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#11 『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』を読んでみて

こんにちは。なびです。

今回紹介する本は「お金」や「経済」に関する本です。
経済の知識が乏しいこともあり、的はずれな感想になっているかもしれませんが、そのあたりがご容赦ください。。。

【読んだ本】 『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』
【著者 / 訳者】 佐藤 航陽
【発行所】幻冬舎
【初版】 2017年11月


ーーなぜ読もうと思ったか

ビットコインやFinTechなどといった経済とテクノロジーの関係について深く学びたいと思ったためです。そもそもビットコインって何なの?とか、どうすごいの?みたいな単純な疑問から端を発したという感じです。

あとはタイトルにあるような「新しい経済のルールと生き方」という触れ込みにもピンときたためです。「新しい経済」というのは一体何なのか、「生き方」にどうつながるかというところに何か答えがあるのではと期待して読み始めました。

著者は株式会社メタップスの代表取締役を務める佐藤氏です。
「テクノロジーでお金のあり方を変える」というミッションの下、FinTech戦略を推し進めている方です。「新しい経済」に対する先見の明を持っておりフォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、30歳未満のアジアを代表する30人「Under 30 Asia」などに選出されています。

ーーどんなことが書いてある?

内容については本書の中で下記のようにまとめられています。

現在の経済やお金の起源、そのメカニズムを紹介して、それがテクノロジーによってどのように変化していっているのかを扱い、最後に 資本主義の欠点を補った考え方として、価値を軸として回る社会「価値主義」という枠組みを提案しています。(中略)
この本を書いた目的は、「お金や経済とは何なのか?」、その正体を多くの方に理解して欲しい、そして理解した上で使いこなし、目の前のお金の問題を解決して欲しいということです。

大きく2つの話で構成されており、前半は「お金」に対して過去から現在、そして未来へ変化していく様をテクノロジーの発展とともに説明しています。後半は「価値主義」という近年著しく発達している思想について取り上げ、「お金」(経済)の新しいカタチを示唆しています。

ーー印象に残ったこと

「お金」そのものに対する解説が多く、知らなかったことがたくさんあり、どれも印象的でしたが、中でも「お金から自由になれる世の中になる」ということを語っているところが印象的でした。

「お金から自由になる」ということは一体どういうことなのか。著者の言葉を借りると、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占状態」が終焉を迎えつつある。つまり、価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっているということです。

著者が強調しているところは「お金自体の価値が無くなるわけではなく」、別の価値が重要視されるようになる、ということです。その価値というのが「内面的な価値・社会的な価値」と語られる心理的かつ社会的に勝ちがあるものと表現されるものです。

内面的な価値というのは、例えば「愛情・共感・興奮・好意・信頼」など、実生活に役に立つわけではないけれど、その個人の内面にとってポジティブな効果を及ぼすもの。社会的な価値というのは、個人ではなく社会全体の持続性を高めるような活動とそれぞれ表現されます。

テクノロジーの発達により「内面的な価値」や「社会的な価値」の定量的な表現や可視化が可能になり、それが"経済"として成り立っていく、というのが「新しい経済」となる、と著者は述べています。この新しい経済というものが著者が述べる「価値主義」というものです。
例えばSNSのいいね!やフォローなどがそれに該当します。

これからの時代は、目先の利益を追求したサービスではなく、本当に価値のあるサービスを提供しない限りは利益を出しにくい、価値と利益がイコールで結びつく時代であると提言し、私たちがどんな職業につき、誰と結婚して、どんな宗教を信じ、どんな政治思想を持つのも個人の自由であるのと同様に、何に価値を感じて、どんな資産を蓄え、どんな経済システムの中で生きていくのかも自分で選んで自分で決められるようになっていく。私たちはその過程にあります。

現在の経済は国家が中央銀行を経由して通貨をコントロールしている、実質的国による独裁状態ですが、未来の経済は様々な価値をベースとした様々な経済が蔓延する世界となる。そして、個人が好きな経済で生きていけるそんな未来が待っていると述べています。

例えばInstagramのフォロワー数やいいね!数を電子マネーに転換でき、その電子マネーを使ってコンビニで食べ物を買う、なんて世の中が実現していくのかもしれませんね。

ーー本書を読んで

ビットコインやFinTechについての詳細な解説を期待していた自分にとっては、正直斜め上の方向の内容で本来の目的は達成できませんでした。技術的な説明を欲している場合は満足できないと思います。しかし、テクノロジーの進化に伴い、「経済そのものの変化している」ことについて、実感が湧かないせいか驚きました。本書を読むことで経済の大転換期であることがひしひしと伝わってきており、FinTechの盛り上がりが多少理解できたかなと思いました。

既存の経済は「中央集権化」が進んでいますが、ブロックチェーンや仮想通貨の台頭で「分散化」が進み、様々な経済のカタチが生まれてきているということも確かに納得です。
貨幣発行の権限は国しか持っていないけれども、「〇〇ペイ」などの仮想通貨が発達し、個人や企業があたかも通貨という概念を作ってしまっている。国の絶対的な信用で成り立っていた貨幣というものが、個人・企業単位で作り出せる世の中になってしまったので、現在の貨幣に取って代わる新しい通貨も近い将来実現するかもしれませんね。

今後の未来の姿として「価値主義」という概念と、その概念がベースとなる「新しい経済」像は非常に刺激的でした。現在の「〇〇ペイ」や「ポイント」は現実のお金と等価(1ポイント1円、など)なので、現金の延長線上でしかありませんが、今後の技術発達で「内面的な価値」や「社会的な価値」が「経済」として機能することができたら、本当に面白い世の中になると思います。それこそが「お金から解放される」ということになるのでしょう。

最後に、新しい経済を語る著者の思いを引用させて、本レビューを締めたいと思います。

人間は、年を経るごとに多くの思い込みや偏見が溜まっていき、社会のしがらみに縛られていくうちに、ありのままに物事を見て自由に想像するということが難しくなっていきます。その最たるものと言える過去の人たちの想像の産物である「お金」に対して、自由に想像して「もしかしたら自分が気づいていない別の切り口があるのかも?」と考えてもらうキッカケに本書がなってくれたら良いなと思っています。

いつも読んでくださりありがとうございます!
この本に興味を持っていただけたら本当に嬉しいです!
それでは!!

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