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図書室登校

高校生の時、教室に行くのが嫌でずっと図書室にこもっていた時期がある

保健室登校なんて言葉があるけど
私の場合は図書室登校だった

そのおかげもあって今でも私はよく本を読む

学校へ登校することが億劫で
不登校だった時期もあるけど
(別にイジメがあった訳でもなく行くのが面倒くさかった、先生とか勉強とか)

友人関係は良好だったし好きな先生もいた
だけど学校という集団行動を強いられる狭い空間が嫌いだったんだと思う

なんの理由もない不登校に担任から
せめて学校にきて職員室に顔を出してくれ、その後はどこに居てもいい、最悪帰ってもいい
という本当にクソみたいな事を言われて
(私には好都合だったけど)
まじで私の事なんてどうでもいいんだなと思った
ぶん殴ってやりたい気持ちを抑えて仕方なく登校する事にした

学校に行く曜日も決まってなければ昼過ぎに行くこともあった
渋々職員室にいきめちゃくちゃ不機嫌に
来ました。
とだけ担任に伝えその後は図書室へこもる

私はそのとき湊かなえさんの作品にハマっていたので図書室にあるぶんは全て読み切った
自己啓発本も好きだったので気になるものはあらかた読んだ
来る日も来る日も図書室にいって本棚を眺め、手に取り、読んで、また本棚を眺め、の繰り返し
ひとりじめの図書室で、ずっと、ひとりで

授業中の図書室の空気が好きだった
遠くから体育をしているだろうはしゃぎ声が聞こえたり、音楽室から楽器の音が聞こえたり、廊下をパタパタと急ぐ足音がしたり
学校の息づかいが伝わる

学校という檻から私だけが弾き出されている
だからこそ聞こえてくる音
それが居心地良かった

図書室のヌシとなった私は卒業式すらも図書室で終えた
友人達が私の分の卒業証書を抱えて図書室に来てくれた
友人達が私の卒業を祝ってくれた
記念撮影だけはしっかりして学校を後にした

皆と授業を受けた思い出がなくても
卒業式で名前を呼ばれた思い出がなくても
私にはひとりですごした図書室の思い出がある
その思い出は誰とも共有出来ないけど
私だけの宝物みたいな思い出になっている

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