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道具であるはずの「傘」が、“消費”されすぎてるのではないか

傘、いつもどのようなものを使っていますか。

このまえ読んだ、デザイナーの原研哉さんの著書『デザインのめざめ』のなかの「傘のかなしみ」という章に、こんな一節がありました。

最近では五、六百円で立派な傘が手にはいる。大切に使えば二年くらいもつが、この安さはなんだか切ない。生産コストの安い国で大量に作られ、日本に運ばれてふんだんに消費されている様子が目に見えるようだ。
電車の忘れ物の中で圧倒的に多いのも傘である。JR東京駅の紛失物取扱所の話では、ひと雨降ると七、八百本がここに集まるそうだ。(中略)
百貨店などで遺失物の傘が格安で売られているのを見かけることもあるが、過剰な清潔好きの日本ではリユースされるものはごく一部だろう。

原研哉 著『デザインのめざめ』(河出文庫)より

考えてみれば、身の回りの“道具”と呼ばれるものの中で、傘ほど消費されるものはないように思います。街では大多数の人が5、600円の傘をさし、消費物として扱っているように見えます。

“丈夫なのに安い”という傘の立場を再考する

原研哉さんがいうように、5、600円の傘(ほとんどがビニール傘でしょう)は、ある程度しっかりしていて値段の割に壊れない。よっぽどの大雨や強風の日にあたらなければ、2年はおろか、5年以上もつこともあるでしょう。

しかし、コンビニですぐに買える、安価な価格がそうさせるのか、言ってみれば「傘の立場」は低いまま。街中にぽつり取り残される傘は、実によく見かける光景です。その傘たちを全く否定するわけではありませんが、本当にいいのかとわたしは思うのです。

世の中を見渡してみると、“サステナブル”な意識の高まりから、消費を見直す動きもあります。そういった社会への配慮だけじゃなく、やっぱり道具を長く使うというのは心地がいい。この先何年と付き合うつもりで選んだ道具を、労りながら長く長く使っていくこと。理屈抜きに、とても素敵なことだと思います。

“良い傘”は探せば山ほどありますが、わたしたちNUTSがすすめるのは「Knirps(クニルプス)」。1928年にドイツで誕生し、その上質なつくりから世界中で90年以上愛され続ける折りたたみ傘です。

自動開閉と安全機能が備わった“折りたたみ傘”

その特徴は、ボタンひとつで開く利便性と、独自に研究され尽くした耐久性。自動開閉というと傘が突然開いてしまわないか、安全面が気になりますが、クニルプスは急な飛び出しを防ぐ構造となり心配がありません。

折りたたみ傘こそ嬉い“撥水性”の高さ

また、使っていて切に感じるのは、生地の撥水性の高さ。傘を閉じるときに、ほとんど水滴を残さないことに驚きます。特に折りたたみ傘は、室内に入る時に鞄にしまうことも多いので、水を十分に切ることができるのは嬉しい点です。

傘は長く使える“道具”

当然ながら上質な傘は、コンビニで手に入るものとは値段も違います。

数千円かけて傘を買うことで、持ち主に責任というものが生まれます。どこかに忘れてしまわないように、壊してしまわないように、気をつかうことは増える。それでも生活に寄り添う“道具”として、傘の立場を見直してみてはいかがでしょう。それにクニルプスのような折りたたみ傘なら、盗難を気にする必要もありませんしね。

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