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夢とか希望とか絆とか愛を、この世界が失ってしまわないように。

今年2月の逮捕のニュースを、私は会社帰りの電車の中で知った。

ちょうどその前日、ファンクラブ限定のテレビ収録があり、目の前で生マッキーを拝んだばかりだったので(あまりの近さに大興奮!)、その日はいつも以上に頭の中がマッキーでいっぱいで。
その時も、昨日見たマッキーの姿を思い出しながら、浮かれ気分でマッキーの曲を聴いていた。

すると、スマホに突然「槇原敬之容疑者を逮捕」の文字が速報で飛び込んできた。

すぐにスマホをバッグにしまい、ウォークマンの曲を別のアーティストに変えたのを覚えている。今見たばかりのショッキングな現実を、受け止められなかったのだ。

でも、なぜか驚きはなかった。

ああ、やっぱり。

めちゃくちゃショックを受けながらも、どこかでそう思っていた。

マッキーを信じていなかったわけじゃない。

彼が何を思い、何を大切にして生きているのかは、彼の曲にしっかり反映されていると思っていた。
彼の書く歌詞は人生への希望や周りの人達への感謝に溢れていて、過去に犯した過ちに向き合い、自分自身の力で立ち直り、素晴らしい曲を生み出し続ける彼を心から尊敬していた。

でもだからこそ、彼が大切な存在であるからこそ、21年前の逮捕のときのショックと悲しみを私は今もはっきり覚えていて、またあんなことになったらどうしようと時々考えては、勝手に恐怖や不安を感じたりしていたのだ。

その日は帰宅してからも気持ちの整理がつかず。
心が乱れたときにはやっぱりマッキーを聴くしかなく、とりあえず一曲、大音量でかけてみた。

「形あるものは必ず移ろってく
いつかは枯れてしまう四つ葉のクローバー
でも君がくれた 形のない気持ちは
心の中ずっと 枯れることはない」

ちょうど流れたこのフレーズが、いつも以上に心に響いて、気づいたら泣いていた。
この曲の「君」って、私にとってはマッキーのことなんだと思った。

マッキーがくれた「形のない気持ち」は、もうすでに私の心の中にしっかり根付いていて、私という人間の、切り離せない一部になっている。
これから何が起ころうとも、マッキーからもらった気持ち、教えてもらった考え方・生き方は、私の心の中でずっと枯れずに輝き続けるんだろうなと、そのとき確信した。

今回のことで、ファンは裏切られたのか?

そうかもしれない。
楽しみにしていた30周年のアルバムもコンサートもテレビ出演も、全てなくなってしまった。
大好きな曲達を、今までと同じ気持ちで聴くこともできないかもしれない。
これから新しい曲を聴く機会だって、もうないかもしれない。

ネットでは薬物のことだけでなく、彼の容姿やプライベートをあげつらうような記事ばかり。
あることないことをボロクソに言われ、「マッキーはそんな人じゃない」と悔しくなるものの、彼自身が本当に罪を犯したのであれば、もはや何の言い訳もできない状況…。

そしてそれらは全て、マッキー本人が選び、招いたことであるという事実。この事実が一番、ファンにとっては重くて悲しい。

でもそれでも、これは裏切りじゃない、と私は思う。というか、思いたい…。

だって私がこれまでの30年間でマッキーからもらったものは、何にも代えられない、一生自分を支えてくれる宝物だから。

そんな大切なものを、自分の人生をかけて、ともすれば身を削って作り、歌い、私達に届けてくれた彼に、感謝こそすれ、「裏切られた」と怒る権利は、私にはない気がして。

もちろん薬物がダメなのは当然のことだし、事実ならばそこはファンとしても擁護できないけれど…。
それは結局のところ、彼が自分で解決するしかない問題だと思うし、いちファンである私としては、彼がこれから自分自身や周りの人達を大切にして、しっかり生きてくれることを願うしかない。

自分自身と周りの人達を大切にし、しっかり生きること。
それはまさに、マッキーの曲がいつも私達に伝えてくれることだから。

事件後、これからどんな気持ちでマッキーを聴けばよいのだろうと思っていたけど、今、私はこれまで通り、日々マッキーを聴いている。彼の曲の歌詞やメロディや歌声に、今までと変わらずに癒されている。

彼が今どうしているのか、どんな気持ちでいるのかと想像し、辛くなることもあるけれど、それはそれとして。
彼の曲達の素晴らしさ、輝きは、少なくとも私にとっては全く色褪せることなく、いつでも私の心を救ってくれる。
聴きながら、その曲を初めて聴いたときの自分の状況や気持ちをセットで思い出したりするから、もはやその曲は「マッキーの曲」というだけじゃなく、「私の人生そのもの」でもあるんだよね…よく分からない表現だけど。

盲目的なファンと笑われるかもしれないが、それほどまでに大好きで大切な存在に出会い、30年間を共に過ごしてこられたこと自体が、とても幸せで奇跡的なことなんだろうな…と思ったりもする。

今回のタイトル(夢とか希望とか…)は「四つ葉のクローバー」という曲の一節。

小さい頃「星の王子さま」や「サンタクロースっているんでしょうか?」や「はてしない物語」が愛読書だった私が、ずっと心の中で大切にしたいと思ってきたことを、マッキーがまさにそのまま言葉にしてくれた。
自分の人生のテーマソングのように感じている大切な曲。

めちゃくちゃ長く、暑苦しい文章になってしまった(こんな自己満足の長文、誰が読むんだ?と我ながら呆れてます…)。
マッキーについて2月からずっとモヤモヤ感じてきた色々な感情を一度整理しようと思い、書き始めたが最後、止まらなくなってしまった。

しばらく彼の姿を見ることはできないが、これまでの名曲達を聴きながら、彼に教えてもらったことを大切にして、自分の生活を頑張っていこうと思う。

いつかまた、あの素晴らしい歌声を聴ける日を夢見ながら。

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