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白浜で行方不明。

10月の旅は白浜。
夏にJR西日本の「サイコロきっぷ」というイベントがあって、サイコロの出た目で旅先が決まるのだけど、わたしの出目が白浜だったのだ。
白浜を当てたのは7月だったんだけど、真夏の白浜にひとり旅する勇気はなくて、「もう少し涼しくなってから」と思っているうちに、こんな時期になってしまった。

白浜といえば、砂浜、パンダ、三段壁、千畳敷、といろいろ観光名所はあるものの、ひとりで、公共交通機関を使って回るのはまぁまぁめんどくさい。
というわけで、今回の旅は、ちょっと良いホテルで、ひたすら温泉とエステを堪能する旅にした。

1日目。
お昼過ぎに白浜駅に着いたんだけど、駅周辺にランチを食べられそうな場所が見つからない。よく探せばあったのかもしれないけど、同じ特急くろしおに乗って来たひとたちは、まっすぐバス停に向かっている。
わたしも、お店探しは諦めて、「とれとれ市場」に向かった。

魚市場 兼 お土産屋さん 兼 フードコート「とれとれ市場」
たぶん、鯛のヅケ丼的なやつ

お昼ご飯食べて、梅ビール的なやつ飲んでたらチェックインの時間になったので、バスでホテルに移動。
テラスから見える景色。川久のゴージャスさに目が奪われる。
大浴場がすごく良くて、4回も入ってしまった。
エステも最高だった。

プールとかイルミネーションとかあるホテルだけど、川久の存在感には負ける。

夜ご飯は、近所の居酒屋にでも行こうと思ってたんだけど、ホテルの周りにはびっくりするほど何にもなくて、仕方なく真っ暗な夜道をトボトボ歩きながらコンビニへ。
街灯も殆どないような夜道を歩いていると、うっすらとした恐怖感と共に「世界中の誰もわたしがここにいるって知らないよなぁ」という気持ちがじわっと湧いてくる。

こういう、誰にも居場所を知られていない「行方不明」な時間が好きだ。

全ての大切なひとたちとの繋がりが切れて、誰にもわたしの存在を感知されない場所で、それでも世界は、わたしひとり分の場所をくれて、わたしを生かしてくれる。
これまで一生懸命「手に入れた」と思うもの、全て失ったとしても、たぶん大丈夫。それを確認できる時間だ。

二日目。
11時のチェックアウト時間ぎりぎりまで部屋でグダグダした後は、バスで白良浜に。
白良浜の砂って、こんなに白いんや!?とびっくりした。

日焼けしまくったわたしの足と白砂。

すごく久しぶりに、裸足で砂浜を歩いた。
裸足で土の上を歩くと、体の静電気が調整されるって鍼の先生が言っていたっけ?
海の水もちょうどいい温度で、波打ち際ひとりでキャッキャウフフしてた。

透明度が高い白良浜の海。

ひととおり海遊びをして、お土産を買いに、またも「とれとれ市場」へ。
マグロと梅干しと海苔としらすを買ったら、ものすごい重さになった。
マグロとしらすの袋に入れられた、保冷用の氷のせいだ。

久しぶりの完全フリーなひとり旅。
誰も荷物を見てくれないし、ご飯をシェアすることもできない。
自分自身を確認することができる旅。

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