「ピンチはとんち」の頭の捻り方、実行の仕方

こんにちは。お久しぶりです、ナッツです。

「ピンチはとんち」って言葉をよく使います。(よくピンチがあるわけではない)

ここに詳しく書いてます。

「アドリブ力」とも言えるかもしれませんが、なんせ、自分が想定していたことと違うことが起きた時に、自分にとって「良いこと」に風向きを変える腕力のようなものだと思ってくれたらいいです。

“一見ピンチに見えるけど、とんちを効かせたらむしろ事態は好転した“みたいなやつです。

実際によくある例なのですが、学校現場において、ある生徒Aが「嫌な目にあった!叱ってほしい!」と怒りながら教師に訴えかけてきた時など。

よくよく生徒Aのことを見てみると、実は普段から自分勝手な行動をしていて、他の生徒も眉を顰めるようなことが多く、周囲の生徒にとっていい加減今回は目に余るとして「自分勝手だよ。」と言われてしまった。

言われた生徒Aは自分勝手と言われて「嫌な目にあった!」とぷりぷり怒っている状態です。

これをどうにか鎮火せねばと考えるんじゃなくて、この事態を正しく読み取り、偶然発生した力学を利用するのが一番です。

考えるべきは、「トラブル発生だ、どうしよう・・・」ではなく、言われた生徒のダメージには気を配りつつ。「自分勝手であると本人に伝わった」ことをいかに有効活用して、普段からの課題を解決するかです。

この辺りが「とんち」の肝になってくるのですが、以前は「ピンチは力学が働くってことだから活かそうね〜」止まりでした。
あとは、常に「理想を考えておく」ことをしないと、とんちの効かせ先である、「こうなって欲しいな」がないと、活かし先がないので、そもそも考えることすらできないよね、、、と。

この辺りまではお話ししたのですが、その先の具体的な考える“型“についてお話ししたことがありませんでした。

そこで今回は、この「とんち」のきかせ方についてちょっぴり深掘りしてお話します。

とんちといえば一休さんでしょ

一休さんはご存知ですか?とんち界のレジェンドです。

彼のとんちの利かせ方にヒントがあります。

有名な話だと、「このはし渡るべからず」とあったので「真ん中を渡る」とか、
和尚さんに「この水瓶の中は毒だから飲んではいけない」と言われた一休さんは、中身が水あめだと知っているので、わざと和尚さんの大切にしているスズリを割って、「死のうと思って水瓶の中身を飲んだが甘いだけで死ねない!」と言ってまんまと水あめを舐めることができたり。

このように、たくさんのとんちストーリーがあります。

ここで一休さんの思考回路を紐解いてみます。

これらのストーリーを抽象化すると、「相手の理屈に従った結果、相手の主張とは全く別の(自分にとって有利)な主張を導くことができた」となります。

ここでは「相手の理屈には従っている」ことがポイントです。

あくまで相手のルールに従う必要がある。

そこで幾つものとんちをきかせたアイデアを出すためには、まず相手の主張、条件、自分の条件を正確に把握する必要があります。

これらは間違っても、相手の主張の隙間や痛いところをつくためではありません。

言いくるめたり、痛い所をついて賞賛される場面なんてテレビ以外ではありません。

目的は、「相手の理屈にのっとって、“納得”してもらって別の結果に持っていく」ことなので。

この目的を忘れてしまうと、“とんち”ではなく“言いくるめ”になってしまい、ただの自分勝手に主張する“わがまま”になってしまいます。

一休さんがただの「屁理屈こねる面倒なヤツ」と言われない理由はココです。

ここまでをまとめると、(対人であろうがなかろうが)ピンチになってとんちをきかせて乗り越える時、その時の条件をしっかりと確認する。ルールや相手の理屈のことです。

そして、それには必ず則ったまま、前提条件について色んな角度から考える。自分が解決したいことに「その条件ではコレ(別の案)もできるよね?」と繋げていきます。

「このはしを渡るべからず」→「やだよー」だと反発しあってしまいます。

そこで、「OK。あなたの条件に従うね。じゃあ、その条件なら別の主張も通るよね?」と、相手の主張を条件に切り替えて、こちら側の主張や叶えたいことに繋げました。

条件を制する

ピンチの種類が対人関係に関わることでとんちを効かせる時、きっとそこには意見の相違なり対立があることが多いです。真っ向から対立している時に、とんちを思いついても上手く持っていかないと炎上必至です。

生徒Aは「嫌なことを言われた!」VS「いやいや、他の生徒がもう我慢できなくて指摘してくれたんだよ。」

確かにここで、生徒Aに「普段言えない「君は自分勝手だよ」と言えるチャンスだ・・・」と閃くところまでいけたとしても、炎上したら伝わりません。

このような時、相手の主張を真っ向から否定してはいけません。

99パーセントこじれます。でも、どうしても否定しないと話が進まない。

ではどうするのか?

ここでは、相手の主張の前にある「条件」を否定します。

「あなたの主要のもとである「条件」がそもそも揃っていないんじゃないかな?その条件が揃っていたらあなたの主張は確かに正しいんだけど・・・」

のような持っていき方です。

「このはし渡るべからず」も、「はしがきちんと漢字で『橋』と書かれていたら、渡らなかった。だけど、この立札にはひらがなで書かれていたので、端っこを渡らなければいいので真ん中を歩いた。」です。

先ほどの生徒Aの主張を見返していただきたいのですが、生徒Aの主張を真っ向否定せず、条件を否定しにいきます。その結果、主張の否定につながります。

「もし君が理不尽な目にあっているのなら、対人関係について教えることも先生の仕事だから、君の言う通りにその生徒をしっかりと叱るね。」

と言ったら、生徒Aは特に違和感なく聞くと思います。

そこで、「だけど相手にとっては、生徒Aさんが自分勝手だと思ったから注意してしまったんだって。だけど今回は理不尽であるとは言い切れないね。先生の仕事は対人関係について教えることだから、生徒Aさんのこの部分の行動面を直してほしいし、相手の生徒の言い方も注意しておくね。」のような構文にします。

普段、「君の行動は自分勝手だよ。」と言うのはなかなかできないのですが、このようなトラブルでは、関係者の精神状態は普段とは違うので、言うチャンスでもあります。

その時に、いきなり主張をぶつけるのではなくて、丁寧に相手の条件を見極めて、条件を否定してあげて、間接的に相手の主張を崩しにいきます。

ピンチをとんちにするという事は、もう乱暴に言い換えると「相手の主張を自分の主張にする」「嫌な流れを好みの流れにする」ってことなので、この辺りの流れの方向を見つける(=とんち)ことと、実際に流れを変える(=主張ではなく条件を崩しにいく)の2つを身につけることをオススメします。

少し込み入った内容になりましたが、こんなことを考えながらピンチをとんちに変えていますって話でした。

以上でーす!

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