寒い日ってケガをしやすいの??
こんにちは!理学療法士の増田です
2月も中旬ですが
都内でも雪が降ったりとまだまだ寒い日が
続いていますね…
そんな寒い季節にスポーツしている人
「寒い日は怪我をしやすい」
「寒い日は身体が動かない」
こんなこと聞いたことないですか?
たしかに体感として寒いと
身体が動かない感じがしますよね…
結論
寒い日に何も対策しないとケガをする可能性が高くなります。
その理由は・・・
今回のテーマは
【寒い日は怪我をしやすいの?】
身体が動かなくなる理由と対策について
解説していきます。
■寒い日は身体に何が起こっているの?
人の体温は2つの種類があります。
・皮膚の温度
→皮膚表面の温度で人によって異なりますが35.0℃-37.0℃程度になっています。皮膚の温度は身体の内部の温度を一定に保つように環境に合わせて変化します。
・身体の内部の温度
→核心温度と言われる温度です。
身体の中心となる内蔵周囲の温度でつねに一定になるように保たれています(37.0℃程度)
人が生きていくためには内部の温度を
一定にしておく必要があります。
脳で例えて説明します。
身体の内部の温度が高くなる→44℃以上脳が正常に働かなくなる
身体の内部の温度が低くなる→33℃以下意識を失う
どちらとも脳の機能が働くなり意識を失います
このようなことを防ぐために
表面の温度を調節して身体の内部の温度に変化がないようにしています。
では、寒い日はどのようにして
体温を調節しているのでしょうか?
■体温調節について
人の身体は気温(室温)、湿度、気流、日射によって変化しますが
基本的には身体の内部の温度が一定になるように調節されています。
このことは、脳にあるセンサーが感知して
熱を作ったり、熱を逃したりすることで調節しています。
このことを熱産生(熱を作る)と熱(熱放散)と言います。
熱産生:身体に熱を作り出して体温を上げる機能
筋肉の収縮やホルモン・細胞の代謝によって熱を作る
熱放散:身体から熱を逃がす機能
呼吸や汗、熱の伝導で身体の外に熱を出す
■寒い日にケガをしてしまう理由
寒い日は身体の内部の温度が下がらないように熱を作り出すことが必要になってきます。
このときに使うのが筋肉です。
みなさんも寒い日に筋肉が「ブルブル震える」経験ありますよね?
筋肉震える(収縮)することによって身体に熱を作り出しています。
一見、身体に対して良さそうに見える筋肉の収縮ですが
ケガに繋がる危険性もあります。
寒さによって筋肉がブルブル震えて収縮していると
①筋肉の伸び縮み出来ない
②血管も収縮して筋肉への血流が少なくなる
筋肉の伸張性が低下した状態で運動することで
筋肉が無理に伸ばされて肉離れの症状を引き起こします。
また、筋肉が伸びないと靭帯や筋肉の付着部に過剰な負荷が加わり関節を痛める可能性も出てきます。
寒いと筋肉と一緒に血管も収縮し筋肉への血流が少なくなります。
そうすると、筋肉の運動に必要な栄養が届かなくて筋肉が疲労します。
疲労した状態で運動を続けることでケガを引き起こします。
ケガをしないためには、熱を作るための筋肉の収縮を抑えることが必要になります。
ポイントとしては2つ重要なことがあります。
・体温を上げる運動を行うこと
・身体の表面の温度を下げないこと
■寒い日にスポーツする時の対策
ここからはケガをしないための対策について解説します。
寒い日にケガをしないためには体温を下げないようにすることが重要です。
運動によるケガは運動開始直後に起こることが多いと言われています。
つまり・・・
運動を始めるときに体温が低い状態で始めてしまうと、ケガにつながる可能性が高くなるということです。
対策としては運動開始前に体温を十分に上げた状態にしておくことです。
①ウォーミングアップ
スポーツを行う多くの人が運動開始前にウォーミングアップをしていると思います。
みなさんはどんなウォーミングアップしていますか?
多く聞かれるのが「ストレッチ」ではないでしょうか?
筋肉が伸びにくいとケガをしやすいからストレッチで筋肉を伸ばしてく!
確かに、間違ってはないですが
「寒い日」ではそのウォーミングアップでは不十分です。
・ストレッチでは体温が上がらない
みなさんが行っているストレッチは「静的ストレッチ」と言い
ゆっくり筋肉を伸ばす運動です。
静的ストレッチでは、筋肉の収縮が起こらないので体温は上昇しません。
寒い日にオススメなのが「動的ストレッチ」です。
これは関節を大きく動かすことで、筋肉の収縮が起こります。
筋肉が収縮すると体温が上昇していきます。
なので寒い日のウォーミングアップでは「動的ストレッチ」を行い
体温を上げることでケガを予防しましょう!!
②防寒対策
寒い日にケガを予防するには、ストレッチで体温を上げることも重要ですが
体温を下げないように防寒対策を徹底することも重要です。
・手袋をつける
ウォーミングアップ中や運動中でも手袋をつけていると体温の低下を予防できます。
手には感覚のセンサーが多くあり、寒い環境にいるときや冷気が当たることで寒さを感知します。身体が寒いと感じると、センサーの働きにより「筋肉のブルブル」が起こりケガをしやすい状態になります。
なので、手を冷やさないように手袋をつけて運動しましょう!
・ネックウォーマーをつける
2つ目はネックウォーマーをつけることです。
これは首を冷やさないための対策です。
首の周りには太い血管が多く、脳や身体へ血液を運んでいます。
首元が冷えることで血管内の血液が冷えた状態になります。
冷たい血液が脳や筋肉その他の臓器に運ばれることで、身体の内部の温度が低くなります。
このようなことを防ぐためにネックウォーマーを使用しましょう!!
・インナーウェアを着る
3つ目はインナーウェアを着ることです。
インナーウェアと言っても様々な種類がありますが
オススメは肌に密着しているタイプのものです。
人の体温と比べ外気温度が低いと身体から空気中に熱が逃げていきます。
身体から熱が逃げ続けると体温は低下してしまいます。
このことを予防するために身体に密着したウェアを着ます。
身体に密着することで、外気中に熱を逃さずに保温することができます。
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今回は寒い日とケガについてお話してきました。
寒い日でもケガなく運動を楽しむために「対策」が重要になっていきます。
ランニングして身体を温めよう!!この考えではケガを引き起こしてしまいます。
ランニングをする前に準備として体温を上げておくこと
ランニング中に熱を逃さないために防寒対策をすることが重要になってきます。
この記事を読んだみなさんはしっかりと対策をして冬のスポーツを楽しみましょう!!
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