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食材を大切に

若い頃は、海外に行った時には現地のものを食べるのが一番!!日本ではできない経験だし、と思っていました。海外の日本料理店に食材の入手の問題で、「似てるけど、違う」ものを提供していることが多かったせいもあります。

当時アンカレッジ経由の空路だと(時代がわかりますね(;^_^)、空港の立ち食い蕎麦屋で蕎麦をすする日本人の姿を見かけたものです。「さっきまで、和食食べ放題だったのに」とか「あと少しで日本に着くのに」と、不思議に思っていました。

これが氷解したのは、後年仕事のごたごたと風邪で体調を崩した時です。欧州から日本への機内食で和食が出たのは、大変うれしかったのです。体調も心も弱くなった時、「大変だったね、よしよしヾ(・ω・`)」と言われたように感じました。和食は、私のソウルフードだったのです。

元氣な時は、どんな国の料理でも美味しく食べることができます。ですが、氣力、体力が衰えた時は、ソウルフードが慰めを与えてくれるのです。懐かしい母の味、祖母の味に近しい味が、安らぎを生むのです。体調を崩して知る、そのありがたみ。

仕事柄外食が続くと、食べたくなるのは普通のごはん。炊き立てのご飯と、だしを引いて作った味噌汁と漬物と、煮物。焼き魚なんかあると、尚嬉しい。心を込めた普通のご飯は、価千金。

多分日本在住の海外の方も、そんな氣持ちがあるのではないでしょうか。鎌倉在住のイタリアの方と知り合って、教えていただいたのは本場の味を提供しているイタリアンレストランやピッツアリア。食べてみると、日本のお店のものと似ているようで、何かが違う。スパイスの使い方や、味付けが違うのだと思うのですが・・。

物の入手の困難だった時代から、なんでも手に入る時代になり、コロナの影響で様々な物流に障害が生じるようになりました。運賃が上がったり、入手に時間がかかったり。

旅先で食べる自国のものに癒された気持ちを思い返し、昨今の物流の問題を考えると、食材の入手が当たり前と思ってはいけない、と思います。昔の人のように、食材を徹底的に活かしきる、使い切るということを心がけなくてはいけない、と思います。そして、自給率を上げるために、農業のテコ入れが必要だと思います。

平易に言うなら、将来の日本の為に食料を確保しておく必要があるということです。いつ、何があるかわからないのですから。



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