見出し画像

日本酒地図を作ろう!!〜㊶鳥取の巻〜

みなさん、こんにちは。米好き酒好きTKDです。
突然ですが、みなさん。どなたかの結婚披露宴に参加したのって、今から何年前ですか?

私は思い出せないくらい前です。
それもそのはずで、そもそも私は友人を多く持たないので、その友人たちが既婚者になっていくとともに、結婚披露宴に呼ばれることもなくなっていきます。また、2020年以降は結婚披露宴自体が少なくなりました。さらに、結婚をしない選択をする若い人が増えていくとすれば、そのような場に行く機会は今後も本当にわずかなのでしょう。今さらながら、あの煌めきの宴が懐かしく思い出されます。

何故突然このような気持ちになったかというと、今日の主役に「古式ゆかしい和風な披露宴の乾杯で、友人たちに振る舞えたらいいなぁ、、、」と思わせてもらったからです。

「青い空と白い雲」を瓶と泡で表現できるものなんですね。芸術的でありながら自然なビジュアル

黄金色の畳が床一面に広がり、その所々から黒くて艶のある檜の柱が厳かにそびえている。真っ白な障子は陽の光でほのかに黄色味を帯びて屋内を照らす。お膳には懐石料理が所狭しと並べられ、列席した友人知人は、新郎新婦の登場をゆるりと待っている。やがて羽織袴の新郎と、色打掛の新婦が登場し、深々とした一礼の後いよいよ宴が始まる。。。

こんな光景で「スパークリングワインで乾杯」となったら、なんとなく興醒めするような気がしませんか?どうせなら、調度・料理・演出に至るまでガッツリ「和」にこだわって、ご列席の皆様にせっかくの非日常を味わい尽くしてもらいたいものです。

そんな時のファーストチョイスが、千代むすび しゅわっと空です。
食前に、お酒そのものの味わいと、泡の舌触りの爽やかさを楽しんでもらえたら、その後の宴が本当に華やいだものになるでしょう。とにかく、まずはお酒そのもので楽しみたい銘柄です。他の味が混じっていない舌でこそ味わってほしいです。逆の言い方をすれば、おツマミと溶け合おうというタイプではない。。。

というのも、微発泡の日本酒が放つ特有の「ヨーグルトを思わせる香り」が鼻をくすぐるのですが、味は純米吟醸酒(泡のおかげか、苦味に似た独特の味わいがします)。初めて経験する「香りの味の乖離」を舌が理解するまでの間、おツマミとはついぞ分かり合おうとしないんです。

「生き物の命をいただくことに対する気概」に満ちた、妻が食べた秋刀魚

「日本酒となら相性抜群だろう」と思っていた焼き魚とも煮物とも、千代むすびは野太く一線を引いていました。私たちは少し戸惑いましたが「ツマミはツマミ、お酒はお酒で味わおう」と割り切ると、酒卓は和やかに。でも時間が立って程よく炭酸が抜けた頃、味わったオリーブオイルポン酢にしっかり使ったスライスオニオンとは、ようやく打ち解けてくれたんです。

「お?ここからならばおツマミとの相性を探れるかな?」と感じ、妻と思案した結果、千代むすびと引き合わせたのが、クリームチーズとハチミツ

いざ味わってみると、「勘違いしないでくださらない?」って千代むすびに言われてしまったような気がしてしまいました。宝塚の男役トップスターを務めた方々が一様にお持ちの「誇り高き立ち姿」とでも言いましょうか。頭のてっぺんから爪先まで真っ直ぐに、それでいて身体のあらゆる力は抜けているように、柔らかく立つ大人の佇まい。。。

だからこそ、若い2人の門出にふさわしいのかもしれませんね。「幸多かれ」と、背中を押してあげたくなるようなシチュエーションでこそ、本領を発揮する素敵なお酒だと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?