今こそ読もう、『なんて素敵にジャパネスク』
毎週日曜日、大河ドラマに狂ってます。
三宅です。
『光る君へ』、面白すぎる~~~~~!!!!!!!! ていうか好きすぎる~~~~!!!! 大河ドラマで平安時代王道少女漫画やってくれるなんて思ってもみなかった~~~~~!!!!!!! と毎週叫んでいますが、本当に面白いです『光る君へ』。見てない皆は今から見よう。今なら間に合う。
『源氏物語』ネタもたくさんあって、古典オタクもにっこりの出来栄えです。
で、そんな平安少女漫画大河ドラマが面白すぎる2024年。今年中に、あなたに読んでほしい小説シリーズがあるのです。それは……『なんて素敵にジャパネスク』!!!!!!!!!!!!
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高校時代にドはまりし、好きすぎてわたくしのデビュー作書評集『人生を狂わす名著50』にも迷わず選出しました。
ていうか『なんて素敵にジャパネスク』と出会ったから平安文化に興味を持ち、そこから古典に触れるようになり、文学部へ進学し、そして書評家になったのでマジで人生を狂わされたんですよ私は……。タイトルに偽りなし。
さてそんな大好きで大好きな『なんて素敵にジャパネスク』、はじめてタイトルを聞いた方もいるかもしれません。なぜ、どこが、今読むべきなのか!? それを今回は解説しましょう。
1 『光る君へ』にテンションが激似
『なんて素敵にジャパネスク』の主人公は、平安時代の貴族の娘、瑠璃姫。彼女は花の16歳、でしたがある思想信条がありました。それは、「結婚、したくない!!!」というもの。瑠璃姫は初恋の吉野君との清らかな思い出を胸に抱き続けていたのですが、父親はあっさり亡くなった母親から他の女性に乗り換えるわ周りの男性の恋愛感覚はおかしいわで「私、絶対に結婚なんてしない」と叫んでいるのでした。しかし時は平安、父親としては瑠璃姫にどうにか結婚してもらわねば困ります。そんな折、父親は絶対に瑠璃姫を結婚させようとある計画を立てていることを、幼馴染の高彬が教えてくれるのです……!
はて、「幼馴染との成長してからの関係」「父親との確執」「母、亡くなる」……どこかで聞いた話だぞ! そして1巻以降描かれる「なぜか宮中の政治にめっちゃ関わることになる主人公」「頼りない弟キャラ」「やたらキャラの濃い女友達キャラ」などなど……。
『光る君へ』じゃないですか!!!!!!
そう、『光る君へ』のテンションは、『なんて素敵にジャパネスク』とそっくり。というか『なんて素敵にジャパネスク』は白泉社で長い間少女漫画化されていたり、平安時代を舞台にした少女漫画/少女小説の元祖のような作品なのです。
ちなみに個人的にまひろちゃんの弟が、瑠璃姫の弟に、も~~~そっくりでそっくりで……実写化かな? と思いつつ見てます。『なんて素敵にジャパネスク』読者なら分かってくれるはずだ。
2 平安時代への理解度、爆上がり
『なんて素敵にジャパネスク』を読むと良いこと。それは、平安時代の文化や政治や恋愛が事細かに頭に入ること……。『なんて素敵にジャパネスク』は少女小説ではありますが、作者の氷室冴子先生は『大鏡』などの古典も読まれる方だったため、和歌のやりとりや政治思想の対立などを歴史小説も顔負けのリアリティで書いてくれるんですよ!
というわけで『光る君へ』副読本としてもぴったりです!
今後まひろちゃんが紫式部になっていく過程で、おそらく宮中での場面も増えることでしょう。そのなかで『なんて素敵にジャパネスク』を読んでおけば、いろんな慣習がよく分かるはず。
当然ですが、古典の勉強にも、なります!!! 高校生より下のお子さんがいる方はぜひ……一緒に読んでみてはいかがでしょうか……。
ちなみに『なんて素敵にジャパネスク』のなかでは源氏物語は「紫式部のおばさんが書いたもの」扱いです。笑
いや本当に『なんて素敵にジャパネスク』は今読んでも信じられないくらい面白いし、なによりキュンとするんですよね。ちなみに長いシリーズに見えますが、1、2巻が本当に神なので(もちろん3巻以降の「人妻編」も面白いのですが、とりあえず結婚する手前の2巻は神)、1、2巻だけでも! 読んでほしいです!
いまなら1000円でこの神小説が読める……だと……! 信じられない。
ああ、もう、2巻終わりの………あの………雪のシーンまで辿り着いてください……。私はこの世のあらゆるフィクションのなかでも、2巻終わりの雪のシーンは……思い出すたびにうるっときてしまう名場面のひとつだと思っています……。はああなんか本当に好きなんですよね、この小説。
3 最終的に明るくハッピーな物語!
『なんて素敵にジャパネスク』のいいところは、主人公瑠璃姫の健やかさ、だと思うのです。
少女小説のなかには、主人公の自己肯定感が低かったり、自我が弱かったり、そんな彼女をいろんな人が助けてくれる物語もたくさんあります。そういうものもまた、この世で必要なフィクションのひとつです。
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