怖がらせてはいけない

「出産の時痛かった?」
「育児ってやっぱり大変?」

同年代の友達から聞かれることは大体決まっている。

私は26で結婚して28で出産して、それが一般的に早いのか遅いのかわからないけれど、自分の周りの友達はキャリアウーマンの方が多いからか、こういう質問がとても多い。

そういう時に、一瞬なんと答えたら良いのか迷う。

出産は確かに痛かった。育児は確かに大変だ。

でも、そうじゃない。私が伝えるべきはそういうことじゃない。
いつも迷って迷って、ひとこと「大丈夫!!!」という訳のわからない回答をしてしまう。

大抵みんな笑って「大丈夫って何よ」と言うのだけれど、この前真剣に私の言葉の意味を尋ねてくれた子がいた。

その子に丁寧に説明していたら、何となく自分が伝えたかったことが見えてきてスッキリしたから、ここに残しておこうと思う。

まず、妊娠も出産も育児も初めての経験だから何もわからない状態からスタートした。妊娠中のつわりはしんどかったし、出産は普通に痛かったし、退院してしばらくはあまりまとまって眠れないし何で泣いているかわからないしで困り果てた時期もあった。

でも、それは大きく捉えた時の”総括”であって、その日々の中に

初めてエコー写真で赤ちゃんを見つけた感動
自分のお腹が本当に膨らんできた!という驚き
お腹の赤ちゃんに旦那さんが初めて見せる愛おしい表情
出産直後、初めて娘を腕に抱いた時の何とも言えない気持ち
はじめて哺乳瓶からミルクを飲む小さな生き物
娘がはじめて笑った時のとんでもない喜び

というような書ききれないくらいの嬉しい楽しいという気持ちが散りばめられていた。辛い時もあるけど、そういう気持ちだってたくさんあった。今も育児が大変だと思う日もあるけれど、娘が愛おしい!今が一番幸せ!と心の底から思う日だってある。

それは、今まで経験してきた「部活」「受験」「就活」「仕事」にも全部共通してるんじゃないかなと思う。はじめて挑戦することは怖いけれど、やってみたら意外と乗り切れていたし、続けていれば辛いことも嬉しいこともあるという経験の中に「妊娠」「出産」「育児」もあるのかなと。

もちろん、一人の命を預かっているのだから子供を授かる責任はとても重いし「私にできるのかな」と不安に感じるのは当然だと思う。

でも、今までの人生で色んな場面を乗り切ってきた「経験」があれば、ちゃんと育児できる。困った時は誰かを頼るとか、しんどくなったらコーヒーブレイクするとか、そういう小さな対処法も実は今までの人生経験で培われていたと思うから。

だから、これから出産・育児を考えている人に対して否定的な言葉を強めに言って怖がらせることはしたくないなと思っている。

出産は確かに痛かったし育児大変な日もあるけど、赤ちゃんはすごく可愛いしこれからの成長が本当に楽しみなんだ。幸せだなって思う日もたくさんあるよ。辛いことを乗り切る力は十分つけてきたんだから、大丈夫。

と言ったら、その友達はすごくすごく嬉しそうにしていた。

出産育児を武勇伝的に語る人もいるけれど、これから子供を持ちたいと考えている人にはもっと明るい真実を伝え続けたい!と私は思う。







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