note12星座

12星座の神話

はじめに

自分の星座を知っていますか?

きっと多くの人が自分は何座か知っているでしょう。

ではその星座の由来、知っていますか?

これについては知っている方が少ないと思います。もしかしたら幼い頃にプラネタリウムで見たり聞いたりしたことがあると思うのですが…覚えていないですよね。

星占いで使うこの12星座はすべて、神話にもとづいています。

結論から言うと、ほとんどの星座が何かしらの神様だとか、神様の子供だとか王妃だとか、そうそうたるメンツです。星座の元となっている神話あるいは神名については諸説あるので、星読みを勉強してきた中でよく見る説を採用しています。(特に乙女座は説が分かれる)

12星座の由来となった神話を、蟹座の私が皮肉混じりでお届けします。

ではどうぞ。
※目次から自分の星座にとべます。

牡羊座

【全知全能の神ゼウスの使い、黄金の牡羊】

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*牡羊座の神話*

 ポイオティア王の息子である兄プリクソスと妹ヘレの双子。この双子が継母の悪巧みよって、生け贄にすべく殺されそうになってしまいました。そこへ全知全能の神ゼウスは双子を助けるべく、黄金の牡羊を差し向けます。牡羊は無事に双子を救出し空を駆けていきました。しかし牡羊はあまりにも空高く飛んだため、妹ヘレが海に落っこちてしまいました!
 無事に逃げ切った兄プリクソスは感謝の印としてゼウスに羊を生け贄として捧げましたとさ。終わり。


 このゼウスの使いの羊が、牡羊座の由来です。牡羊座が後ろを振り返っているのは、妹ヘレが落ちてしまったからだとも言われています。

 この神話の最後、せっかく命を助けてくれたのに羊は用なしかよ!?と思ってしまいますが、古代ギリシャにおいて神が遣わした獣は神に返す(つまり生贄にする)風習だったのだとか。


牡牛座

【全知全能の神ゼウスが化けた姿】

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*牡牛座の神話*

 エウロペという美しい姫がいました。全知全能の神ゼウスは、エウロペという姫に恋をしました。そこでゼウスは純白の牝牛に姿を変えて、花草を摘んでいたエウロペに近づき誘います。エウロペが牝牛を見つけてその背にまたがると、牝牛はエーゲ海を渡りクレタ島へと彼女を連れ去れました。
 クレタ島へやってきた牝牛はそこで本来の姿=ゼウスを現し、めでたく二人は結ばれましたとさ。終わり。


 姫エウロペを誘う際に借りた姿=牡牛が空に上げられたものが、牡牛座です。ちなみにゼウスは姿を変えるの技が十八番(おはこ)。12星座だと他にも天秤座の神話に出てくる美少年を連れ去る時、鷲に化けています。神の中の王様ゼウス、手段は選ばないのだな。すぐ可愛い子にちょっかい出すんだよ、ゼウス。(他にも白鳥座や双子座がある。)

 この神話に出てきたエウロペ=Europeという姫の名前は、ヨーロッパの語源です。二人の逃避行の地がヨーロッパだなんて、素敵。


双子座

【兄カストルと弟ポルックス】

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*双子座の神話*

 全知全能の神ゼウスと人間であるスパルタ王妃レダとの間に生まれた双子、兄カストルと弟ポルックス。二人は仲良しでした。しかし弟ポルックスは神の子ゆえに不死、一方の兄カストルは人間の子でした。ある日、戦いで人間の子である兄カストルが死んでしまいます。弟ポルックスは兄カストルと共に死の国で暮らすことを望み、自分のもつ不死の力をカストルに分け与えてもらうことを父である神ゼウスに願い出ます。
 これにより双子は1日の半分は神として天界(不死の世界)で過ごし、半分は人として地上(死の世界)で楽しく過ごすようになりましたとさ。終わり。


