映画『Northern Soul 』

NORTHERN SOUL

【映画】
NORTHERN SOUL(原題)
ノーザンソウル

2014年 イギリス

ジャケがBeckみたいで気になったので観てみた。

1974年のイングランド北部の町バーンズワイス。

主人公は18歳の高校生ジョン。
家にはガミガミ言う母、何事にも興味の薄そうな父。唯一話を聞いてくれるのが祖父だった。
ろくでもない同級生たち。嫌味ばかり言う教師。つまらないハイスクール生活。

そんな退屈な日々の唯一の楽しみは、毎日バスの中で黒人の目のパッチリした可愛い女の子に会うこと。
後から乗ってくるその女の子にいつも席を譲る。女の子も分かっていてジョンの目の前に立つ。でも席譲る時、混んでるのをいいことにさり気なく髪の毛の匂いとか嗅いでるとこキモ…笑

ある日、両親に「ユースクラブ行ってみる?」と聞かれる。
気乗りしないまま、両親について行くジョン。

中に入ると、大きな音に合わせて踊る若者たち。
その中央には、やけに派手な動き(まるでブルースリーのよう)で踊る一人の男の子マットに釘付けに。
すると突然マットが変なやつに絡まれる。ちょうどそいつは自分自身に嫌がらせをする同級生だったから協力してそいつをボコボコに😅

そこから仲良くなってマットの家に招待される。
家には両親はおらず、マットの兄ポールとの二人暮らし。
アメリカに行ってレコード買い付けるというポール。「DJになる」と言うマット。
夢を語る二人にワクワク。
不安ながら渡されたカプセルを一粒パクリと口に入れるジョン。
帰り道突然走り出す!!
ここからがダダダダーッとスピード感ある映像で観てるコッチもワクワクする!

マット(兄ポールの)に貸してもらったレイ・ヘンダーソンのDJ  MIXに衝撃を受けるジョン。ドラッグも効いてるぜ笑
カバーアップ(隠蔽曲)の存在も知って、いかにDJは皆んなが知らない曲をかけられるかってことが重要な鍵だと知る。

七三分けでママの趣味のパッとしない格好
のジョン。
まずはジョンの見た目から改造だ!!とばかりにマットはジョンを買い物に連れ回しコーディネート!!

高級革靴にブルースリーみたいな3本ラインの入った赤ジャージ(まるで私の中学時代のジャージのよう笑)。パンツは黒のワイド。髪型は真ん中分け?くらいに。
肋の見えたガリガリの体は鍛えて見せれるように!レコードを聴きながらダンスを磨く。
近所のクラブ(ユースクラブ)に行きまくる。
ダンスダンス、レコード、ダンス!!

くだらない同級生たち、暴言しか吐かない教師、退屈な学校とはおさらばだ!
テスト中、外へ出て制服を放り投げ学校を飛び出すジョン。
なんとも爽快!!

レコードを買うため、DJをするため、パーティーを開くため、クラブを作るため、資金作りにマットと二人で工場で働く。
毎週のようにクラブに通いレコード買う。仕事中眠くなる。ライン業務だったが、ミスして上司に怒られてそれぞれ担当部署を変えられてしまう。

マットは配達係。ジョンはオーブン担当に。
オーブン担当には元々の番人で殺人犯だって噂のヤバイ男ショーンがいた。
しかし、ショーンの腕に「NORTHERN SOUL」の文字を見つけたジョンは興味を持ち話しかける。
すると荒い対応だったショーンが打ち解けてなんと意気投合。

ショーンを気に入らなそうにしていたマットも結局3人で行動を共にするように。
ショーンの案内でデカバコ『Casino』へ。
いつも大量にドラッグを持っているショーン。どんどんタダで出てくる。
そのお陰で…やり過ぎてトイレでぶっ倒れたジョンだったが、マットの心配をよそに看護師のアンジェラ(バスでいつも会う女の子)が介抱しフロアへ復活。
とんだドタバタ劇。

ジョンは、海軍の奴らからレコードを買いまくる。そして、ついにレイのかけていたカバーアップを見つける!
それをショーンが借りてくれたクラブで流し、見に来ていたレイに駆け寄り話しかける。「よく見つけたな」と。なんとか交渉したら次のレイのパーティーの前座30分だけ回せることに!!ワォ!

しかしパーティー最後、回し終わったところでマットが「続きは○○で!」と、うかつにもマイクを通してショーンの自宅の住所を言ってしまったのだ!!
案の定、警察が嗅ぎつけてショーンとジョンが乗った車は追われることに。
カーチェイスの末、警察を逃れるも最悪の事態になってしまう…。

この一件以来ジョンとマットの関係がおかしくなってしまう。

いつまで経ってもお金を貯めてる様子もなく、自己中心的で暴言ばかりを口にし、皆んなを楽しませるDJプレイも出来ないマットに不信感を募らせる。

ある日レイがショーンを偲んで…と流した馴染みの曲。聴きながらフロアでジョンが悲しみを胸に踊るシーンは何とも言えず胸が熱くなる。
堪え切れず途中でハコを飛び出すジョン。

そんなジョンを慰めるアンジェラ。
そしてその夜めでたく結ばれる二人。
清々しい朝を迎える二人。
なんだか吹っ切れたジョン。

…とは、裏腹に落胆するマット。
そのギャップ絵図や…。

しかしその後、新たな仕事を見つけ道路工事をして汗を流すマット。
それを聞き現場に会いに行くジョン。話をしようと声を掛けるも冷たくあしらうマット。

ある日、仕事仲間の車の助手席でグッタリしていたマットの目に飛び込んできたのは…。
建物の壁に描かれたいくつもの言葉たちだった!!

取り合ってくれないマットに気付いてもらうため通り道の建物にジョンがスプレー缶で文字を一句一句(歌詞ワンフレーズごとに)何軒もに渡り、描いていたのだ!!

それを見て感動したマットは車を飛び降り、橋の上にいたジョンに駆け寄る。

マット「ファッキンテロリスト!」

ジョン「新しいレコードを見に来ないか?」

スタスタ先を歩いて行くマット。
ボーッと背中を見つめるジョン。

マット「ほら、行くぞ!」


二人の友情は、無事元に戻ったのであった。

♪♪♪

後のレイヴカルチャーなどに影響を与えた音楽ムーブメント。それが『NORTHERN SOUL』だったんだね!全然知らなかった…。
監督自身が70年代当時NORTHERN SOULの熱烈フォロワーだったよう。初監督ながら当時の熱狂ぶりを見事に再現して蘇らせたとのこと。
イギリスとソウルって私の中では結び付かなくて。「へーそうだったんだ!」と驚きだった。

初めて行ったクラブの煌びやかさだったり、ワクワク感だったり、初めて踊るってことを体験した瞬間だったり。それこそウォークマンで初めて音を聴いた時の衝撃だったり。そーゆうのがバババーッと私の中でも駆け巡って楽しかったな。
印象的だったシーンは、デカバコ『Casino』に行った時、フロアで皆んなが一斉に手拍子したシーンは、「これ映画館で観たらかなり臨場感あるのでは??」と感動した。かなり迫力あるシーンだった。

その後の二人がどうなったかって考えてた。
多分アメリカには行けたんじゃないかな?とは思う。
マットも少しは考えてちゃんと働いてたし。
でもパーティーは開けたかなぁー。難しかったかもね。
なんて。
やっぱこーゆう音楽メインの映画は好きなんだよなぁ。

楽しかった。
星四つくらい付けちゃう★★★★

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