見出し画像

《エッセイ》本気になれる恋って、クズに沼ってる時

こんにちは、猫は犬派です!
こんな恋するなら、一生恋愛なんてしない方がいいなって思ったことありませんか?私はめっちゃあります(泣)

この恋愛はちょうど一年前。私が19歳の時の話です。

最初、軽音サークルの飲み会で、彼にあった時私は別になんとも思わなかった。そこら辺にいる普通の大学生って感じ。髪はパーマをかけていてウルフカットで古着を着ている、オシャレな感じの男子。顔は自分のタイプな訳でもなくて、笑顔が少し可愛く見えた印象だった。
しかも、軽音サークルなんて飲みサーでヤリサーだよー、なんて友達から聞いていたから、結構ガードは固くして、ズボン履いて上はニットみたいな感じ。とにかくラフ目にいって、1回生の女の子とどうにか仲良くなりたい!と思ってたので、彼のことなんか次会う時まで、あんまり覚えてなかったくらい。
2回目会った時に話しかけられたのがきっかけだった。
「この間の子だよね?」
よくよく話を聞けば同級生。好きなバンドが「クリープハイプ」で私もー!と意気投合。そこから先は早くて、一緒にご飯食べに行ったり、カラオケに行ったり。

正直、最低なヤツだったけど、今思い出してもその出来事はめちゃくちゃ楽しかった!

一緒にタバコ吸おーって言い始めたあたりの頃。秋頃。彼が彼女作ったって言い出した。なんだか、負けた気がした。それは、先に恋人を作られたことか、なんで私じゃなかったのか、どっちか分からなかったけど、とにかく猛烈に悔しくて。
「えー笑わたしいるのに?」
最低なこと言ったと思った。でも、止められなくて。
「お前は特別笑」
頭を少したたかれて、笑いかけられて、少し泣きそうだった。

特別なら私でいいじゃん。

彼女を作っても彼はあんまり変わらなくて、いつも通り二人でカラオケ行ったりご飯行ったりした。時には、私の家に彼が来ることもあった。少し彼女への罪悪感があったけど、少しだけ優越感もある。私はあなたより彼の特別なの、と彼女に言ってあげたい。
それから2ヶ月くらいたって、彼が私の家に来た時、少しからかってやろうと思って
「私、彼氏できるかも」
って言いました。
そしたら、めちゃくちゃ嫌そうな顔で、
「いいじゃん、俺で」
って。
なんか少し勝った気がして、酔った勢いで彼にキスしました。
彼も酔っていて、遂に一線を超えた。

その日から、彼が家に来る時は、そういうことをするようになって、でも、一向に付き合う気もなく、私もそれは気にしてませんみたいな顔して。
でも、辛かった。彼の一番は私のはずなのに一向に私を彼女にしたいとか、言ってくれない。そのうちどんどん不安になって、遂に、付き合おうって私から言った。
負けです。完全に。
彼は、鼻で笑いました。
「そういうんじゃないじゃん。俺ら」
そうだよね、冗談、とヘラヘラ笑ってみせて、彼が寝たあと少しだけ、泣きました。

私、貴方のこと、大好きなの。

その時初めてそう思いました。心の底から。地獄。これ以上の地獄はなかった。
行為前のシャワー、行為後のタバコ。私のアパート、タバコ駄目だよ。でも、貴方と入れるなら全部許しちゃう。ヤッたあと、すぐ帰るね。LINE誰に返してるの。シーツ毎回洗濯してるんだよ。貴方の匂い、結構好きだよ。

全部全部彼にぶつけたい言葉。真剣に付き合いたいなんて言ったら、きっと壊れちゃうから貴方といるにはこうするしかないんだね。

彼女なんか居なくなれ。
意地でも見たくなかった彼のInstagramを開いて投稿を見る。可愛い女の子が鳥居の真ん中でピースしてるやつ。
「その期間、会えないんだよなー」
って、そういう事ね。彼女と旅行いってたんだね。

最低だよ、その男。別の女とセックスしてるよ。

彼女のInstagramを見つけてDMを送ろうとして、やめた。自分から彼を捨てるのが怖くて仕方がなかったから。

好き。嫌い。大嫌い。彼女さえ居なければ。彼さえ、居なければ。アイツが、私を苦しめて仕方がなかった。

終わりはあっけなくて、彼からLINE一言だけ。
「今までの無かったことにしよ。お互い」
これだけ。それから、なにを送っても未読。軽音サークルに彼は相変わらずいるけど、私が話しかける前に居なくなって、遂にはサークルからもいなくなった。それでも大学ではよく見かける。話しかけるのは負けな気がして、話しかけられなかった。

私は、今、サークルで、クリープハイプの曲を歌ってる。
彼が好きなバンド。私が好きなバンド。
私の歌を聞けよ。文化祭の時に、少しでも耳に私の演奏が、声が、入れば良い。こんな良い女他に居なかったのに。可哀想。
大嫌い。アイツ、死んで欲しい。こんな恋しなきゃ良かった。苦しいだけだった。クズだった。間違いなく。

でも、私は間違いなくあの恋が1番、本気の恋だったと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?