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国家総合職試験デジタル区分を受けよう

この度、公務員試験(国家公務員総合職試験)に合格し、某省庁に内定を頂くことができました。もともとネット上に公務員試験の情報が少ないことに加え、情報系の公務員志望ということもあり、情報収集に苦労したので、今後受験希望の方の手助けになればと思い、勉強方法や、官庁訪問体験について記します。皆様の力になれれば幸いです。また、これを読んだ人が公務員を目指してくれたらうれしいです。

【2023/10/2追記】途中まで書きかけて完成させることをあきらめていたのですが、内定式を機にモチベーションを取り戻したので筆を執りました。途中で違和感がある部分があるかもしれませんが悪しからず。
【2023/12/4】 途中まで書きかけて完成させる(ry
だったのですが、マーク・ザッカーバーグ氏のDone is better than perfectの信念を思い出したので、途中ですが公開することにしました。気が向いたら続編を書き加えようと思います。


こちらで就活全般について触れているので、よければご一緒にどうぞ




なぜ情報系で公務員?

情報学徒だと、大体の就職先はエンジニアやSIer、コンサルや大手情シスが多いと思います。私の周りもそんな人ばっかりです。じゃあなぜそのようなバッググラウンドがあって公務員志望なのか?
それは、公務員がデジタル人材確保を目指して変化している移行期間だからです。近年行政のDXがすさまじいですが、どう考えても公務員のITリテラシーは低いままで、国のみならず、各自治体でITへの素養を持った人材が必要とされています。行政側でも採用のステップを変更して、デジタル人材を採用しようとしており、就職しやすい状況だと考えました。

志望先一覧

情報系の採用枠を設けている自治体は多数ありますが、私が受験したのは下記の4つです。

  • 国家公務員総合職試験 デジタル区分:合格

  • 国家公務員一般職試験 工学区分:未受験

  • 東京都庁 新方式B(ICT):一次試験突破

  • 埼玉県庁 一般行政(DX):一次試験突破

結果的に総合職に合格したので、下の三つは最後までは受験していないのですが、ここに書いたもの以外にも、かなり幅広く採用枠が用意されています。私は民間と両立する形で進めていましたが、公務員一本でも就活できそうだと感じました。

今回は国家総合職の内容が中心になってしまいますが、ご了承願います。

国家公務員総合職試験とは

その名の通り、省庁など国の機関に勤める職員を採用するための試験で、これに合格すると、面接する権利を得ることができます。つまり、試験に受かっただけでは内定が出ないので、合格はもちろんその後の面接も対策する必要があるんですね。なんて面倒な。詳しくは人事院の国家公務員合格NAVI(https://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo.html)を見てください。

試験内容としては、法・行政・経済…etcがあり、私は昨年新設された「デジタル区分」で受験しました。まずはその試験合格までどのような対策をしたのか、当日の流れなどをまとめていきます。なお来年度以降、日程や内容が変更になる恐れがあるので、最新情報をしっかりと人事院のHPで確認することをおすすめします。

試験について

国家総合職試験には秋と春の2種類があります。

教養区分試験(秋試験)

・数的処理、文章理解、時事の一次試験
・政策論文、企画提案の二次試験

専門区分試験(春試験)

・数的処理、文章理解、時事、専門(択一)の一次試験
・専門(記述)、政策論文、人事院面接の二次試験

私の場合、3年次の5月に公務員受験を志したので、そこから勉強を始めて教養区分は不合格、春試験で合格を得たという形でした。
全体的な流れとしては5月~9月まで教養の勉強、その後専門試験の勉強を進めました。

秋試験:教養試験

教養試験は勉強を始めたのが3か月前だったことに加え、英語が圧倒的に苦手ということもあって不合格でした。しかし、教養試験の勉強を6月頃に始めたことで、春試験の一次試験の数的処理や文章理解に力を入れず、直前まで専門に力を入れることができたことで、最終合格につながりました。

春試験:専門区分試験

試験の種類が多いので、各項目に分けて試験内容、実際にやった対策法などについてまとめます。

過去問の入手

まず最初に必要なことは、過去問の入手です。法律区分や行政区分の過去問は市販されているのですが、理系区分の過去問は市販されておらず、人事院に公文書問い合わせの申請を行うことで入手できます。

詳しくは下記のサイトを参考にしていただきたいのですが、オンラインで申請をすると郵送で申請書が届くので、そこに必要事項の記入と、任意の収入印紙を貼り付けをおこない、再度郵送することで、公務員試験の過去問資料を受け取ることができます。

受け取り方法としては、対面(人事院にて受け取り)と郵送が選べますが、郵送は費用がかかるので対面でデータで受け取ることをおすすめします。

数的処理・文章理解・時事

公務員として重要な事務処理能力が求められる試験です。時間が足りない。
特に私は英語が苦手だったので、どうしても英語に時間がとられてしまい、結果数的処理まで手が回らないことが多かったです。そこで下記のような対策を考えました

①回答順の工夫
 問題冊子の構成としては「文章理解 → 数的処理 → 時事」という並びになっているのですが、時間がないこともあり、解ける問題を確実に解くために、「数的処理 → 文章理解 → 時事」というように得意な問題を余裕をもって解きました。
結果として、数的処理は8割程度の正答率を得ることができました。満点を取るような試験ではないので、確実に合格基準の6~7割を取ることが重要です。

