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#NT血糖値観察会 活動での一考察

1. はじめに

Twitter上で #NT血糖値観察会 という一連の投稿を見かけた。私はもともと月1ペースで血液検査をしている。デメカル血液検査キットを使い、自宅で自分で採血していたこともあるが、病院に行ったほうが安く、医師に相談もできるので、病気ではなくても通院を続けている。その血液検査の値にはもちろん血糖値も含まれていて異常値になったことはない。また、健康診断でCTスキャンやMRIをした場合には、その画像データをCD-ROMに焼いていただき、自分でも診てみたり何かの時には紹介状がなくても他院の医師にもすぐに提出できるようにしている。コロナ以前は健康のためにスマホゲーム「イングレス」をし、1日で40kmくらい歩くような日もあったし、コロナ禍ではOculus Quest用仮想現実(VR)フィットネスゲーム「スーパーナチュラル」をスマートウォッチで心拍数を測定しつつプレイすることで1日当たり30分程度の運動をしている。
私はシステム運用の業務などをしていた時期があり、何もない状況でもログを取り続け、何かしらの異常が発生したときの検知に役立てることが私にとっては当たり前の日常だった。そして、最近のサイバー・セキュリティ対策などにおいてもPDCAを回すだけではいざというときに役立たないので、平時からログを取り続けOODAで回すことの重要性も認知されてきている。「ログを取っていても診方がわからない」とか「バックアップをしていてもリストア方法がわからない」では意味がない。平時の備えが重要である。そして、悪いハッカーにサイトを改ざんされたりサービスを停止されてしまってから対応するのでは失敗であり、未然防止(予防)すべきことである。もちろん、やられてしまったのならば、早期復旧が重要である。このようなデータ・セントリックな考え方は、インフラに携わる者にとっては常識的なアプローチであろう。ITに限らず、電気・ガス・水道など、当たり前に使えるモノはこのような運用がされていることで社会は維持されている。身体と言うインフラについても同様であり、医療においても病気になってしまってからでは遅い。病気にならないように平時から自分の特性を知り、死に向かって朽ちていく身体ではあるが、なるべく緩やかに朽ちるように生きることがQoL向上ということにもなるのではなかろうか。

2. 方法

既存の #NT血糖値観察会 の方々と同じモノを調達し、実施した。
・測定期間:
  2020/10/15(木) 10:10 ~ 2020/10/29(木) 10:10
・使用したハード/ソフト: 
  ・フリースタイルリブレセンサー 1個
  ・フリースタイルリブレリーダー 1個
  ・フリースタイルリブレ データ管理ソフトウェア
  ・Androidアプリ「Glimp」
いずれも、アボット製の血糖測定器である(Glimpはアボット製ではありません)。この測定方法は持続皮下グルコース測定(CGM: Continuous Glucose Monitoring)とかフラッシュ・グルコース・モニタリング(FGM: Flash Glucose Monitoring)と呼ばれている。
リブレセンサーを上腕部に装着することで14日間ほど血糖測定(間質液中グルコース濃度)のロギングができるようになる。センサーには最大8時間分しかデータを貯めることができないため、8時間以内にリーダーにログを取り込み続ける必要がある。
身体の何かしらの値を測定し続ける既存の測定器としては、ホルター心電図などもあるが、リブレは血糖測定のみに特化した測定器で、PCやスマートフォンと連携できるIoT機器とも言えるかも知れない。

3. 結果

故障することなく2週間、連続的に血糖測定することができた。
グルコース値の変動パターン(血糖トレンド)からは、健康であることがわかった。
普段飲酒はしないが、期間中にあえてしてみた。起床前には低グルコースと思えるくらいに正しくインスリン分泌されているようだ。
個人的には食べ過ぎたと思っていても、グルコース値だけで診ると食べ過ぎたような日はなかったようだ。他の方の #NT血糖値観察会 への写真投稿などにより食生活(生活習慣)の違いについても自分自身との比較にもすごく役立ったと思う。一人での実施ではそういうことには気付けない。

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4. 考察・感想

年1回の健康診断とか、月1回の血液検査程度では、異常があった場合でも見逃してしまう可能性もあるが、2週間ほど連続的にロギングし続けることで、その人固有のバイオリズムなども見えてくる。可視化されることで自分自身の身体についての意識(心がけ)は変わる。身体は人それぞれ異なる。身長や体重もそうであるが、ある人には美味しいものが、ある人には美味しくないということもある。そういった個人差・個性があるのに単純な数値(平均値との比較)だけで判断してしまうのも危険だ。ロギングすらしていないのならば、それは簿記を付けていない法人のようなものだ。このような測定器などを使い、個々で自身の身体を把握・理解し労わるということが大事であろう。自分の身体のことを医師に丸投げするような無責任なことは知性ある者はしない。外的世界ではなく、汝自身を知ることが重要であることは昔から変わらない原理原則であろう。身体もシステムであるので、システム運用のアプローチが適用できるということでもあろう。
また、個人的には食べ過ぎたと思っていても、グルコース値だけで診ると食べ過ぎたような日はなかったようだ。他の方の #NT血糖値観察会 への写真投稿などにより食生活(生活習慣)の違いや自分自身との比較にもすごく役立ったと思う。一人での実施ではそういうことには気付けない。「複数人で試す」というコミュニティ的な活動は、一人でやるよりも有用な情報が集まりやすく、モチベーションの維持や気付きの触発にも貢献することでもあるので、いわゆる「未病」に役立つとても意味のある活動だと思う。

5. 参考Webページ

6. 蛇足

この記事をアップロードした後にスーパーナチュラルをしていたところ、洗濯乾燥機からピーピー音が鳴り出したので、スーパーナチュラルは一旦停止して状況確認に向かった。排水がうまく出くいなくてピーピー鳴っていたのだ。排水用ホースを外したところ、ホースからは泥のような糸くずと洗剤が混ざったようなものがドロドロと出てきた。これ、人体だったら血栓症ですよね。洗濯乾燥機の場合、もともと排水用ホースは堅いモノであるけれど、人体だったら大動脈瘤みたいな感じかも知れない。継続的にデータだけ診ていても事実は実は見えないこともある。無茶な使い方をしていなくても、排水フィルターが存在していても、排水ホース内にはこんなモノが蓄積されてしまいやばいことになるのだ。同じことは人体でも発生すると思う。データだけでなく、別の方法でのアセスメントも重要であるという気付きを得た。

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