 なんと素敵な兄弟愛や!ということで星座になったのが双子座です。

 あまり馴染みがないと思いますが、東南アジアでは曜日占いというのがあります。生まれた曜日でその人の性格などが分かるのだとか。実はこの曜日占い、7ではなく8つの要素で出来ています。水曜日は午前生まれと午後生まれとで分かれているのだそう。これは双子座の神話から来ているのだと思います。(双子座の守護星が水星=水曜日だから)

蟹座

【女神ヘラの刺客、大蟹】

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*蟹座の神話*

 全知全能の神ゼウスと人間の女性アルクメーネの間に生まれし子、ヘラクレス。ヘラクレスは自分の罪を許してもらうため、12の困難に立ち向かっていきました。
 そのうちの1つ、ヒュドラ(9つの頭を持つ巨大な蛇)を退治する冒険に出ます。ヘラクレスがヒュドラに苦戦しているのを見た女神ヘラは、刺客として巨大な蟹を送り込みます。女神ヘラはゼウスの妃であり、ヘラクレスの母アルクメーネを憎んでいたからです。
 蟹はヒュドラを助けようと果敢にヘラクレスの足をはさみますが、あっさり踏み潰されてしまいましたとさ。終わり。


 この戦いの様子をみていた女神ヘラはヒュドラと蟹の友情を憐れんで、空にあげ星座となったのが、蟹座です。

 ツッコミどころが多い、蟹座です。蟹は女神ヘラの遣いではなく、ヒュドラと共に沼に住んでいました。女神ヘラは、ヒュドラの友達=蟹に加勢するよう命じたといったところでしょう。他の星座の神話を読むとわかりますが、神が遣わすものは空から派遣されているのに…。しかも登場間も無く瞬殺されてしまうだなんて!
 12星座の中で蟹座は血統が良い訳でもなく、とかく功績をあげた訳でもないのに星座になっているので不思議なもんです。

そんな私は、蟹座です。(だから蟹座贔屓でもあります。)


獅子座

【ヘラクレスと戦ったネメアに住まう不死身のライオン】

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*獅子座の神話*

 全知全能の神ゼウスと人間の女性アルクメーネの間に生まれし子、ヘラクレス。ヘラクレスは自分の罪を許してもらうため、12の困難に立ち向かっていきました。
 そのうちの1つ、ネメアに住むの巨大な獅子を倒す冒険に出ます。この獅子は人間も家畜も喰い殺す魔物です。獅子はとても強く、ヘラクレスの放つ矢でも棍棒でも傷つけることができませんでした。まさに不死身。そこでヘラクレスは三日三晩、獅子の首を締め上げました。こうしてようやく獅子を退治することができたとさ。終わり。

 「よくやった、ヘラクレス!」と言って、父である神ゼウスはヘラクレスの功績を讃え、獅子を天に上げて星座にしたのが獅子座です。
 ヘラクレスは、この退治した獅子の皮を大事な戦いの時には身に纏っていたと言われています。なんだか、グッとくる。

乙女座

【正義と秩序の女神アストレア】

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*乙女座の神話*

 地上が大地の神クロノスによって統治されていた時代、気候は穏やかでいつも暖かかく、人は労働しなくても自然の豊かな恵みによって暮らしてた黄金の時代。しかし全知全能の神ゼウスがクロノスから政権を奪い四季が生まれました。人は労働しなくては日々の糧を得ることができなくなった白銀の時代。
 そして、剣や槍といった武器を作り出し、土地や作物を巡って互いに争うようになっら銅の時代。しまいには、悪行がはびこり一部の者が富を独占し、略奪や暴行を繰り返すようになった鉄の時代。
 こうして地上に人間が増えるに従いおこる醜い争いも増え、人間がだんだんと堕落していき神々が地上を見放していく中で、最後まで人間界に止まり「正しい道」を説き続けていたのが、正義と秩序の女神アストレアです。しかし彼女も、鉄の時代になるとついに人間に絶望して天へと帰って行きましたとさ。終わり。


