さようならの仕方

さようならをするときに次また会えるよという希望を含んでさようならをしたい
そうしないと、もう会えないという現実を受け止めるのは中々しんどいものがあって
学生の頃、毎日「また明日!」と放課後に手を振りあったように、そんな感じで、いたい
もう二度と会えないことがわかっていたとしても
その人達との別れが近づかないと、その人をもっとよく知ろうという気持ちになれない
いつまでも私は傲慢だ
また明日も会えるし、とか、いつかさよならするのにそこまで深く繋がらなくてもいいんじゃないか、とか、そもそも私に興味無いよね、とか
「どうせ」っていう枕詞を使ってなげやりに日々を浪費していた
あと少しだ、と気づいた時にはもう遅い
そんなことなら最初からもっと自分の気持ちに素直にしていればよかった
もっと仲良くなりたいっていう子供みたいな無邪気な気持ちのまま
この世で何よりも尊いのは「当たり前」だと思う
当たり前に時間を過ごせることは失わないと分からないし、当たり前を1番に忘れていくから
当たり前とさようならする
もう二度と戻らない当たり前に
ここにしかなくて今しか出来なかった
私はまた寂しくなって後ろ髪を引かれてあの時ああすればよかったと後悔することをやめられないだろう

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?