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90歳超えでも大丈夫!脊椎手術の成功率とリスクを徹底解説

背景

日本は超高齢化社会まっしぐら!
脊椎手術を受ける高齢者も増え続けていますが、
90歳を超えるとさすがに手術のリスクが高まる。
合併症も心配ですよね。
でも、きちんとした手術を行えば、
QOL(生活の質)の改善が期待できるんです。
この研究では、
90歳以上の患者に対する脊椎手術が本当に安全か、
70歳代の患者と比較して調べています。

方法論

この研究では、2012年から2018年にかけて
脊椎手術を受けた90歳以上の24名を調査。
さらに、同時期に手術を受けた70歳代の患者1,022名との
比較もしています。
以下の項目を分析:

  • 手術部位:どの部分を手術したか。頸椎、胸椎、腰椎などの部位を確認。

  • 疾患:手術をする理由は何か。変性疾患か外傷か、など。

  • 手術方法:椎体形成術(BKP)や除圧術など、どんな手術が行われたか。

  • 手術時間・出血量:手術にかかった時間や出血量を比較。

  • 合併症:手術前後に起こったトラブル、例えばせん妄や心不全、肺炎などを確認。

  • 改善の有無:手術後に痛みや筋力がどの程度改善されたか。

結果

  • 手術部位や疾患:90歳以上の患者と70歳代で大きな違いはありませんでした。ただ、90歳以上では椎体形成術(BKP)が多く、固定術は少なめ。

  • 手術時間と出血量:90歳以上では手術時間が短く、出血量も少ない。侵襲が少ない手術方法が選ばれることが多いからですね。

  • 合併症の発生率:90歳以上では20.8%の患者に合併症が発生。70歳代(8.3%)に比べて高いですが、統計的には有意差はありませんでした。せん妄、心不全、肺炎などが起き、1人の患者が合併症で亡くなっています。

  • 改善の有無:90歳以上の患者でも手術後に痛みや筋力がしっかり改善され、70歳代と同じレベルの効果が見られました。

結論

90歳以上の超高齢者でも、
適切な手術方法を選べば脊椎手術は安全にできるし、
術後の改善も期待できます。
特に、手術時間や出血量を抑える低侵襲手術(BKPなど)が
非常に効果的です。
ただし、合併症のリスクは無視できないので、
事前にしっかりリスクを説明すること、
慎重に患者を選ぶことが大切です。
ASA-PS(全身状態を評価するスコア)が3以上の患者では、
合併症が多発する傾向があるため、手術前の評価が超重要です。

まとめ

結局のところ、90歳以上でも手術は可能で効果も期待できる!
ただ、手術方法の選択と全身状態の評価が超重要なので、
慎重に行うべきですね。

  • タイトル: 90歳以上の超高齢者の脊椎手術における周術期合併症と治療成績

  • 著者: 岩田秀平, 山崎隆志, 原慶宏, 松谷暁, 伊藤悠祐, 石川由規

  • 掲載誌: Journal of Spine Research, Vol.11 No.7, 2020

  • DOI: 10.34371/jspineres.2020-0703

  • ページ数: 949-954

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