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日本で魅せたオールブラックスXV、ジャパンXVにトライを与えず圧勝!

夏真っ盛りの7月8日 東京 秩父宮スタジアムで行われた ジャパンXV ×オールブラックスXVの試合は、合計5トライを奪ったオールブラックスXVが38-6の圧勝で格の違いを見せつけた。

※トップの写真は、昨年のバーションのWeet₋Bixカード、アキラ・イオアネ

※上のリンクは、1戦目の見どころや出場する23人の選手のプレーの特徴などを書いたものです。


◆観客を魅了した熱い「Haka」

オールブラックスではないものの、オールブラックスに次ぐ代表チームの位置付けとあり、試合前の「ハカ」は行われる。
昨年のヨーロッパ遠征で披露したと同じ型でおこなわれ、昨年より気合が入っている様子が見て取ることが出来た。
以下の動画でも分かるように、LO ナイトア・アクオイの気持ちのこもった「ハカ」を始め、熱い「Ka mate」は、観客を虜にしただろう。

試合の方は、両チームとも初戦という事もあり多少のミス(コンビネーションも含めて)があるのは、想定内だったが、気になっていたのは気候の面。
真冬のニュージーランドから30度を超える真夏の日本に来たオールブラックスXVが慣れない気候から戸惑うかと思われた。実際にハーフタイムの点差はわずか5点(オールブラックスXVがリード)で折り返した。

そして後半、暑さに慣れてないオールブラックスXV疲れが出ることも考えられたが、逆にジャパンXVの方が足が止まったように見えた。

結局、ひとつもトライを奪う事が出来なかったジャパンXV。後半は、0-27のスコアーが示すように、ジャパンXVが良いところなしで終わった初戦だった。

◆テントの中で極秘のフィジカルトレーニングの成果は?

日本代表がワザワザ海外からスポットコーチとして呼び寄せて、極秘で行ったタックル強化が主としたフィジカルトレーニング。

12番中野選手が対面のグッドヒューに突き刺さるタックル、そして7番福井選手のタックル、ブレイクダウンでの奮闘ぶりを見ていたら、早速効果が出てるかなと思わせる場面もあった。

しかし、効果が出ていたのは、前半の途中までだったように思う。
特に後半は、たびたびタックルが弾かれる場面が見られラインブレークを許していた印象だ。小柄なSHブラッド・ウェバーにまでタックルを弾かれて抜かれていた。既に書いたように、先に足が止まったのはジャパンXVだったように思う。

◆オールブラックスXVが流石のプレー

この試合で目を引いたのは、10番スティーヴン・ペロフェタ(上記のTwitterの写真)。持ち味のランニングスキルの良さを存分に披露した。前半のトライの時の走るコースが素晴らしかった。後半も積極的に仕掛けて何度かブレークするなど、頼もしいプレーをしてアピールはバッチリだった。

その他では、やっぱりSH ウェバーだろう。軽快なボール出しは、もちろんの事、安定感抜群の状況判断、この試合ではランでも見せて観客を唸らせたに違いない。オールブラックスに居ないのがおかしいと再度言いたい。

グッドヒュー、ナンキヴェルのCTBコンビも素晴らしく、WTBに入ったサリヴァン(本職はCTB)も持ち味の強さに加えてスピード、ステップも披露してインパクトを残した。

そして、筆者が注目したのは、背番号15ルーベン・ラヴだ。
今季スーパーラグビーのほとんどを欠場していたとは思えないプレーを特に後半に魅せてくれた。
その中でも、サリヴァンに繋いだパス(最終的にナンキヴェルのトライ)をしたラヴのプレーは圧巻だった。
タイミングよくライン参加して、少しスピードとコースに変化を加えディフェンスをしっかりと引き付けて(二人)、外側のサリヴァンに絶妙なオフロードパスでつないだ。TVの前で思わず上手いと声を出してしまったくらい。

途中出場のSHフォラウ・ファカタヴァの終了間際の個人技のトライは、観客を盛り上げてくれた。持ち味を出した強さを見せてのトライは見事だった。

FW陣を見てみると、アクオイクインテン・ストレンジの両LOがラインアウトでジャパンXVにプレッシャーをかけただだけでなく、ブレイクダウンでもハードワークして勝利に貢献した。

ワールドカップ入りの当落線上のFLアキラ・イオアネも身体を活かした強さを見せて、幾度か前に出てチャンスを作っていた。そして、No8クリスチャン・リオ=ウィリーは、俊敏さでも目を見張るものがあり、更には良い突破を見せていてスーパーラグビーでの好調を維持していた。

◆気になる事を少しだけ

2か月後のワールドカップの事を考えての調整の段階としての正直な発言なんでしょうが、ある方の言葉が少し気になった。(オールブラックスXVとの初戦の事を軽視しているわけではないと思いたいが)

2万人台にしろ、秩父宮をフルハウスにして盛り上げてくれたのは、チケットを買ってくれたお客さんがいたからだ。
決して安くはないチケットを買い求めて来たお客さんに対して、ある程度しっかりしたコンディションで試合に挑む事が必要ではないだろうかと思った。

調整中であるのであれば、初戦の日本代表でないチケットをもっと安くしてあげれば良かったかなと思う。

この試合を世間はどう見たのか興味があったので、少しばかりSNSをのぞいてみることにした。

日本代表側に批判的になる人もいれば、オールブラックスXVの凄さを表現する人も居た。もちろん、捉え方は、人それぞれだろう。皆が全く同じな訳がない。

日本代表の事を批判的になっている人も居たけど、オールブラックXVのスキルを含めた選手の能力が高かったというのが第一にあると思う。
2戦目の照準を合わせているような、ある方の発言があるのであれば、それを見届けて判断するべきかもしれない。
しいて言うと、オールブラックスXVの後に行われる、パシフィックの国とのテストマッチ終了後に評価するべきかもしれない。

少し前に、ワールドカップで優勝を目指すと言っていたFLリーチの試合後のインタビューは、かなり落ち込んでいるような様子が伺えた。オールブラックスXVに何もやらせてもらえなかったので、本人も相当悔しかったんだろうと思う。

2戦目は、日本代表という事で、もっと競った試合を期待したい。
しかし、オールブラックスXVも初戦で登場してない選手で凄い選手がいる。
こちら(ニュージーランド)もガチで行きまっす!!
ニュージーランド側からのコメントをすると、「負けませんよ」と言いたいです。

◆スコアー&ハイライト動画

Japan XV 6
(Rikiya Matsuda 2 pen)
All Blacks XV 38
(Jack Goodhue, Etene Nanai-Seturo, Alex Nankivell, Folau Fakatava tries, Stephen Perofeta try, con, 3 pen, Brett Cameron con)
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