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御堂筋まぬる
2020年10月26日 17:33
「相手の空腹具合を気にかけるのが愛情だと思うからさ、喧嘩しちゃったんだよ」この彼は建築士のお客さんだった。その日は土曜日で、早い時間にキャバクラに出勤していた。金曜の遅い時間にによく指名で来る彼が休日の早い時間に来るなんて珍しいから、今日なにしてたの?って聞いたら、どうやら買い物中にパートナーと喧嘩してひとりで飲みなおしていたみたい。詳しく聞くと、長く付き合っている彼女なのだけど、どう
2020年10月24日 12:33
「なんか今日ぜんぜん話せなくてごめんね」覚えたてのたばこをふかしながら彼は言った。わたしは失笑した。というのも彼は中学の同級生で、わたしがすきだったひと。この日は同窓会。中学のころのピュアなわたしは、一匹狼的な存在でクールで切れ長な目でおおきめの鼻、ふとめの眉。そんな彼が大好きだった。一方彼は、わたしと仲が良かったクラスの中心的な活発女子がすきだった。活発女子と、わたしと彼は同じ高
2020年10月8日 20:22
わたしは幼少期なにも続かない女だった。幼稚園のときの体操教室、英会話教室、ピアノ。ピアノは幼稚園のとき習って、先生が嫌だったから辞めたって記憶がある。そんなわたしがつい先日、去年からはじめた3年日記が一周した。禁煙ももうすぐ1年。ジム通いはもう5年。もうわたしは続かない女じゃない。あんたはなにも続かない、だめなやつだ。誰かに言われたわけじゃない、自分がそう思い込んでいるだけ。