The Beatles 全曲解説 Vol.6 〜Boys
「おとぼけ担当」リンゴのボーカルデビュー! “Boys”
『Please Please Me』5曲目の “Boys”。
ポール→ジョン→ジョージときて、ここでリンゴの初ボーカル曲が登場します!
現在においてすらバンドでは専任のボーカル担当が多い中、「4人ともボーカル⁈」と当時のリスナーは度肝を抜かれたことでしょう。
オリジナルはシュレルズというガールズグループが、1960年に発表したナンバー。
例のごとく聴き比べてみましょう。
前回の “Chains” 同様、ガールズグループのカバーが続きますが、
今回はオリジナルとカバーの歌詞が違うことに気づくでしょう。
この曲本来は「男の子って女の子にキスすると、なんかブッとんじゃうらしいよ!面白いよねー🤣」という内容を、ガールズトークのような目線で歌ってるんですよね。
当然男性が歌うとなると、男性目線になるように歌詞を変えねばなりません。
ところがビートルズバージョンでは、サビだけ歌詞の改変をしていない(オリジナルへのリスペクトでしょうか)ため、
「男の子が、男の子のキスについて話す」
という、なんとも中学生くさい内容になってしまってるんですね。
このような若干ちぐはぐになっている歌詞を、リンゴのボーカルが楽しく笑い飛ばしてしまっているように僕には聞こえます。
リンゴはボーカリストとしてはあまり評価されることはありませんが、
これだけパワフルなビートルズのバンドサウンドと、この曲だけでしか聴けないジョン・ポール・ジョージによるドゥワップコーラスに全く埋もれず、曲をリードしてますよね。
ちょっととぼけた感じだけど優しさも持ち合わせたリンゴのボーカル、もっと評価されてもいいのでは!
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