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蜂蜜のある朝

最近の朝の贅沢は蜂蜜。(なんだか漢字で書くと高級品に見えるのは何故?)自家製のサワー種で作ったライ麦パンには、クリームチーズと蜂蜜がことのほか合うのです。どちらもドイツでも採れるものだから、仲がいいのかしら?

蜜蜂というのは凝り性なのか、一度に集める蜜は同じ種類の花のものなのだそうです。だから、アカシア蜂蜜とかクローバー蜂蜜というのは、養蜂家が苦労して仕分けしているのではなく(そんなこと、できそうにないですし)その花の咲く場所に行くと、自然にその花の蜂蜜だけが集まるのだそうです。売り場に並んでいる蜂蜜の色が違うのも、粘度が違うのも花のせいなのでしょうね。

今まで食べた中で、断トツに濃いのはニュージーランドだったか、オーストラリアだったかのハチドリの絵の描いてある容器のもの。色も濃かったけれど味も濃いものでした。フランスのパテイシェのレシピで、樅木の蜂蜜を使うというのがあったのを、これで代用して作ってみました。ビスケット生地の上にアーモンドと蜂蜜、生クリームを煮詰めてキャラメル生地にしたものを流して、再度焼くというフロランタン。美味しい、美味しいけれど濃厚すぎて、一度に少ししか食べられませんでした。湿気ってしまうのも、もったいないので、学校に行く子供に持たせ、友人達と食べてもらいました。

蜂蜜が違うと、味がこんなに違うのに驚きました。成程、元々のレシピで蜂蜜を指定しているわけですね。色々な蜂蜜を食べ比べてみたくなりますよね。国産のもので、味が独特だなと思うのは蕎麦の蜂蜜。あまり売っていないけれど、好きです。黒パンにのせるなら、このくらいの濃さがいいとおもいます。

蕎麦はソビエトやドイツでも栽培されていましたね。寒冷地でも栽培できる蕎麦、山形や長野では名産の蕎麦の材料です。ソビエトやドイツはパンの材料にするのです。余談ですが、ブータンでも蕎麦は食べられています。日本のように平たく伸ばして切るのではなくて、マッシャーのように穴から突き出して茹でます。茹でて、バターで炒めて食べるのだそうです。寒くて痩せた土地でも、人々を飢えさせない蕎麦は、美味しい蜂蜜を作る原料ともなっているのです。蕎麦に感謝<(_ _)>。

今あるものから、身近なものから、生活を潤すものを創り出していった祖先に感謝しなくては。今、ロックダウンの行われているイギリスでは、イーストの品切れが続出だそうです。パンを買う機会が減る→パンを作ろう、ということなのでしょうね。そこで昔ながらの、小麦粉から元種を作るパンを作っている方も多いと聞きました。イースト普及以前は、小麦粉やライ麦粉から元種を作ってパンを焼いていたのですから、できないものでもないでしょう。便利になったからといって、昔ながらの技法を捨ててはいけない、という教訓のような氣がします。

ただ、蜜蜂を飼うのはハードルが高いです。土地も必要だし、蜜蜂が蜜を集めるための花も沢山必要だし、蜂への耐性も必要です。蜜蜂に刺されても大丈夫な体質の人でないと、養蜂は無理なのだそうです。昔は、ドイツの修道院が行っていて、担当となるかどうかは、その人の体質によっていたのだとか。

最近鎌倉の建長寺の、半僧坊のあたりで養蜂を始めたということですが、どんな蜂蜜になるのでしょうか。あのあたり竹は多いけれど、竹の花ってめったに咲かないというのではありませんでしたか。


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