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役者な彼女。


役者な彼女のバックボーンは・・・。

彼女(仮にM子)は幼い頃から家族が主催している劇団で演者として舞台に立っていたらしい。お国のCM、マイ〇〇バーのお店のおばちゃん役(?)にも出演中。←マニアックだなぁ・・・。

M子との出会い。

なにはともあれ、M子と私は今年の3月に出会うことになる。私が今の部署に転属してからだ。彼女の周りには絶えず人がたむろしていて、笑いが飛び交う。正直、陰キャの私にはツライ環境だなぁ・・・というのが最初の印象だった。

衝撃!コウメ太夫が上手すぎる。

当初の持ちネタ(?)というか皆のリクエストがあると、昔流行った、お笑い芸人「コウメ太夫」になりきり、それを見た皆が更に爆笑する・・・まるで ”笑いの宝石箱やぁ~” 状態である。
その後のネタとしては、サザエさんのタラちゃんのものまねをするのだが、「タラちゃんでちゅぅ~」と最初から誰のものまねか答えを言ってしまうところが、また反則である。「おはようでちゅ~」と声かけられた朝は、苦笑いしつつも何となく楽しい気分にしてくれた。

半分同僚・半分役者

M子はほどなくして、フルタイムから半日契約で働く事になった。役者業に力を入れたい・・・と何となく誰かの噂話で知った。
彼女の「コウメ太夫」のネタが好きな私は、何だか寂しくなったが、特に仲が良い訳でもないので、どんどん疎遠になっていくのを止めることが出来なかった。また職場の環境も変化し、仕事中のおふざけ禁止の風潮もあって、更に交流が無くなった。つまらない職場になった。

役者M子の本気。

先日M子所属の定期公演があった。
半ば人間ウォッチング的な心持ちで、友達と行ってみた。そしていよいよ開演。M子は主役の喫茶紫苑のママ。始終、舞台に立っていた。
腹から出す生の声は、演者の魂も乗せているようで、なんとも言えない迫力があり、一瞬で釘付けになってしまった。
そして滑舌良くセリフを語り、また舞台の隅々を駆け回る。
余談だが開演1時間ほど前に、空腹のあまり、友達と待ち合わせた喫茶店でカレーライスを食べたせいか、無性に睡魔が襲ってきた。幸い(?)帽子を深めにかぶっていたので、バレてはいないと思いたい。
感想は・・・何というか、M子が生き生きとしている様を観て、ブレる事無く自分の人生を生きている姿が、素敵で羨ましかった。
そう。
私は好きなことを、本気でやっている人間の姿が観たかったのだ。行って正解だった。

まとめ

後日「購入者名簿に名前あったよ。観に来てくれた?有難う」と言われた。こっそり観に行くという選択肢は、この劇団のシステムにはないらしい。
M子についての補足。
皆を笑わせ、輪の中心にいる陽キャな彼女だが、実際はとても真面目で、一緒に働いている時は、眉間にシワをよせて働いている・・・と聞いたことがある。
そんな感じで今回はたまたまM子であったが、人間は多面的であるから面白い。またいつかチャンスを見つけて「コウメ太夫」をやったもらおうと企んでいる。

最後まで読んで頂き
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