞系の記事をネットで読んでみたがあまり良い評価はなかった。
それほどひどかったのであろう。

どの時代も民衆が蜂起するのは何かに踊らされることが多いようだ。
結局、誰かの権力闘争に巻き込まれるだけなのか。

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