#1会社にうんこが落ちてた

会社にうんこが落ちてた。

8階の廊下に。

嘘みたいなほんとの話。
本当にほんと。

鹿みたいな丸いコロコロうんこがひとつだけ、
コロンと。

コジさん（上司）の電話が鳴って
「え？嘘でしょ？？もーほんと？！」
と言うのでどうしたのか聞いたら

8階の人から廊下にうんこが落ちてるって、
取ってくれって言われた
とのこと。


え、それ私ら総務の仕事なん？
と思ったけど優しいコジさんは現場を見に行った。


ほんとは後輩である私が
動かなきゃ行けない気がするけど
先輩は私が女であることもあってか
見に行ってくれる？とは言わなかった。
（ごめんなさいコジさん。ありがとうございますこじさん。)

うんこの報告を聞いた私と
戸田さん（もう1人の先輩、女性）は
すぐに人間のじゃないことを祈りながら憶測し合う。　
ねずみが入ったのか？
ねずみのはちっさいからそんな分からんと思う。
なら猫か？
8階に猫は流石におらんと思う…

PCに向かってコジさんの帰りを待つけど

なんで？
どうして？
どんな？
誰の？
いや、どーやって？
どーやって落ちたん？


という疑問がずっと頭の中を占領して
仕事どころではなかった。

コジさんが帰ってきた。

「どーでした！？」

「あ、うんこだったよー！」
そう言って遠目から撮った
ちっちゃいうんこの写真をチラッと見せてくれた。

ほんまや…しかも人のや
人なんや…

私はてっきり液体ちっくなものが
垂れてしまった感じを考えていた。
だって液体状のは我慢できない。

人間誰でもお腹を壊したら液体化してしまって
そこまで気張ってないのに出てしまう事もある。
そういう事だろう、体調が悪いのだろうと思ったのに
固形だった。

固形の丸をひとつだけ落とす事に戸田さんも
コジさんも
相当な技術だと驚いていた。
コジさんは凄いよねほんと。と言って感心してた。

まずトランクスであることは満場一致した。
（8階は8割男性社員が締めている且つ
男性はお腹が弱い傾向があるので男性という見切り）

それに脚も細いだろう
ズボンと脚の隙間から転がれる余裕がある人だ。

トランクスを履いた脚が細い男性が
一瞬門を開いてやばいっ！と思って閉じた。
閉じたけど1個落としてしまった。

と言うのが私達3人の見解だ。

犯人探しはしないけど
したくないし見つけたところで
どうしたらいいかわからないし。
しかも女性だった場合なんかもう
申し訳ないし。

うんこって会社にも落ちてるんや。
知らなかった。
新しい経験ができた。

私はこのプチ事件のおかげて
楽しい1日になってよかった。
落とし主ありがとう。

君の無事を祈る
私ならもう帰りたいけどな。

ちなみに

これどうやって処理したのかと聞くと
トイレットペーパーでくるんで捨てたとの事。

コジさんすげぇぇえええええ。

人のうんちを捨てるのはまだ30年も生きてない私には
持ち合わせていない度胸。

総務部6年目の修行はつづく。