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業界スタンダードになる本がまた一つ/ブックレビュー/新アプリ法務ハンドブック

本の紹介:タイトル

著者(敬称略):増田雅史 (著), 杉浦健二 (著), 橋詰卓司 (著)
発行日:‎ 2022/12/12
出版社:日本加除出版


読んだ目的

(著者からいただきましたが、元々予約もしていました。)前作も素晴らしい書籍であり、なんらかの形で所属組織がアプリ開発を行なっているのであれば、法務部門として、読むべき本という認識であったため。

レビュー

著者のお一人より頂き、拝読させていただきました。
前作も持っていましたが、記憶が正しいければ、ほぼ別物と言えるほどの大幅なアップデートがなされており、「新」の言葉にふさわしいものとなっています。
ページ数は300頁程度ですが、痒いところに手が届いている作りで、アプリに関する事業を行う企業にいる法務担当者にとっては、欠かせない書籍になっていると思います(単に、自身の力不足の露呈ですが、300頁程度と侮るなかれ、十分な記述で、それなりに読み切るのに時間はかかりました。)

3人の編者に加えて、森・濱田松本法律事務所の複数の先生方により執筆されている本書ですが、記述の温度感、粒度、記述のスタイルについては、注意が、かなりはらわれている印象で、読んだ箇所によって、これらの違和感を感じる場面は、ほとんどなかった記憶です。
特に記述のスタイルについてですが、プラットフォーマーの利用規約・プラポリ、業界ガイドラインなど参照すべきものがしっかりと引用されている点、豊富な実例を掲載している点はどの章も共通で、辞書的に何度も本書を参照させていただくことになるだろうと思いました。
加えて、ある法的な課題について、問題点や対応の困難性をコメントするにど留まるのではなく、可能なかぎり実務的な対応指針や考え方に関しての記述がなされており、著者の皆様の実務的な経験値の高さがこれを成し得ているのだろうなと考えています。

幅広なカバー範囲でありながら、実務的に頻出なトピックについては、しっかりと論じられており、プラットフォーマー規約の遵守関連については、Apple、Googleそれぞれについてかなりのページを割いていますし、アプリ周りで問題になりやすい、未成年者保護に関する解説は、ここまでしっかり書かれている書籍は私の観測範囲ではない気がします。

近侍の改正法に関しては、すべてアップデートされていると思います。



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