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テレビが生き残るには制作側の意識改革が必須だと思う

子供の頃はテレビ全盛期で、私自身もテレビっ子、
テレビの世界で働きたいなぁと思うようになり、
テレビ業界に就職しました。

当時(90年代)、まだまだテレビは勢いのある業界でした。

私はテレビ局に就職した訳ではなく、
下請けの編集部門を担う会社にいました。

お客さんはテレビ局所属の制作の人間と、
局の下請けの制作会社の人がいて、
制作会社の人は私たちと同じような立ち位置でしたが、
テレビ局所属の人は少し違って気を使う存在でした。

テレビ全盛期の時代ではテレビ局の社員というのは、
かなりのステイタスでした。

バブルはもう弾けていたけど、
私より少し上の世代の人はバリバリバブル真っ只中を
通ってきた世代でもあり、
お金や地位で武装して力を誇示するような人が多かった。

それでもまだテレビは世の中の中心であり、
そんな強気な人たちのおかげで
番組作りは局制作でも制作会社の手がけたものでも
勢いも華もあって、面白かったのは否めません。

しかしネットが普及しだして状況は変わってきました。

テレビもBSなどチャンネルが増え、
有料のチャンネルも出来たりして、
巷にはコンテンツが溢れるようになり、
そうなると視聴者は当然分散する訳で・・。

そして現在の地上波の番組の廃れ具合は誰の目にも明らかですね。

さすがにテレビ好きの私も最近は見たい番組がなく、
テレビ離れを起こしています。

これまでは潤沢にあった予算で派手な事をやってきた所の方が、
内容スカスカな番組を打ち出しているように見えますね。

別番組の企画をちょっと変えただけのものとか、
ネット動画流してるだけのものとか。

逆にこれまで少ない予算で知恵を絞って、
華やかな局ではあまりやらなかったような企画を
やってきたマイナーな局は、
それを今でも引き続きやっているって感じで、
むしろその方が興味深い番組になっていたりする。

華やかな局はお金をかけて頭は使って来なかったのかもな、とか、
そして今でもその華やかさにしがみつこうとしている感じが
なんだか画面越しに伝わってくるのです。

テレビ全盛期に番組制作の中心にいた人たちが今は幹部になっていて、
その人たちの圧力が今の現場へプレッシャーとなっているのでしょうか?
(今のテレビ業界がどうなっているのか私はもうわかりませんが。)

昨日、昨年末までに放送されていたドラマ、
「セクシー田中さん」の原作者の漫画家さんが亡くなったという
ショッキングなニュースがありました。

漫画をドラマ化した作品で、
最近ドラマもあまり見なくなっていましたが、
久しぶりに良い作品だなと思っていて、
終わり方も続きを匂わせるような雰囲気もあったので、
パート2があるかもなと楽しみにしていました。

それがこんな事態になるとは残念でなりません。

こんな事になってしまった経緯を見ましたが、
テレビ制作サイドの傲慢さが垣間見えました。

テレビ制作従事者はもう昔ほどちやほやされる存在ではなく、
何かあればネットで叩かれる時代。

叩く側の人間もただ単に叩きたいだけの人も混じってはいるけど、
概ねそれが世論であるとは思います。

テレビ業界に長くいると、まだ古い体質の人もたくさんいて、
勘違いしちゃうのかもね。

でもこれからの時代は、謙虚さがないと生き残れないと思います。

テレビ制作サイドは、表面的な華やかさや数字を追い求めていては、
ますます視聴者離れは進むでしょう。

真摯な姿勢や謙虚さを失わなければ、まだ生き残れる道はあると思います。

そしてそんな番組はまだ存在しているし、
そういう番組は私も見ていますね。

安住さんの番組なんかはそんな感じかも。

安住さんはすっかり偉くなっているのに、
偉ぶらずに今だにロケに出たりもしていて、
視聴者を楽しませる視点を忘れない。

こういう上層部が増えてくれると良いですね。

時代の流れが激しい今、
古いままの意識・体質でいると衰退の一途を辿るだけだと思います。
(これはテレビ業界に限らず、他の業種、また個人単位にも言える事です。)

それはむやみに周りに合わせたり媚びたりする事ではなく、
相手をちゃんと見る事なんだと思います。

今回の事態が制作サイドの意識に一石を投じる事になると良いのですが。
(人一人の命を無駄にしないで欲しい。)

大好きだったテレビがまた、
勢いを巻き返してくれる事を願っています。

<追記>

ヤフコメであまりにも共感できるコメントをしている人がいたので
貼り付けておきます。

クリエイターと言っても二種類いる。
作品を作りたい人と、クリエイターになりたい人。
世にいるクリエイターの大半は、クリエイターになりたいけど、
無から1は作れない、個人では作品を作りきれない人。
その手の人々は、ものづくりの楽しさを得ることができないので
マウンティングだけの世界で生きる傾向が強い。
そして、他者に対して攻撃的で、人の創作物に対して不寛容。
作品の悪い部分ばかりを探す。
なぜならこの手段こそがマウンティングだから。
他者に敬意を抱けない人がどうなるかという教訓を
世間に知らしめてもいいのかも知れない。

ヤフコメより


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