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読書感想文【フィッシャーマン 漁り人の伝説】

この作品はなによりもまず、愛する者を失った男たちの物語である。

牧眞司(本書解説より)

ここに2人の男がいる。
1人は愛する妻を病でなくした男、エイブラハム(エイブ)。
もう1人は事故で妻と子どもをなくした男、ダン。
2人は心の傷を埋めるべく、ともに釣りへ出かけるようになる。
ある日、ダンから「ダッチマン・クリーク」に行こうと誘われる。
その道中、立ち寄ったダイナーからダッチマン・クリークに関する『物語』を聞く…。


2016年のブラム・ストーカー賞受賞作品である本書。
ブラム・ストーカー賞とは、アメリカのホラー小説などに贈られる賞のこと。
ということで、本書はタイトル通り『釣り』、そして『愛』をテーマにしたホラー小説となってます。


愛するものを失うのは、単純そして純粋に辛い。
失ったものが大切であればあるほど、その辛さは大きくなる。
かつて私も愛犬が旅立ったときは、三日三晩ならぬ七日七晩泣きとおした。
そして多くの人がこう思うだろう。

『もし、もう一度会えたら』

わかってる。そんなことはありえない。
多くの人は諦める。それが自然の摂理であり、叶わぬ夢だと。
だが、ありえるとしたら??
どんな方法を使ってでも、蘇らせる方法があるとしたら??

登場するキーマンたちはみな、愛する者のために戦い、守り、そして失ったものたち。
彼らがどんな行動をおこすのか、ぜひ確かめてみてほしい。

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