〈詩〉春の訪れ

なだらかな丘陵に
送電線の鉄塔がはるかにつらなり
ところどころに
雑木林も見えなどするけれど
果てしもなくはびこるは
家々の屋根屋根屋根
白く靄のかかった
春の空の光を受けて
そのひとつひとつがまぶしく輝く
と思ううちに
陽光の傾きの加減か
屋根たちは
また丘陵に静まっていく


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