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七五三、そして決意表明。

 息子が五歳、娘が二歳十一ヶ月になったので、七五三の記念撮影を行うことにした。
 そうと決まれば母(我が家ではこの手のことは旦那の協力をほぼほぼ得られないので)は忙しい。写真館の予約をし、ヘアセットをしてくれない写真館だったので、別の場所でヘアセットの予約をし……。
 加えて今回は私も和装することにし、娘と同じ美容院で自分の着物のレンタルと着付け、ヘアセットも予約した。

 着物レンタル8800円から、と書いてあったのが選んだ決め手だったのに、8800円台もその上の1万1000円台もそれぞれ二三着くらい(サイズ展開なし)しか選択肢がなく、結局2万2000円のものを選ぶ羽目に。この時点で、主役の子どもたちより高くついている。おかしい。
 しかし、息子も娘も何を着てもどう撮っても可愛く仕上がるが、四十手前の私は全力でキレイにしようと頑張らないとキレイに写らない。かわいいは、作れる!

 そんなわけでメイクだけは自分で頑張ることにし、当日撮影の2時間前(これも私が一番早いのである)に美容室に入った。
 成人式のときに身に着けていた和装肌着と足袋に、およそ二十年ぶりに再会(スペシャルサンクス実家の母)し、感慨深い気持ちになっていると、着付け担当のマダムに「今日は結婚式ですか?」と尋ねられた。「いえ、子どもの3歳と5歳の七五三の前撮りなんです」と言うと、「えっ」と驚かれた。
「お若いから、まさか七五三のお子さんがいらっしゃるとは」
 気分がいい。
 若く見られて気分がいいということは、自分がそれだけ年を取ったということだが、反射的に「ふっふーん」と思ってしまったので仕方がない。

 仕上がった私を見て、時間差で美容室に入った2歳娘が
「まま、あおいおきもの(水色)かわいいねぇ!」
「おはながついててかわいい」
「おひざ(訪問着の足の部分に模様がついているので)もかわいい」
「うしろ(帯のこと)もかわいい」
 と褒め褒めしてくれる。この子は可愛いものに目がなく、自分が着飾るのも大好きなのだ。ちなみに、和装では迷いなく+3300円オプションのピンクの可愛い着物を選び、洋装では白いふわふわのワンピースにティアラをつけて「プリンセスみたい」とお喜びであった。
「ありがとう、娘ちゃんも髪の毛かわいいね」と、前回、息子3歳の七五三ではなかった互いに褒め合う喜びにじーんとなる。

 さて、そこから場面は飛びに飛んで、撮影データ確認である。
 息子の袴姿や娘の法被姿は文句なく可愛らしく、スタジオの撮影テクニックも素晴らしく、子どもたちは終始ニッコニコで撮影を終えた。
「ギャンかわ……!!」と親ばか丸出しでデータをスライドさせていくと、しばらくして目に飛び込んでくる家族ショット。

 老けてる。

 明らかに親(我々夫婦)が2年前より老けている!!

 年齢は記号と思いたいのはやまやまであるが、隠しきれないシミとクマ。というか、シミは子ども時代から悩まされてきたそばかすの延長線上にあるから驚かないが、このクマは……?
 睡眠不足の青クマや茶グマとはちがう、明らかに陥没している黒クマ(※加齢とともに現れるクマ)が新登場である。
 そして、りんかくのたるみ! 確実に質量が大きくなっている!

 よよよ……と袂で涙をぬぐいたいのを我慢して、素晴らしいお仕事をしてくれたスタッフの皆さんに、笑顔でデータチェック用タブレットを返却したのであった。

 いろいろ言ったが、家族写真もとても良い写真だ。そこに写る私も息子も娘もニコニコで(写真が苦手な夫はやや笑い)、2万2000円した着物もキレイ。
 ただ、私は思った。
 次回、娘7歳のラスト七五三に向けて、たくさんの課題をもらったと。+5歳になった自分が、次に写真に収まるときまで、押し寄せる加齢の波に抗い続けようではないかと。
 これは決意表明である。

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