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アンソロジー編集後記~傘をさしかけるひと

5/19文学フリマ東京38にて初回頒布を無事に終えましたので、編集後記を上げます。これからアンソロジーを企画される方、アンソロジー主催の仕事をのぞいてみたい方、ちょっと裏側をのぞいてみたいアンソロジー参加者方向けです。


1.企画立案/スケジュール

(1)企画内容

アンソロジー概要として書いたのは以下です。すべて公募での執筆者募集とし、参加上限を10人にしました。
◇タイトル
◇発行日時
◇テーマ(これだけ少し注意書き↓をつけました)
 ※時代設定は、過去、現代、未来など問いません。
 ※バースものについてはご相談ください
 ※全年齢本のため、成人向け表現はNG(キス、朝チュンはOK)。
◇本のサイズ・印刷所
◇本文作成依頼(テンプレートも作りました)
・使用フォント
・フォントサイズ:9pt
・行間:固定値12.5pt
・段組み:40字×18行
・提出形式:.txt .doc .docx形式
・文字数制限:~15,000文字
◇コメントカット作成の依頼

(2)スケジュール

2023年10月中旬:企画決定・執筆者募集開始
2023年12月31日:執筆者募集〆切り
2024年04月30日:原稿〆切

 参加をギリギリで決めても4か月執筆期間があるスケジュールです。15000字=私のテンプレートで大体30ページであり、10人が上限まで書いたとしても300ページ以内で収まる最大の文字数でした。さすがに300ページ以上となるとどんなに紙を薄くしても嵩張ってきますし、価格の問題もありますのでそこを攻めるぎりぎりでもありました。

2.〆切までの仕事

(1)進捗確認

 全員が〆切を守ってくれることはまずない……という苦い経験をもとに動いていましたが、今回寄稿してくださった皆様はなんと〆切前に全員提出してくださいました!!!!! 素晴らしい皆様に寄稿いただけて非常にありがたかったです……!!

 なおあまり頻繁でもわずらわしいため、進捗確認は、
 ・〆切2週間前および3日前にメールでリマインドを行う
 のみです。ただ、その前にも
 ・サイト/Twitterの開設
 ・執筆者から出た質問への回答
 ・テンプレートの再送付(これは全面にわたしが悪く、テンプレートの作成が誤っていました)
 などで連絡をしていました。連絡が不定期ではあっても来ることで少しリマインドになったかもしれません。

(2)表紙イラストの依頼とデザイン

 いつもの通り、イラストをたちばな先生に有償依頼し、依頼した30分後にラフが仕上がってきて腰を抜かしました。筆が早い。おかげで4月中旬には告知として表紙を上げることができました。
 タイトルなどのデザインは私が行っています。
「左にタイトル入れたらいいと思って開けといたよ」というたちばな先生の優しさによって非常にデザインしやすかったです。本当にいつもありがとう

(3)参加者との連絡

 ご質問をいただいたり、原稿を途中まで書いたので読んでほしいとご要望をいただいたり……がありました。あとはテンプレートがおかしいんですが…というご連絡をいただいたり……大変失礼いたしました。なるべくご連絡をいただいてから3日以内に一度返信をするようにしていました。

(4)自分の原稿

 これが一番大事。己の原稿を守れぬものに他者の原稿が守れるものか。自分の原稿は2月末~3月頭で早々に仕上げました。 

(5)サイト・Twitterの開設

 告知用のTwitterはいいとしてサンプルどこに載せよう?!と迷いました。二次創作だとpixivかなと思うんですが、一次創作の場合は一体どこに…?!と迷宮入りしそうだったのでサイトを作りました。現在個人サイト用に借りているサーバーでサブドメインが持てたので、そこに2つ目のサイトを作りました。デザインやらテンプレートは個人サイトからの使い回しです。(Wordpressの機能にメチャクチャ感謝しました)

3.〆切~発行までの仕事

(1)校正

 基本は誤字脱字、半角英数の縦横統一、私が読めない…ッ!とうめく羽目になった漢字にルビを振る、ノンブル(ページ番号)を振る、という作業をしています。特に文中で特殊な読みをさせるもの、人名(田中、山田など明らかなものは除く)についてはルビを振らせてください、と執筆者全員にお願いしました。
 自分の原稿をのぞいて約200ページ分ですが、提出が集中することなく分散されていましたので、かなり余裕をもって作業することができました。

