「痛みを伴う教育観の転換」を温かくサポートすることから始まるGIGAスクール(講演会:前半)
一緒に子どもたちのために勇気を持って「痛みを伴う教育観の転換」をする。その為に、まずは大人の学びが大切 双方向のやり取りからスタートしていただけたら。
「痛みを伴う教育観の転換」というフレーズから、オンラインイベント「オンライン学習でできること、できないこと」はスタートしました。
改めまして、新しい教育の形を学ぶ機会をつくるをスローガンに千葉県流山市で活動をしています「Nagareyama Challenge for Education(ピーナッツ)」橘です。
今回は、11月14日に開催した千葉大学付属小学校 専任教員・ICT教育主任 小池翔太先生による「オンライン学習でできること、できないこと」の開催レポートです。
今回は大きく二つのテーマでの講義でした。
前半は保護者に、後半は先生へ向けてお話ししていただきました。(後半は別の記事へ)
友達と先生とつながれる場所づくり〜緊急事態宣言発令後からこの夏までの千葉大付属小の取り組み〜
同校では、緊急事態宣言発令の2日後(休校初日)よりオンラインの取り組みを開始。児童一人一つずつのアカウントを発行し「Teams」の導入を試行的に開始しました。
環境が整っていない家庭もあったため、全家庭絶対実施とまではいきませんでしたが、積極的に使用した家庭が多く友達とつながる場ができはじめたそうです。
一方向だけにならないで友達と先生とつながれる場所づくりを心がけました。課題に取り組む際には、授業の録画配信といったスタイルではなく、オンラインをつかって困った時にいつでも聞けるようにしました。
春休みは実施しませんでしたが、夏休みの短縮・授業時間確保のためにオンラインで家庭とつながり授業を実施(教室内にスクリーンパネルを設置し自宅からの子どもたちはそこから授業に参加)、夏休み電車通学で遠方から暑い中来ている子どもたちのことを考えて設計されたそうです。
※ちなみに「Teams」とは?
業務効率化のグループウェアメール・チャット・文書・スケジュール管理すべてが一つになったもで「Line」とほぼ同じだと考えるとわかりやすく、「Line」を使う時に取り扱い説明書を読んで使い始めた人は一人もいない。「Line」と「Teams」は同じものと捉えることで抵抗意識の払拭につながった。
授業にICTをどのように使うか
学力upという学力の保障をオンラインで行うにはハードルが高いので、まずは「Teams」で動画や資料の作成や検索から導入をしました。
ICTは先生が子どもたちに教えるための教具ではなく、子どもたちが自分で勉強するために使う文房具として使用することが大切だと思います。
学力保障の前につながり保障をオンラインで行うことで「教育観の転換」をサポートすることにつながると思います。
学力の話がないと不安になるのはわかるが、連絡帳や個人面談と同じ感覚で必要な遠回りだと思っていただきたいと、お話しされていたのも印象的でした。
「教育観の転換」を温かく後押ししてもらいたい
いつまでも寝た子を起こすという教育観でよいのか。保護者の方からも先生方の「教育観の転換」を温かく後押ししていただきたい。
小池先生が、保護者の方に一番お伝えしたいことは、後押しをしていただきたいということでした。
例えば、「学習の文脈で双方向でのやり取りを行うことで子どもがトラブルを体験することもあります。ですが恐れないでいただきたい。大人が決まりをつくって制限してしまうと、子どもたちが発言したいと思っていることもできなくしてしまう懸念がある。具体的には、子どもたちがこうしたいという希望、例えば委員会活動といった活動の提案があればプライーベートのチャネルを作成し対応した。」
こういったチャレンジには保護者の方の理解が必須だと思いました。
「IT相談窓口 お助け隊」の開設
同校の保護者の方は、PTAを通して「Line」のオープンチャットを利用して「IT相談窓口お助け隊」を開設されたそうです。
学校からお願いしたわけではなく、先生方の思いを察した保護者が自主的に立ち上げてくださったそうです、匿名で活動している姿がとてもかっこいいなと思いました。
我々、NCfE(ピーナッツ)も、新しい教育の形を学ぶ機会をつくるをスローガンに千葉県流山市を中心に活動していますが、今回のような講義を行うことで、保護者の方にも新しい教育の形を少しでも知っていただきたいと思っています。
====
NCfEピーナッツは、継続して教育環境をより良くすることを目的に、教育研究、ICT利活用の提案作りを行っていきます。
教育研究レポート(アメリカのSTEM教育について)はこちらからどうぞ
※教育研究については継続してレポートを配信予定です。活動にご支援いただける方は、ご購入いただけると幸いです。
後半の記事はこちらからどうぞ
その他の記事はこちらからどうぞ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?