 この女神アストレアが乙女座です。ただ、乙女座は諸説あり見解がわかれるところです。女神アストレアが持っていた裁きの天秤が、次の星座です。良かったら天秤座も読んでみてください。

天秤座

【正義の女神アストレアの持つ、正義をはかる黄金の天秤】

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*天秤座の神話*

 正義と秩序の女神アストレア。片手には黄金の裁きの天秤を、もう片方の手には邪悪を断つ剣を持っています。彼女は私情を混じえないようにと目隠しをして人々を裁きました。
 神々と人間が共に暮らしていた時代から地上には人間が溢れ、他の神たちが次々へと天に帰っていきました。人間の悪行や争いが増えてしまい、最後まで地上に残っていた女神アストレアも天へと帰っていきました。その時、どうにか地上の人々の心に「正義と公平、愛する気持ち」を思い起こさせようと、彼女が持っていた天秤を星座にかかげたのでしたとさ。終わり。


 天秤座の前の星座、乙女座は女神アストレアです。乙女座の神話を読むと、天秤座の神話の背景にあるものが伝わると思います。

蠍座

【大地の女神ガイアの使い、オリオンを刺殺したサソリ】

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*蠍座の神話*

 海神ポセイドンの息子オリオン。彼の剣士としての腕前は素晴らしくいものでした。オリオンが「俺に倒せない生き物などない」と豪語したと聞きつけた大地の女神ガイアは激怒します。女神ガイアは傲慢な男が大っ嫌い!
 そこで女神ガイアは一匹の猛毒をもつ大きな蠍をオリオンのもとに遣わします。蠍は隙を見てオリオンのかかとを刺しました。蠍の毒をくらいオリオンは息絶えてしまったそうな。お終い。

 オリオンを仕留めた功績を讃えて天に上げられたのが蠍座です。

 12星座ではありませんが、オリオン座もありますよね?冬の星座として有名なのでご存知の方も多いと思います。
 オリオン座は、恋人だった女神アルテミスがオリオンの死を憐れみ、神ゼウスにお願いして星座にしてもらったのだという話があります。オリオンにとっては蠍は天敵。だからでしょうか。東の空から蠍座が空に昇る頃、西の空にオリオン座は沈んでゆくのです。良かったら実際の星空を見てみてください。

射手座

【不死身の狩人ケイローン】

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*射手座の神話*

 半人半馬の種族ケンタウロス。その中でもケイロンは弓と医術と学問に優れており、多くの英雄達の師匠となりました。英雄として名高いヘラクレスもそんな1人でした。
 ところが、戦いの際にヘラクレスが放った毒矢がまちがってケイロンにあたってしまいます。しかしケイロンは不死身のため苦しむばかりで死ぬことが出来ません。そこでケイロンは不死の力を友人プロメテウスに譲ることで、自らの苦しみから解放されましたとさ。終わり。


 これを見た神ゼウスが、ケンタウロスの死を惜しんで天に上げて星座となったのが射手座です。
 少し話は脱線しますが、神話の中でケンタウロス族って、ちょっと野蛮なポジションです。その中でも彼ケイロンは例外的であり、逸材。ケイロンはアポロンから音楽・医学・予言を、アルテミスから狩猟を学びました。ケイロンはペーリオン山の洞穴に住み、薬草を栽培しながら病人を助けて暮らしていたとされています。
 また、ケイロンはすぐれた家庭教師で、ヘラクレス、カストル(双子座の兄)、アルゴー船のイアソーンなどなど。特に英雄アキレウスは有名です。アスクレーピオスには医術も授けたのだとか。どれだけ優秀なんだよ、ケイロン。

山羊座

【牧羊神パーン】

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*山羊座の神話*

 ある日、牧羊神パーンは他の神々と一緒に川の辺りで酒盛りを楽しんでいました。牧羊神パーンはその宴会で葦笛を吹いていました。ところがそこに、怪物デュフォんが襲いかかってきました。神々は鳥や獣など、思い思いに変身して逃げていきます。牧羊神パーンも魚に姿を変えて逃げようとしたのですが、慌ててしまい上半身は山羊、下半身は魚の姿になってしまいましたとさ。終わり。