 なお、自分の原稿については「読んでくれ」と確定申告に忙しいたちばな先生に送り付け、「一人称がおかしいとこあるで」「この地の文。ちがくない?!」と致命的なミスを二つも発見してもらいました。本当にありがとう。あと今回はどうしても関西弁の男を出したかったので関西弁ネイティブの友人nkちゃんにも送り「まあまあでっしゃろ」と合格をもらったのでOKとしました。

(2)並び順を考える

 これは結構悩むかな……と思ったんですが、意外とすんなり決まりました。私が読んだ限りではまず、
 ①フラレた人と慰める人がくっつくパターン5本
 ②くっつかないパターン4本
 に分割されたのち、くっつかない方は
 ③後味爽やか系2本
 ④後味ビター系2本
にわかれていましたので、ほどほどに交互になるように配置をしています。ちなみにトップバッターを飾っていただいたのは、表紙イラストと小説の内容が一番合致していた作品です(表紙と最初の小説のイメージの乖離は少ない方がいいと判断したため。自分の作品をちゃんと寄せなさいよ、という話でもあります……)

(3)印刷所への予約

 ページ数が確定したところで印刷所に予約をしました。

(4)通販の申請

 さすがに今回は献本以外に、多数の本を自分で送るのは難しいなと判断したので、書店委託の申請を出しました。事前予約可能としたのは「ほしい!」と思ってもらったときにタイムリーに購入してもらうためです。趣味とは言っても全面赤字は避けたいところなので……!ほしい気持ちはその場で解消してもらう必要がありました。通販ページはこちら↓

https://www.melonbooks.co.jp/fromagee/detail/detail.php?product_id=2392717

(5)動画を作る

 今回は宣伝動画を作りました。みんな見て!!
 小説って視覚効果に訴える手段がびっくりするほど少ないんですよね……というわけで作っています。これも原稿を提出してもらったものから順番に作成していまして、最後に全体を繋げています。
 基本的にはおまけですし、ぶっちゃけ作らないのが普通です。が、執筆者の皆様にも喜んでいただけたので作った甲斐がありました……!

(6)Twitterに宣伝を仕込む

 正直に話すとこれが一番大変だった。宣伝って難しいしめんどう!!でも自分がしなきゃ誰もしてくれない!!という感情の板挟みになりつつ、宣伝ツイートを予約しまくりました。

4.発行

5/19文学フリマ東京38

 無事に終わりました。初動として小説書きさんが多くて規模の大きいイベントを選んだのは間違っていなかったな~という数が動きましたので非常に嬉しかったです! 今回は、あだん堂さん主催のイベントにも参加させていただきましたので、スペースを訪れてくださる方が多かったのもありがたかったです。

 とはいえ今のご時世ですからいろんな頒布の仕方があります。オンラインイベントと一緒に通販で出してもいいでしょうし、今回のようにリアルイベントで出してもいいと思います。

5.献本のお渡し

本:イベントへ直接搬入
ノベルティ(クリアしおり):自宅に届いたものを持参
としていましたので会場で本にしおりを挟みこむ作業をしていたのですが、郵送でお渡しする献本分だけものの見事に忘れてしまうというミスをやらかしました。手元に残った数枚のしおりを見て気づきましたが気づけてよかったです……(別送します…)。会場でお渡しする方の分はきちんと挟んでいたのに……。
本題に戻すと、流通センターに郵便局およびポストがあるのがわかっていましたので追跡番号があってかつ安価に郵送できるクリックポストを使用しました。送付先はGoogleformにて記載していただく形を取りましたので、クリックポストのデータを作るのもやりやすかったです。

6.最後に

 最後の最後でポカをやらかしていますが、全体としては概ね問題なく進んだのではないでしょうか(自己評価は92点です)。一次創作を始めてから約2年。初めての企画ではございましたが、非常に楽しく進めることができました!
本アンソロジーに関わってくださったすべての皆様に改めて感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。


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