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AKB48と〈幽玄〉の美学

小倉千加子の『草むらにハイヒール 内から外への欲求』を読んでいた。

エッセイというか時事問題や著名人についての軽い論考が載っていて全体的にかなり面白かったのだが、「おおお」と思ったのは、なんとAKB48についての論考だった。

 人は今や「理想と現実」ではなく「妄想と現実」から成り立っている。「妄想」が「理想」とは違って「現実」に打ち負かされないのは、幼児期にある人間の根源的欲求だからである。
 幼稚園児は例外なく若くてきれいな女の先生が好きだが、それは性的恋愛感情とは違う。
 大人になる前の短い時間にあるはかない美しさ――幽玄――への共感である。桜とポニーテールと制服の世界への感情である。

小倉千加子『草むらにハイヒール 内から外への欲求』‎ いそっぷ社

わっ……分かってるじゃありませんか……!!!!!! 

そう、AKB48をはじめとする女性大人数アイドルの本質とは、幽玄の世界への共感なのである。

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