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読書感想文【魔眼の匣の殺人】

私をミステリー畑に誘ってくれた「屍人荘の殺人」の続編!
てっきり前作1つだけで完結してるものと思っていたので、タイトルを見た瞬間に「あれ…まさか…」と思ったのは秘密。
そもそもミステリー小説はシリーズ物が多い、ということ自体知らなかった。
またも自分の無知っぷりを知らしめてしまった…。


前回登場した斑目機関の関係者が登場。
斑目機関ではさまざまな研究が行われていた。
その中の一つに、超能力および超能力者の研究もあった。
今回は研究対象だった人物ー未来予知能力者のサキミーさまざまな偶然が重なって彼女の元に訪れた彼らに、こう予言する。

「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」

未来予知なぞオカルトに過ぎないーそう思ってた彼らだが、1人の死を皮切りに次々と怪奇現象がおき、それぞれが疑心暗鬼になっていく。
「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」ーすなわち「四人死ぬまでは絶対に出られない」この地で、生き残りを賭けた駆け引きが始まるー。


前作がミステリー×パニックホラーなら、今作はミステリー×オカルト。
絶対に当たる未来予知vs.絶対に生き残りたい当事者たちの図が面白い。

そもそも自称予知能力者から「二日のうちに四人死ぬで!!」と言われてもなんやこのオバハン気味悪い、縁起でもないこと言いよってからに…ぐらいにしか思わないだろう。
しかもオカルトによくある肝心の「誰がどのように死ぬ」は予言されてないわけだから、なおさら信用するに値しない。
が、次々起こる怪奇現象に、彼らは次第に「予言は本当なんじゃないか…?」「もし予言が本当だとしたら、次の犠牲者は自分ではないか…?」と疑心暗鬼に陥っていく。

しかも始末が悪い事に、この予言は「男女二人ずつ」と絶妙に細かく予言されている。
たとえばもし予言が本当に当たると仮定して、男2人がなんらかの原因ですでに死亡したとすると、ほかの男性陣は絶対に安全といえるのだ。
と、するならどうする??自分はどうしたらいい??自分はどうすれば生き残れる??
閉ざされた土地と「箱」の中で、当事者たちによる生き残りを賭けたサバイバルミステリー。


今回も私のお気に入りの人物は退場してしまって悲しい。
ぜひとも生き残って後日談があって欲しかったなあ…。
どうやら私と作者とはあまりソリが合わないようで…。

とはいえ、今回も楽しく読めました。
すでに続編があるので、こちらも近々読む予定です。

それでは、また次回。

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