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#27 『怖くて眠れなくなる感染症』を読んでみて

こんにちは。なびです。

今回はまさに「今」読むべき本、として全力をあげて紹介します!!

【読んだ本】『怖くて眠れなくなる感染症』
【著者】岡田 晴恵
【発行所】PHP研究所
【初版】2017年3月15日

ーーなぜ読もうと思ったか?

世界中に席巻する「新型コロナウイルス」の影響で世の中がガラリと変わり、働き方はもちろんのこと生活の全てが一変するような事態になっています。この問題に対してどういった対処をすべきか、国家、社会、個人レベルで問われていると感じています。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という有名な言葉を借りると、対処するためには彼(新型コロナウイルス)について知らないと、適切な対処はできないだろうということです。巷で言われている「正しく恐れる」というのも同じ文脈だろうと思います。

そんな感じでふと、「新型コロナウイルス」を始めとする感染症って一体なんだろうと思い返すと、「怖い病気」くらいなチープなイメージしかなかったです。。(酷いですねw)なんか風邪よりも症状が重くて感染力が強いものくらいのイメージ。。

これじゃダメだ!知識をつけなければ!と思い立って、この本を買ってみました。実はこの本、「中田敦彦のYouTube大学」でも紹介されている本です。(というかここで知りました)

こんな読書ログ見なくてもこの動画見ればいいじゃん、って思っちゃいますが、まあそこは騙されたと思ってお付き合いください。。

ーーどんなことが書いてある?

本書はさまざまな感染症について、その概要と原因、発症例などがきめ細やかに記載されています。

本書では感染症について、どんな病気で、どのようにうつり、どんなふうに進行していくのか、感染症に罹ったらどう対処したらよいのか、そもそも感染しないようにどう行動したらよいのかを盛り込みました。

対象となっている感染症はエボラ出血熱やSARS、マラリアなどの感染症としてよく知られたもののほか、一昔前に話題になっていたジカウイルスやデング出血熱、さらにはペストやコレラといった世界史を大きく変えた感染症、そして日本でもよく発生しているノロウイルスやO-157などの病原菌についても着目しています。

著者の岡田さんは専門が感染免疫学、公衆衛生学であり国立感染症研究所でも研究員として勤務していた感染症の専門家です。本書以外でも感染症に関する著書を多数執筆している方なので、読みやすい文章となっています。

本書は、日々感染症を学び、犠牲者を減らすためにはどうしたらよいのかを研究している私が、読者のみなさんの健康と命を守るために伝えたいことを綴りました。二十一世紀は、感染症との闘いの時代になります。私が案内する「怖くて眠れなくなる感染症」の世界にご一緒に参加していただけましたら幸いです。

この本が出版されたのは2017年、当然新型コロナウイルスを想定したものではありません。しかし、上で書かれているように本書は「健康と命を守るために」感染症のことを伝えています。まさに今読むべき本なのではと改めて感じました。

ーー印象に残ったこと

タイトルに「怖くて眠れなくなる」と書かれているように、この本は様々な感染症が残した爪痕について非常に詳細に書かれています。

例えば2014年アフリカで突如流行したエボラウイルスでは、病院で滅菌されていない注射針を流用したことが感染拡大につながったとされています。さらに、潜伏期に入っていた人が村から逃げ出した先で発症することで、さらなる感染拡大につながったという話があります。

これまでになかった怖ろしい奇病が流行りだして、狂乱状態となった人々が村から逃げ出しました。村から逃げ出した人の中には、すでにウイルスに感染し、潜伏期に入っていた者もいました。すると、逃げた先で発症してしまい、別の土地に流行を拡げることになったのです。

まさに不要不急の外出を控えてください、というのが同じ文脈に当たります。このような感染拡大の発端となる人を「スーパー・スプレッダー」と呼ばれ、いかにこのような人を出さないかということが非常に重要であると述べられています。特に無症状患者が多いウイルスに対しては検疫は不可能であることから、外出を控えるというのは利にかなっています。


別の感染症について、当時ブラジルで席巻していたジカウイルス、このウイルスが原因で2016年リオデジャネイロオリンピックの中心や延期を求めた公開書簡が提出されたのはご存知でしたか?まさに、今回の東京オリンピックが延期になったような状況が4年前にも起きていたのです!

実際はWHOが書簡を認めずオリンピックは開催されましたが、ウイルスの影響は計り知れないですね。。

ちなみにジカウイルスの恐ろしいところは8割の人が感染しても無症状であったということと、妊婦にジカウイルスが感染すると、その胎児は高確率で小頭症になってしまう「先天性ジカウイルス感染症」を発症してしまうということです。

まさに今の新型コロナウイルスも多くの人は無症状であるということが報告されており、ジカウイルスに類似しているところがあるのかもしれません。そういう意味ではジカウイルス対策で有効だったことは新型コロナにも有効である可能性は高いでしょう!

他の感染症について同じように書いていくとたくさんありすぎてキリがないので、是非とも本を手にとってみてほしいです!他にもたくさん恐ろしいことが書かれていますよ。。!


このようにウイルスごとに特徴や恐ろしさが違ってきます。その中でもいくつかの感染症において、意外にもワクチンが未だに開発できていないということです。先ほどのジカウイルスもしかり、年間数十万人が犠牲になっていると言われるマラリアも治療薬に耐性がある原虫も発見されているそうです。

医療の進歩とともにウイルスも進化しているということを思い知りました。。

ーー本書を読んで

本書の最後にこう書かれています。

現代を生きる私たちにとって、怖くて眠れなくなるような感染症は、実はたくさんあります。本書は、その中でも感染症を取り巻く現状を踏まえ、すぐに知ってほしい怖い感染症、すぐにも警戒して予防してほしい問題の感染症ばかりを選んでいます。

本書を読むことで感染症というのは一体なんなのか、どのようなことが怖いのかということが理解できたように思います。そのことを踏まえて、あまり感染症メインではないですが今後の生き方についてちょっと思うことがあったので、備忘の意を込めて書き残しておきます。

新型コロナ対策として様々な情報が飛び交う中、「この情報は正しいのか」という判断はなかなか難しいと思います。専門家が意見しているから従う方が利になる・そうすべきであるということは分かるのですが、「感染症はこういう性質があるからこのように意見しているのか」といった捉え方が重要なのではと思います。なんか凄そうなことがそれっぽいこと言ってるから従う、ではなく、その裏に潜んでいる思惑を読み取って、それも含めて理解することが重要だと思います。今の世の中調べれば何とでも出てきます。思考停止してそのまま受け取るのではなく、しっかりと考えることがこれから必要になってくるのではと思います。僕もまだまだ知識は浅いので今後も日々勉強していかないとな。。!


一方で下記のような意見もありますけど、

こういうことを言う人、それに乗っかる人が少なくなればいいのにな
(登山好きで野口健さんのファンである自分が悲しくなった出来事)


ちょっとタイムリーな内容ではあるものの、この時期だからこそこういった内容、思いは書き残したいと思い書いてみました。

いつも読んでくださりありがとうございます。
それでは!

TOP画像:engin akyurt on Unsplash

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