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看護師が書く日本の医療危機 ④少子高齢化で出費を減らす

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日本の医療が危機っぽい情報が流れています。特に、少子高齢化。でもそれって、何がどうなの?ってなかなか説明しにくいですよね。これを看護師が看護師目線で、具体的に…とまでは言わなくと…
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#看護師

看護師が書く 日本の医療危機 ④少子高齢化で出費を減らす国の施策
~病床数の削減~⑦

看護師が書く 日本の医療危機 ④少子高齢化で出費を減らす国の施策 ~病床数の削減~⑦

前回まで
7:1の手厚い病床は
実際にはそんなに必要ではないのでは?
→ヤクルト型を目指しましょう!

「だから、みんな、今のベッドの状況を報告して!」
=国は病床機能報告制度というルールを作り、
現在の状況を調査する動きになっている、
という話をしてきました。

今回はこの病床機能報告制度ついて話していきたいと思います。

「病床機能報告」と書くと難しく聞こえますが、
今、あなたの病院の
患者様

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看護師が書く 日本の医療危機 ④少子高齢化で出費を減らす国の施策
~病床数の削減~⑥

看護師が書く 日本の医療危機 ④少子高齢化で出費を減らす国の施策 ~病床数の削減~⑥

前回まで
看護師の配置料を7:1にして
重症な人を看る病床ばかりが増えてしまった
=ワイングラスのような形になってしまった
という話から
国はヤクルト型に転換していこうと考えている
という話をしてきました。

今回はこの理由について話していきたいと思います。

以下の図は日本が諸外国と比べて、
患者様が病院に入院している期間が長いことを示す図です。

参照元:Wikipedia
https://j

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看護師が書く 日本の医療危機 ④少子高齢化で出費を減らす国の施策
~病床数の削減~⑤

看護師が書く 日本の医療危機 ④少子高齢化で出費を減らす国の施策 ~病床数の削減~⑤

前回まで
コロナで重症化した人を受け入れられない!
…と医療がひっ迫した状況でしたが、
国は少子高齢化に合わせて、
もともと重症の人の治療=「急性期治療」
を実施する入院ベッドは、減らしていきましょう!
と、いう方向性だったという話をしてきました。

その実際の計画が以下の資料です。
平成25年=2013年に出された計画です。
まずはザックリ見て、
ワイングラスの形がヤクルト容器に変化していること

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看護師が書く 日本の医療危機④ 少子高齢化で出費を減らす国の施策
~病床数の削減~④

看護師が書く 日本の医療危機④ 少子高齢化で出費を減らす国の施策 ~病床数の削減~④

前回まで
日本の病院の8割は「民間」の医師が経営する病院で、
日本は諸外国に比べ、多くの入院病床はありますが、
新型コロナウイルスが蔓延して国がコロナで困っても、
(※言葉は悪いですが)
儲からなければ民間病院は対応してくれない
=国のコントロールが効かない実情がある、
という話をしてきました。
ただ、これは決して民間病院が悪い、というワケではないのです。

以下は厚生労働省からの診療報酬=病院の

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看護師が書く 日本の医療危機④ 少子高齢化で出費を減らす国の施策
~病床数の削減~③

看護師が書く 日本の医療危機④ 少子高齢化で出費を減らす国の施策 ~病床数の削減~③

前回まで
「病院を作れば儲かる」という時代に制限なく病院が作られ、
日本は諸外国と比べ、異常な入院ベッド数=病床数を持ってしまった、
という話をしてきました。
そこで国はベッドを減らしたいと思って色々と調査に乗り出します。

まずはボコボコ増えたこの病院、誰が作ったのでしょう?
という点です。

下図は病院や診療所(クリニックなど)の「開設者」=誰が作ったか
で分けて、数を数えた表です。
国や公的

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看護師が書く 日本の医療危機④ 少子高齢化で出費を減らす国の施策
~病床数の削減~②

看護師が書く 日本の医療危機④ 少子高齢化で出費を減らす国の施策 ~病床数の削減~②

前回は
諸外国に比べて日本は入院ベッド数が異常に多く、
ベッド1台あたりの医療スタッフのチカラが薄い。
そしてさらに少子高齢化で人口は減るし、働く人も減るので、
ベッドの数を減らそう!という動きが起こっている
という話をしました。

改めて、諸外国と比べた入院ベッドの多さを見てください。

参照元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16/

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