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C-C-B楽曲レビュー㉝「走れ☆バンドマン」

先週の「不適切にもほどがある」のセリフの中でC-C-Bが出ましたね。
クドカン脚本で1986年が舞台で出てこない訳がないと思っていましたが、
やっぱり出てきた。(ちょっと嬉しい)

さて、前回の記事では私の好きな曲の系統について
つらつらと書きましたが、それぞれのアーティストについては
そこまで詳しくなかったりします。

レベッカやミスチル、米米も好きな曲はたくさんあるけど、
メンバー全員の事はわからない。

King Gnuはメンバーは全員わかるけど、楽曲を全部知っている訳ではない。

山下達郎さんは80年代にC-C-B熱が冷めてきた頃から好きになって
(当時、高校生だった私からしたら達郎さんは大人すぎて
周りには好きだと言えなかったが・・)、
聴いていた期間は結構長かったけど、
達郎さんも全部の楽曲を知っているわけではない。

そう考えると、メンバー全員の事を把握して、
楽曲を全部知っているのはC-C-Bだけなんだよなぁ。

でも前回の記事を見返すと、
C-C-Bには私のツボが詰まっている事が改めてわかりました。

基本的にはベースやドラムの重低音が際立つ骨太な音が好きなのですが、
それに加えてスタイリッシュなキーボードの音と、ロックなギター。

だけど無骨すぎずどこか可愛らしいポップさもある。

うむ、パーフェクトではないか。

これまでどの曲もそこまで深く音楽を聴きこむ事はなかったんだけど、
C-C-B熱が再燃してから、歌だけでなくその背景に流れる楽器の音にも
耳を傾ける様になりました。

楽器の事は詳しくないけど、
楽器演奏にももちろんC-C-Bイズムはあるのだなと。
そしてそのイズムが私の細胞には合うみたい。

笠くんのドラムは力強くて意外と男っぽいけど、
どこか可愛らしさが滲み出ている。

渡辺さんのベースは縁の下の力持ちにとどまらず、
時に主旋律に躍り出て曲に程よい重みを与えている。

田口さんのキーボードは楽曲に彩りを与えて、
時におしゃれに、時にハードに聴く側の気持ちを盛り上げる。

米川くんのギターは硬派なロック感と、
歪んだうなり系の音が曲にエッジを効かせる。

※楽器の話なので関口さんは割愛いたします。。

でもってC-C-Bの音は上品なんだよね。
雑味がない音というか。

しっかり音は出しつつ、耳障りな所がないのです。

どなたかが米川くんのギターを「しなやか」と表現していたけど、
言い得て妙だなと思いましたね。
「柔らかい」とも「なめらか」ともちょっとニュアンスが違う
「しなやか」という表現はぴったりですね。
それでもって一本背骨が通った音という感じがします。

テレビでしか彼らを見た事ない人は、
適当に楽器弾いてるアイドルバンド認識の人もいるけれど・・。
人によっては欽ちゃんファミリーのアイドルユニット?と
間違えてる人もいるくらいで・・。(全然違うって!)

という事で、今回はそんな彼らの
楽器演奏が堪能できる一曲をご紹介します。
(また前置きが長くなりましたが・・)

彼らのわりと後期の楽曲「走れ☆バンドマン」です。

C-C-Bはインスト曲が3曲ありますが、
アルバムに収録されているのは「走れ☆バンドマン」のみ。
ほかの2曲は基本的にはライブのみで演奏されています。
(「赤いセーターの女の子」はAJ名義のアルバムに
収録されているようですが。)

↓この2曲ね。


「走れ☆バンドマン」は、
作詞は渡辺さん、作曲・編曲は田口さんと米川くん。

インスト曲だけど、少しだけ歌が入っていて、
イントロはC-C-Bの真骨頂のアカペラコーラスから始まります。

ロックバンドでありながらきれいなコーラスも得意とする事もあり、
楽曲に透明感も加える事ができるのが
C-C-Bが他のロックバンドとは一線を画す所でもあります。

曲が始まってからも「Let's People〜」
(って言ってんのかな? なんて言ってるかわからないがそう聞こえる)
という掛け声の様な歌が少し入っています。
ここは可愛い路線ではなく男っぽい路線で歌われていてかっこいい。

<※2024.5.1追記
「Let's People〜」は文法的にありえないかな。
「Let's keep on〜」が正解かも。>

そしてこの曲の特徴的な所は、
途中で漫才師のおかけんた・ゆうたさんの掛け合いが入っています。

当時渡辺さんは大阪でおかけんた・ゆうたさんとラジオ番組をやっていて、
その番組内での賭けで渡辺さんが負けて、
その罰ゲームとしておかけんた・ゆうたさんが曲に声を入れる事になったそうです。

これは賛否両論あるのですが、私は入っていても良い派です。
カッコ良い一色だけじゃない、
C-C-Bらしいコミカルさがあって良いかなと。

その代わりライブではおかけんた・ゆうたさんの掛け合い無しなので、
カッコ良さ全開バージョンとしてメリハリがあって良いんじゃないかな。

ちなみに昨年、おかけんた・ゆうたさんの
ゆうたさんがお亡くなりになったそうです。
C-C-B関連の方がだんだんいなくなるのは寂しい限りです。

そして「走れ☆バンドマン」のサウンドですが、
曲名通り、疾走感のあるロックな曲です。

私的にはちょっと「太陽にほえろ」の犯人を
走って追跡する時の音楽を思い出すのですが。笑

どうあれ、ファン以外でこの曲を聴いて
C-C-Bだとわかる人はいないでしょう。
そのくらいテレビで見る彼らとイメージが全然違う曲です。

このアルバムが発売された時、
私は彼らへの熱が冷めかけていましたが、
「走れ☆バンドマン」を最初に聴いた時は
「歌無しかい!」と突っ込みたくなりました。

それまでの彼らとのギャップがありすぎましたね。
そこも離れてしまった要因でした。

高校生にとっては歌が入っていてなんぼ。

でもこの頃のC-C-Bは、自分たちの本領を発揮したい、
自分たちの音をちゃんと聴いて欲しいという思いがあったんでしょうね。

ほんと、あの頃の自分は子供だったなと思います・・。

インスト曲でありながら、C-C-Bのブレイク前からブレイク後まで
ずっと走ってきたストーリーを感じさせます。

そしてこの曲は総括して、
この後も走り続けるという決意表明的な意味だったのか、
はたまた終わりを予感させるこれまで走ってきた走馬灯的な意味だったのか、
今聴くとこの楽曲の奥にある彼らの意図をあれこれ想像してしまいます。

そんな「走れ☆バンドマン」、良かったら聴いてみて下さい。


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