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看護師が書く 日本の医療危機 ④少子高齢化で出費を減らす国の施策 ~病床数の削減~

看護師が書く日本の医療危機シリーズ②では
少子高齢化が進むのに伴い、
国債が増えるのを予防するため、
国は税で収入を増やしたい=消費税が増税されるだろう
と言う話をしてきました。

それは「収入を増やす」の話。
これからは話すのは少子高齢化に向けて
「出費を抑える国の施策」話をしていきます。

おさらいですが、
少子高齢化でこれから日本は
高齢者が増えるだけでなく、人口全体もへる
働き手も減る、
ということをお伝えしてきました。

画像1この図を見て頂いた後で、
改めて、この少子高齢化の重要論点を以下に整理します。
これから日本は
①人口は減ります。
②働く人が減ります。
③でも高齢者は増えて、医療を必要とする人が増えます

これを聞くとなんとなく、
「医療を必要とする高齢者が増える?」
「じゃあとりあえず、もっと入院できるベッドを増やさなきゃ!」

と考えてしまいませんか?

しかし、以下のデータを見て下さい。
実は日本の現状というのは、日本は他国と比べて
人口に対するベッドの数が異常に多い国とされています。

画像2参照元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16/backdata/01-03-02-05.html
※単位の床(しょう)=入院ベッド1台を1床(しょう)と言います。

アメリカと比べたら、ひとケタ違うんです。
じゃあ、ベッドの数が多いということは
他の国と比べて医師や看護師の数も多いのか?
というと、医師は足りていません。
それが以下の図です。

画像3参照元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16/backdata/01-03-02-06.html

図のデータは「病床100床当たりの臨床医師数」です。
つまり、
アメリカでは100床につき、85人医師がいるのに、
日本では100床につき、17人しか医師がいない

というデータです。
もちろん、医師そのものの人数も足りず、少ないのですが、
さらに大事なポイントは
「ベッドの数が多すぎて、ベッド当たりの医師数が少なくなっている」
ベッドが多いから医療のマンパワーが希釈される
=患者ベッド一人に注がれる医療のチカラが薄くなってしまう
という現象が起きているのです。


ここでもう一度、先程の少子高齢化で整理した点を書きます。
①人口は減ります。
②働く人が減ります。
③高齢者は増えて、医療を必要とする人が増えます。

これに対する結論として、日本では、
③高齢者が増えて、医療を必要とする人が増えます
が、もともと「日本は入院ベッドが異常に多い」
①「人口は減ります」
②「働く人が減ります」し
借金も増えているので
ベッドの数を減らそう!という動きが起こっていました。

今回はここまでにして、次回以降では
まず、諸外国と比べて、どうしてこんなにベッドが多い状況になったのか?
続いて、最終的には、
なぜ病床が多いのに新型コロナウイルスワクチンの流行で
「医療が逼迫するのか」

と、いったあたりを話していきます。

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