見えなくても高評価

見えなくなってから、とかくいろいろ褒められるようになった。

いやー、私ってそんなに優秀だったのね・・なんて勘違いしてしまったら大変!

忘れてはならない。その前にい「目が見えないのに」とか「障害があるのに」という
接頭句があることを!

前回紹介した「ブラインド・マッサージ」という小説の中にも以下のようなエピソー
ドがあった。

ビアノが上手な女の子。とても上手なのでテレビに出る事になった。
でも、本番で大失敗してしまい愕然としていたところに拍手喝采。
「見えないのにピアノが弾けるなんてすごいわね。」という事だった。
彼女は絶望してビアノを辞め、マッサージの施術所で働く事になったのである。

ブラインド・マッサージ - 白水社
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b239500.html

私が所属している朗読グループ「こうばこの会」の座付き作家(?)も全盲なのだが、
、「自分が書いたと言えば、絶対褒められるに決まっているから」という事で、最初
の数年間は、覆面作家をしていた。


見えないのに一人でどこにでも行ったり、料理をしたり楽器を演奏したりしている人
は実際偉いと思う。

私も見えていたころは、おべんちゃらでも何でもなく純粋に自立して活躍している障
碍者はすごいと思っていた。

でも実際見えなくなってから思うのは、人に頼むのが面倒だから一人で出かける。
お店の人を探して買い物をしたり外食するよりは、生協に持ってきてもらった食材で
適当に何か作った方が経済的だし面倒じゃないので料理をする。
勉強した方が明らかに便利だから仕方なくパソコンやスマホを勉強する。

ただ自分にとってましな方を選択しているだけである。

とは言え、見えないと何をやるのも大変。
結果、めんどくさい努力をしなければならないのも事実。

英語のChallengedとはよく言ったもので、もう本当にチャレンジさせられている感満
載である(涙)

でも、どうやらこのチャレンジの壁を越えられない障碍者もいるみたいだから、私は
ちょっとはマシなのかも知れないと思う事にしている。

その上で、褒めてもらった時は素直に「ありがとう」と言う。

褒めてくれた人は純粋に褒めてくれたんだし、その気持ちは素直に受け取らにゃいか
んよね。

でも大事な事なので二度言います。

「見えないのに」と「障碍者なのに」という接頭句を聞き逃してはいけません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?