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青春18きっぷで東京から富山へ- 中日本ぐるっと旅行2022 #1

北陸新幹線が金沢まで開通したことによって、同じルートを通っていた鈍行は次々に三セク化され、東京から北陸への青春18きっぷによるアクセスは困難になった。
しかし、JRは全て失われた訳ではなく、実は多治見の方から高山本線を使うと、時間はかかるがJRのみでも富山にアクセスできるのである。

ということで、18きっぷを使ってそのアクセスを試しつつ、さらに京都・大阪方面に抜けてから片道GOで帰ってくるというロングな中日本旅行を敢行した。

05:15 高尾

未明の高尾駅から出発する。青春18きっぷ旅行は日の出前スタートが常套だ。

乗客もまばらな中央本線で日の出を迎える。
明け方の中央本線では、山にかかる低い雲をよく見かける気がする。早朝の空気を感じる。

中央本線では毎回凡庸なロングシート列車に当たりがちだ。旅行だから!とボックスシート車両に当たることを祈っていたが、願いは届かず。

乗り換えも通勤電車のようにタイトで、甲府では5分、大月と塩尻ではたった3分しか時間がなかった。大月は階段がちょうどいい位置にあったため大丈夫だったが、塩尻は階段から遠い場所に乗車してしまっていたため、久しぶりに乗り換えダッシュをキメることになってしまった。

そんなこんなで慌てながらも、無事JR東海の管轄する通称「中央西線」に乗り換え。

08:16 塩尻

中央西線は安心の転換式クロスシートの313系を採用。やっと旅感が出てきた。しかしながらこれが18きっぷのせいか結構混んでおり、クロスシートに空きはなかった。

ワンマン運転のため、無人駅では2両目のドアは締切となる。そのため、2両目に座っているお客さんはほとんど動かない。もし座席に空きがなかったら、1両目にいる方が賢明だよ……と未来の自分に伝言しておきたい。中央西線に乗るとき、毎回何も学習せず2両目で席の空きを待っている気がする。大体気づいたら1両目に空きができている。

やっとこさ座って高尾で買ったおにぎりを食べる。

中津川では同じく中央本線の名古屋行に乗り継ぎ。普段はこのまま名古屋まで行くところだが、今回は多治見で急ブレーキ。

12:06 多治見

多治見では太多線に乗り換え。勝手に「おおた」線だと思っていたが、看板のアルファベット表記を見て「たいた」線だと判明した。美濃"太"田と"多"治見を結ぶので太多線。ちなみに美濃太田は「みのおおた」である。みのたいたではない。

本来は多治見で昼食をば……と考えていたのだが、なんともサッと済ませられそうなお店が周囲になく、ベルマートキヨスクでサンドイッチなどを購入し車内で食べることに。

JRFコンテナを運ぶフォークリフト
キハ75系

太多線は短いがちゃんとクロスシート車両だった。東海、サイコー!とか思っていたところだったが……。

12:39 美濃太田

美濃太田からは高山本線に乗る。サンドイッチは高山本線で食べよう!と思って取っておいたが、なんと高山本線はロングシートのキハ25系だった。しかも地味に混んでおり座ることすらできない始末……。
なぜほんの30分しか乗らない太多線がクロスシートで、3時間も乗る高山本線がロングシートなのですか……?と涙を流したが、特急使え!ということかもしれない。

飛騨川に沿って北上する
単線・非電化のいかにもなローカル線

土曜日で下呂へ向かう乗客が多かった。ほぼ座れないほどに混雑するが、下呂を過ぎると1席空けて座れる程度には空いた。美濃太田から下呂までおよそ1時間。下呂から高山まではおよそ2時間。合計3時間をロングシートで耐久する。

対向列車の待ち合わせなどしながらのんびり高山へ。

お疲れ様でした

16:02 高山

高山に到着した。写真は撮らなかったが駅舎はだいぶ綺麗だった。

ここで猪谷行に乗り換える。こちらも残念ながらロングシート。

キハ25系

猪谷まではおよそ1時間。高山までは飛騨川沿いを通ってきたが、高山からは宮川と神通川沿いを通って行く。高山を越えると、川は北方向に流れるようになる。

17:21 猪谷

富山県に突入。猪谷はスーパーカミオカンデなんかの近くである。

雲が低い
キハ120系

ここから先はJR西日本管轄のエリアとなるため、車両の印象も変わる。
キハ120系はボックスシートが少なめでやや嫌われがちな車両である。
今回はどうもロングシートばっかり当たっていて不運だ。

折戸式

山の奥にある駅という感じで雰囲気が良い。
しかし15分も走れば田畑や住宅街が出現し、ローカル線っぽさは消えすっかり都市近郊路線の雰囲気になる。

18:19 富山駅

5時過ぎに高尾を出てから13時間、18時過ぎに富山駅に到着した。

実は1680円課金すると三セクを使って糸魚川経由でアクセスでき、4時間近く時間を短縮できる。そちらの方が堅実だなあと振り返って思ったり。

あいの風とやま鉄道。三セクだが、JR西日本らしい車両である。

白えび

朝昼とコンビニ飯だったが、夕飯は富山名物にしよう!ということで、白えびを食べることにした。JR富山駅1F とやマルシェ内の「白えび亭」にて。

白えび天丼 + 白えび刺身単品 + 特別本醸造 立山

刺身丼と天丼であまりにも悩んだが、今回は天丼にした。白えび出汁のお吸い物と白えびせんべいがついてくるのが嬉しいところ。

刺身は一尾一尾手で剥いているらしく、手間がかかっている

これが非常に美味しい。刺身は何もかけないでも甘く、味がしっかりしていた。天ぷらの方は殻付きなこともあって、海老の風味が強く美味しい。かき揚げではなく一尾一尾が離れており、衣も薄めであるため、海老本来の味を楽しむことができるようになっている。


3年ぶりに限界鈍行旅行を敢行したが、やはり飛行機や新幹線にはない面白さを感じた。少しずつ変わっていく雰囲気を肌で感じながら、のんびり目的地を目指すことができる。途中駅の空気を感じたり、もうこんなところまで来たんだなあ……みたいな実感を得ることは、やはり速達便ではできないだろう。時間をお金に変換しているような感覚もあれど、鈍行にはそれ以外の価値もある。
ただ!願わくばもう少しクロスシート車両が回ってきて欲しかった。

次回は富山観光編。ぐるっとドライブしますのよ


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