マガジンのカバー画像

お気に入りの記事まとめ

433
好きだな、とか、また読みたいな、と思った記事たちをブックマーク代わりにまとめています。どの記事もとっても素敵なので、良かったら見てください。
運営しているクリエイター

2020年3月の記事一覧

色覚異常でもデザイナーになる 1

私は少数色覚(2型色覚異常:緑色が弱い)のプロダクトデザイナーです。電化製品の製品デザインをメインの仕事にしてます。もうデザイナー歴としては10年を越えています。 あまり言わないようにしていますが、私がだれかに「自分はデザイナーだけど少数色覚です」と話しをすると、たまにこんなことを言われます。 「それはあなたが持って生まれた個性なんだよ!  あのゴッホも色盲だったらしいし、  それは一つの才能だと私は思うよ!」 こういうニュアンスのことを言われます。 こういうことを言

【小説】 愛を守らなくちゃ

「あなたもあの人と同じ。笑顔が優しいおとこ」  そう言ったら大輝くんは、宙を見つめてゆっくりと煙草を吐ききったあと、「一緒にしないでよ」と諦めたように笑った。 *  23歳。男子大学生。  彼にとって、34歳の私はいったい、どういう風に映っているのだろう。 「大学なんてつまらないところだよ」 そう言ってやさぐれたように煙草をつまみに酒を飲む彼だけど、私は知っている。あなた、大学の研究、とても頑張っているんでしょう。教授の推薦を受けて、行きたい企業からの内定も貰ったんですっ

「覚えてくれてたことがすごく嬉しくって」

昨日、学部時代からおよそ4年続けていたバイトの最後の出勤日だった。 一昨日も出勤していて、一昨日で最後になってしまう社員さんや派遣さんたちにお礼のお菓子や言葉を頂いていた。 バイトをやるときの私のモチベーションが「頼られないこと」「のんきに仕事を完璧にこなすこと」「学業を優先させること」「突然やめることになっても後に問題が起こらないようにすること」がモットーだったから、こんなに社員さんたちからいろいろ声をかけてもらえるとは思っていなかった。 ひとりの社員さんは、私がバイ

自分の名前は好きですか。 「田中裕子」と長すぎる思春期について

ふと見ると、noteに「#名前の由来」というお題が提示されていた。 それを目にした瞬間、「読むものか」と思った。親の思い、名前への愛着、微笑ましいエピソード……目に入れてなるものか。 と、こうやっておそろしく狭量なことを堂々と思えるようになったのも、けっこう最近の話。「けっ」と言えるようになってよかった、という話を書く。 =  =  = わたしの「田中裕子」という名前は本名だ(そりゃそうだ、ペンネームでそんな名前つけないだろうと思われるだろうけれど、「逆にフィクション

四人暮らし

書きたいから、書く #わたしの執筆スタンス

「書く」ということ。それは、あまりにも昔から私の傍にあった。ノートの切れ端、原稿用紙。画用紙。書ければ何でも良かった。勉強は好きではなかったが、文章を書くことだけは純粋に好きだった。 小学生の頃、作文が大好きな校長先生がいた。その先生は、全校生徒の日記を毎日読んでいた。そして、必ずお返事を書いてくれた。お返事の横にはいつも可愛いシールが貼ってあった。私はそれが楽しみで、毎日一生懸命日記を書いた。日々の生活はあまり優しいものではなかったが、その時間は心が休まった。校長先生は、

【私は私を幸せにする】

旦那と入籍をして、今年で13年目を迎える。5年ほど付き合って結婚したので、トータル18年も一緒にいる。私が実家で過ごした年数を越すくらい一緒にいたんだなぁ、と感慨深くもある。 当たり前だが、好きで結婚した。愛し合ったうえで一緒になった。おそらく旦那の側も、そのときの気持ちに偽りはなかっただろうと思う。 どこですれ違ったのか、思い返せば行き当たるのは、やはり妊娠がきっかけだった。入院するほど酷い悪阻になったとき、私は家事が全く出来なくなった。その頃から、彼の不満が少しづつ積