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循環器

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#循環器内科

【使用目的・作用機序】心不全に対するβ遮断薬【ガイドラインの推奨も確認】

β遮断薬は,心不全標準治療薬として確固たる立ち位置を得ています.

【心不全標準治療薬】
・ACE阻害薬(忍容性がなければARB),β遮断薬
この2カテゴリーを筆頭に
・MRA(ミネラルコルチコイド拮抗薬)
が次点
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以下,新興勢力
・SGLT2阻害薬
元々糖尿病治療薬であったが,非糖尿病の心不全にも適応が通った異端
・ARNI
エビデンスベースにAC

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【よく見かけません?】血圧を上げたがる腎臓内科医と血圧下げたがる循環器内科医の構図【なぜ?適切な血圧とは?】

同じ患者さんでも,腎臓内科の先生は血圧を下げたがらず,循環器内科の先生は血圧を下げたがる,って場面みたことないですか?

これは別に2つの科は仲悪いわけではないですよ?

これは,”戦っている病態”が違うから,です.

どちらが正解ということもなく,どちらも正解とも言えます.

「場面や症例によって適切な血圧は異なる」

と言ってしまったらそれまでですが,それぞれの専門領域からの見え方を整理しまし

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【エビデンスや適応を再確認】ACE阻害薬を心不全に使用する理由【ARBやARNiとの違い】

ACE阻害薬といえば,心不全治療薬です.

降圧薬にも分類されていますが,その真価は血圧を下げることではなく,心臓や腎臓に対する臓器保護作用にあります.

昨今,アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬ARNiが心不全治療の新薬として話題に上がることが多いですが,ARNiのすごいところは「ACE阻害薬に勝ったこと」なんです.
(≫ARNiの解説記事はこちら)

前提として,いかにACE阻害薬が心

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アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬ARNiエンレスト®の解説【何がすごいの?誰にどうやって使うの?】

※2022/11/4加筆修正

新しい心不全治療薬の有効性が相次いで報告されてきています.

SGLT2阻害薬,アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNi),イバブラジンなどがそうです.

先日,イバブラジンの解説記事をアップしてから久しいですが,今回はやっとの思いでアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNi)です.

薬剤名サクビトリルバルサルタンで,商品名エンレスト®です.

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