その⑥ 『スーパーアラビアン』

本作はサン電子から発売された、面クリア形式のアクションゲームである。つい最近までプレイしたことがなかった。ものすごいクソゲーだと思いこんでいたためだが、実際にはさほどでもなかった。アーケード版があると知ったのも、YouTube動画から仕入れた新しい情報である。

何がそこまでこのゲームを筆者から遠ざけていたか？　迷作『いっき』で浸透した本作のメーカー、サン電子に対する先入観もあったが、それ以上の体験があったのだ。

発売当初、筆者は小学生だったと思う。まだインターネットなどあるはずもない頃、口コミがすべてだった。そんな時、とあるオモチャ屋の店頭でこんな会話を耳にしたのだ。

客「この『スーパーアラビアン』とかいうゲーム、どうですかね？」
店員「これはね……やめといたほうがいいですよ！」

筆者は驚いた。店員のほうから、そんなことを言うなんて！　いま思えば彼は、アルバイトか何かだったのだろう。ともあれ、よほどのクソゲーに違いないと考えた筆者は、他のゲームに興味を移したのだった。

さて、では最近プレイしてどうか？　正直言ってまあまあである。シンプルだし、そこそこ遊べると思う。ただ一点。面をクリアするごとに主人公の取るガッツポーズが気になるのだ。主人公の攻撃手段はキックしかないのだが、ガッツポーズで剣を振りかざすのである！　お前、武器持っとるやないか！　こういうワキの甘さ（⁇）、大好きである。