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【蛇足】知らぬ顔の半兵衛

先週、【短編】「知らぬ顔の半兵衛」でトロフィーを頂きました。たくさんの方にいいねを頂き大変ありがたく思っております。


最近、「まとまった物を書く」という時間がまったくもって取りづらくなってきてますが、noteへの向き合い方は人それぞれと思い、自分のペースでつぶやき投稿を毎日しております。

「知らぬ顔の半兵衛」とは?

さて、題材と致しました「知らぬ顔の半兵衛」とは慣用句でして、宮武外骨がいこつの日本擬人名辞典にその成り立ちが載っており、着想と致しました。

ちなみにこの宮武外骨は作家、ジャーナリストで、滑稽と狂気の境目を行く、なかなかぶっ飛んだ人物です。

まず「知らぬ顔の半兵衛」ですが、「知っていながら知らないふりをきめこんで取り合わない者」を表現する慣用句で、半兵衛とは秀吉の軍師、竹内半兵衛重治を指すものと思われます。

例えば、「対抗候補はギリギリまで『知らぬ顔の半兵衛』を決め込んでいたが、直前になって立候補を表明したぞ。」とか、最近はあまり使われないかも知れないですね。

若き前田又左衛門利家が半兵衛の娘、千里ちさとに籠絡されて織田家の内情を話してしまい、その情報を半兵衛が素知らぬ振りをして利用し、織田軍を撃退した、というのが原典です。

ですから、「素知らぬ振りをしているが裏では何やら企んでいる様子」と読むのが本意ではないでしょうか。

このエピソードを拙作で引用致しましたが、「本当に半兵衛の顔を誰も知らない」という結末オチに向かって物語が進んでいきます。

所々、太閤記や、木下蔭狭間合戦このしたかげはざまがっせんなどをソースとしている部分や、栗原山中七度くりはらさんちゅうしちど通いという、半兵衛を召し抱えるために秀吉が七度詣でたエピソードなども盛り込んでおります。細かい考証、時系列、諱など、気にされる方は、当方アマ作家なので寛容なお心持ちで流していただけると幸甚です。

おわりに

ちなみに「必殺仕事人シリーズ5作目」の主人公の通り名が「知らぬ顔の半兵衛」でした。この作品は必殺シリーズの中でも異色の作品として知られ、主人公の博徒半兵衛は「最もプロフェッショナルでない仕事人」と言われています。

なぜかと言うと、「仕事(コシ)の素人からのスタート」だからです。仕事の練習をして、徐々に裏稼業にハマっていく半兵衛と、侍崩れの政吉のコンビが繰り広げる物語です。博打を裏テーマにしているので、毎回「〇〇勝負」というタイトルが付きます。



慣用句の由来や、先達の名言を紐解いていくと意外な発見や着想があるものだと、そしてまた何か形にできたらなぁと思いつつ、忙殺される日々を過ごしております。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。下に拙作のリンクを貼っておきますので読んで頂けると幸甚です。猛暑が続きますが、ご自愛ください。





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