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効率化をつきつめるとつまらなくなる

仕事柄、組織や個人の目的(目標)の成果に寄与していない事を無駄だと捉えそれを徹底的に削ぐことを日々考えているところがあります。

これについては「良い」も「悪い」も思っていなくて、ただ成果に寄与する20%を見つけてそこにリソース(資源)を投入できたら良いなぁと考えているに過ぎません。

徹底的に無駄を削ぎ合理的に物事を進めていく考えに疑問を持っていませんでした。

ただ、この1年の出会いや変化する社会の前で、新たな考えが湧いてきました。なので、今日は私が思う合理主義についてまとめてみます。

合理主義
1.合理的に割り切って考える行き方。
2.認識の起源を理性に求める認識論上の立場。また、理性を最高の原理とし、それに反するものを否定する思想上の立場。

合理的の反対語は非合理的なのでしょうが、情緒的とか感情的みたいなイメージで話される機会が多いように思います。なので、新しく出会う他業界の方と話すと「あんまり面白くない」「人は動かないよ」「なんか苦手」みたいに教えてもらうことが多くて想像以上に合理主義は人を不安にさせるのかと感じました。

実際、効率化を突き詰めると凄くつまらないことになります。本来、成果を求めて合理的に物事を進めていたはずなのに、何だかつまらない…新しくない…逆説的な結果となってしまうのです。

これは何故かと考えると、大きく2つだと考えています。

まず、仕事を進めるスキルに偏りがでるためです。仕事を進めるうえで必要なスキルとして、”問題解決能力””問題提議能力”があります。

問題解決能力は、何かしらの問題が起こった場合に、それを瞬時に判断して具体的な方策を立て、人を動かし自分も動いて問題を解決します。こんなに大きな話しでなくても、そもそも仕事とは、誰か(社会、お客さま、取引先、社内)の問題(悩み)を解決することで成立しています。その為、仕事をしている方は日々何かしらの問題(悩み)を解決しているはずなのです。

一方で、問題提議能力は簡単に言うと「問題を発見する力」です。お客さん自身が気づいていない課題を「これが問題になっているのでは?」と提案したり、社内のミスについて「実は今まで無視されていたけれど、この業務がボトルネットになっているのでは?」と全く違う視点で問題をなげかけたりします。

問題を解決するスキルは経験を積めば積むほど高まります。なので合理的に仕事を進めて沢山の仕事をこなすことで磨かれていきます。一方で、問題を発見して新しいサービスや、新しい解決策を立てるには多様な視点が必要になってくるのです。

例えば、コロナでリモートワークになり社員の生産性が下がっているとします。

「みんなのモチベーションが下がっているからPCにカメラを付けて監視しよう!」と本気で語る上層部がいたりします。

過去の大量生産大量消費の時代、みんなで一斉に”形あるモノ”を作っていた時代ならばPCの前に張り付けば生産性を上げれたかもしれませんが、現代は違います。より新しい”形のないモノ”を作らなければなりません。そのような中、気合と根性で生産性が上がるのは幻想だったりします。それでも過去の成功体験に縛られて、問題解決しようとして失敗してしまうのです。

上記は極端な例かもしれませんが、新しい問いを立てるためには、多角的に物事をみる視点が求められます。だからこそ、普段触れ合わない人との雑談や交流、雑多な読書や情報…とにかく多様な文化との触れ合いが必要なのです。無駄と捨ててしまいそうな積み重ねの中からしか発見できない問いがあります。

私の周りでも、新しい問いを立てる方たちは本当に多様な文化と触れ合っていると感じます。

次に他者との関係構築についてです。私は無駄から生まれる余白や綻びからその人の感性や人間味みたいなものが滲みでているように思うのです。そして、人はそこに惹きつけられ心を動かされます。この人と一緒に何かがしたいと突き動かされるのは、論理的な事業計画書や美しいビジネスプロセスではないはずです。

とはいえ、合理的に物事を見て進めていかなければいけない局面は絶対にあります。だからこそ、私は合理主義を否定しているわけではありません。

ただ、無駄を徹底的に削ぐだけでは、練度の甘い合理主義者に過ぎないのではないかと思い至っています。そこで、無駄なことを「新たな文脈の創発」として観る高次の合理性を持ちたいと思っている今日このごろです。それが私なりの合理主義のあり方です。

会うたびに「元山さんのいう効率化や合理性は面白くない」みたいにいじってくれた先輩方の言葉がやっと腹落ちしたので備忘録として纏めてみました。いつも、ありがとうございます!


余談ですが、こちらは組織内エコグラム診断の結果。私は「効率化アンドロイド」タイプと診断いただき、ドライな人間を彷彿とさせる単語(結果主義、メリットの有無で判断、常に効率を最優先)が並んでいます…💦w



後日談
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こちらのnoteを投稿したところ、診断いただいた垂水さんからtwitterで以下のコメントいただきました!見事なアンドロイドありがとうございますw
診断にご興味ある方は連絡してみてください。

twitterもやっています。有益な情報を発信できるようにと思っています。

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