 この時のおっちょこちょいな牧羊神パーンを、他の神々は面白がってその姿を星座にしたのが山羊座です。なんとも山羊座らしからぬ神話。
 もともと牧羊神パーンは、音楽を愛する陽気な性格だったそうです。人の失敗を面白がって星座として空に残すなど公開処刑や…と思いますが、山羊座が愛らしく思える神話で好きです、私は。


水瓶座

【神の寵愛を受ける美少年ガニメーデ】

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*水瓶座の神話*

 羊飼いのガニメーデはとて美しい少年。
 全知全能の神ゼウスは、神々の酒であるネクター(不老不死の源)を注ぐ給仕を探していました。神ゼウスはガニメーデという美少年をひと目見るなり、鷲に化けてガニメーデを連れ去ります。こうして神ゼウスは少年ガニメーデをそばにおき、神々と宴会を開くたびにお給仕をさせました。
 しかし少年ガニメーデは急に失跡したわけです。彼の両親が悲しんでいる姿を見た神ゼウスは、息子にいつでも会えるようにと、ネクターを注ぐ水瓶をもっだ少年ガニメーデの姿を星座にしましたとさ。終わり。


 ツッコミどころの多い神話だこと!
 あらすじでは端折ったのですが、神ゼウスは美しい人がとても好き。前のお給仕役が美人だったので、次も美人がいいなと思っていたのだとか。誘拐された少年ガニメーデも不思議なもんで、「お給仕してくれる?」と神ゼウスに聞かれ、「OK」と即答するんです。どっちもどっちだ…。

 実際に空に浮かぶ星座の配置では、水瓶座のガニメーデが持っている水瓶から流れるお酒は「みなみの魚座」という星座の魚の口に注がれています。ぜひ本物の星を見てみてください。

魚座

【美の女神アフロディーテとその子どもエロス】

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*魚座の神話*

 美の女神アフロディーテとその子供である愛の神エロス。二人はいつも一緒でした。
 ある日、二人が仲良く川のほとりを散歩していると、突然怪物デュフォンが襲ってきました。驚いた二人は魚に変身して川に飛び込みました。二人は離ればなれにならないように尾をリボンで結び、無事に怪物デュフォンから逃れましたとさ。終わり。

 この時に変身した魚の姿のまま天に昇り、その姿が星座になったのが魚座です。
 二人がお散歩していたとされていますが、神々の宴会だった説もあります。この時に開かれていた宴会で、逃げるときにちんちくりんな変身姿になってしまったのが山羊座です。山羊座の神話も合わせて読んでみると面白いかも。

おわりに:星は、時のリズム。

私が時々面白おかしく書いちゃっているけれど、瞬殺蟹座の嫉妬です。星座になっているのが不思議ですよ、蟹座は。どの星座も元になった神話があり、その神話は諸説あるものも多い。ですがどれも古代ギリシャ神話が元となっています。神話のみならず星座の起源が古く、占星術もまたその起源は古いのです。

占星術で星を配置した図版をホロスコープと言います。

 horoscope

この単語は horo / scope と区切ることができます。
horoは英語のhourの語源、時間を意味します。scopeは、今でもある英単語ですが、範囲を意味です。そしてもう1つ、見るものという意味があります。ホロスコープは、つまり星の配置は時間を見るものだということです。

それは今の生活の中にも残っており、私たちも使っている。1日のリズムは太陽が、ひと月のリズムは月が担っています。月のリズムは旧暦ではありますが。知らないだけで、きっと今も昔も人は星と一緒に生きているのだと思います。そう思うとちょっとロマンチックじゃない?
星を、占星術をちょっと身近に感じてもらえれば、これ幸いなのだ。

以上!したらばまたにゃーん。

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