②選択肢だけで解く(よくない)
 これはあまりお勧めできないのですが、英語などで時間がない時に本文を読まずに選択肢の比較で回答するという方法です。大学で津田秀樹さんの『公務員試験 ㊙裏ワザ大全』という本を見かけ、藁にもすがる思いで読んでみたのですが、1,2問くらいは役に立った気がします(下記参照)。もちろん時間内に全て適切に解き終わることが理想ですが、そうならなかった時の最後の望みでした。(皆さんは正攻法で合格していただきたいです。)

使用した参考書は過去問と市販の簡単な教科書で、特に過去問を繰り返し解いてスピードに慣らしました。初めはゆっくり解いていって、解けるようになったら時間を意識していきました。

専門[大卒・デジタル](択一)

専門択一試験は実は教養試験より先にやります。私はそれを知らず、昼休みにラプラス変換を詰め込もうと思っていたのですが、会場到着したらすぐに専門試験が始まって驚いた記憶があります。

 専門択一は、必須問題(20)+選択必須問題(17、10問以上選択)+選択問題(26)から40問選択して回答する試験です。数学問題と情報問題に分けて話したいと思います。

まず、数学問題についてですが、私は大学で数学を専攻していなかったため数ⅡBからのスタートで、一番の障害でした。また、試験は範囲も広く内容も高度であり、市販の教本でカバーできる自信がなかったため、数学は公務員予備校のテキストを購入し、それで勉強を進めました。

テキストで全体的な基礎を固めた後は、過去問を解き、解き方のイメージをつかみました。特に、必修問題の「微分・積分」や「行列」の分野は出題率が高いので、確実に正答できるように重めに演習して対策しました。

ただ、数学は選択問題であるため、計算ミスの恐れは少ないため、早さや正確性よりも、回答法をしっかりと理解しておく必要があると思います。

次に、情報分野の問題についてですが、私は情報学部に所属していたこともあり、デジタルに対する教養は持っていましたが、プログラミングやシステム設計に関しては全くの素人だったので、教養試験不合格をきっかけに10月から基本情報技術者試験を勉強し、全体的な知識を付け、翌5月に応用情報技術者試験を受験しました。
国総のデジタル区分の問題は応用情報技術者試験レベルの問題が出題されるので、この対策方法は結果的に正解だったと思います。

具体的には、応用情報技術者試験の午前試験を、過去問道場を用いて演習し、都度参考書で確認、というサイクルで知識の定着を行いました。
情報分野の択一は知識の有無がそのまま回答に直結する科目なので、かけた時間が結果に出る範囲です。記述分野にも発展が効くので、私は一番力を入れました。

専門[大卒・デジタル](記述)

全体の約三分の一を占めるのが、この専門分野記述試験です。
時間は3時間30分、内訳は計算機科学1問、ハードウェア2問、ソフトウェア2問、情報技術2問となっていて、そこから2問を自由選択する形となっています。

3時間半で大問二つ分なので比較的余裕がありますが、問題によって計算量や難易度にムラがあり、問題選択をミスすると一気に時間が無くなります。
十分に知識があれば6問全部解いて手ごたえがあったものを選択するといったこともできそうな時間設定ですが、現実的ではないので、過去問や予想問題をもとに、当日までに大体の見当をつけていきました。

私は試験前、ソフトウェアと計算機科学を選択するつもりで勉強していました。
まずハードウェアに自信がなく、情報技術の知識を詰め込む時間もなかったため、それらを選択するのは難しいだろうと。また、知識を問うてくる他の大問に比べて、この分野はアルゴリズムや計算問題は思考力や論理力を時間をかければ解けるとタカをくくっていたわけです。

実際に問題用紙を見てみると、計算機科学の大問が驚愕の問題量でした。体感ですがこの大問だけで見開き3ページほどあったような感覚です。
また、難易度も事前に対策していた予想問題よりも難しく、当日1時間ほど解いた時に、「この大問は間に合わないな」と感じて他の課題にシフトしたほどです。

結果的に平均点が低かったので助かりましたが、今後受ける方はどの分野でもある程度対応できるような柔軟性が大切だと思います。

過去出題された試験内容例は以下の通りです

○計算機科学
・C言語による基本的な知識、ポインタの理解
・計算量O(n)の計算 など

○ハードウェア
・アセンブリ言語の知識
・レジスタとメモリ管理の知識
・電気回路(AND,XORなど)を組み合わせるアルゴリズム
・ビット計算 など

○ソフトウェア
・ソートアルゴリズムの穴埋め問題(C言語)
・構造体の知識
・データ処理(画像、バイナリデータ) など

○情報技術
・デジタル技術導入の知識
・暗号通信技術
・情報セキュリティ

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。試験合格からかなり時間が空いての投稿となっています。(執筆を始めたのは8月なのにもう12月になっています)

私自身、受験の際にかなり情報収集を行ったのですが、X(旧Twitter)や個人ブログを漁りながら対策を立てていたので、そのような方の助けになれたら幸いでございます。

本当は、ネットで検索しても情報が出てこない官庁訪問について執筆しようと思っていたのですが、ここで力尽きてしまいました。
好評でしたら官庁訪問や政策論文についても追記or後編として投稿しようと思っていますので、何卒宜しくお願い致します。

最後になりますが、ここに記載した情報は必ずしも正確なものではなく、本情報に伴う不利益が生じた場合、責任を負いかねますので、ご了承をお願い致します。

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