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倍速視聴やタイパについて思うこと

ちまたでタイパという言葉をよく聞くようになった。
タイパとはタイムパフォーマンスの略。短い時間で多くの情報がつまっているものをタイパがいいと評するらしい。

いまの若い人たちは友人たちとの話題についていくため、流行りのアニメやドラマを倍速視聴するらしい。たとえ1.5倍速で見たところでストーリー展開は同じ。友人との話題についていくだけの情報を取得できるというわけだ。

面白くもないのなら、無理して見なくてもいいのにね、とも思うけれども。

そんなことを言いつつも、私も倍速視聴をしています。それも十年以上前から。
当時はプレイステーション3トルネという周辺機器で地デジ放送を録画していました。その録画番組をプレイステーションポータブルにダウンロードして、通勤中や仕事の休憩時間中に見たりしていたんですね。

私的倍速視聴のルール

家のテレビで録画番組を見るときは、ほとんど標準速度です。が、スマホや携帯ゲーム機で出がけに見るときは、画面が近いせいか集中できてしまう。なので倍速視聴することが多いです。

字幕が出せないときは1.2倍速にしているのですが、字幕が出せるときは1.5~2倍速で視聴することがありますね。
ただ、原則として
アクション映画のバトルシーンや、お笑い番組のコントなどは標準速度に切り替えます。

「倍速にするくらいなら見るなよ」という乱暴な意見もありますが、それなりに楽しんでいるのだからいいじゃないかと言いたい。

そもそも昔は倍速視聴ができなかった。

テレビや映画の倍速視聴ができるようになったのって、十年ほど前くらいですかね。昔は選択肢になかった。テレビ番組をリアルタイムで見ると倍速視聴ができないうえに、コマーシャルすら飛ばせない。VHSで録画をしても倍速再生はできなかったです(うちのビデオデッキでは)

みずからページを読み進めていく漫画や小説と違って、動画視聴って受動的なんですよね。
モニターの前で再生ボタンを押して、その前に座っていれば完走できちゃう。ただ同じ条件でも集中度は違うわけで、画面から目を離さない人もいれば、編み物しながら見たり、家計簿つけながら見たり、RPGのレベル上げをしながら見たりと、人によってはスタンスがまちまちです。
「なので倍速視聴だと作品の良さが~!」と目くじら立てるのも、なんだかいまさらな感じもします。

ただ、劇場での映画鑑賞は特別というか、集中して見るのが前提になってますよね。そもそもスマホいじることすらできないし。内容が面白かった時の感動は家で見るのとは違う感じしますね。ただ、退屈だったりすると寝ちゃったりするんだけど。

小説だとどうだろう?

他のメディア、自らページを読み進めるタイプの読書だと、倍速視聴と類似する行為はあるのだろうか? と思ったら、ありました。

速読とかありますよね。自分はやったことがないけど、昔っから速読のトレーニング本とか売っていますし。

あとは学生時代の国語の授業で、生徒に本文を朗読させたりしてましたが、人によってスラスラ読めたり、つまづきながら読んだりで、読むスピードに個人差がありますよね。

漫画だと

小説以上に読むスピードに個人差がありそうですよね。しかも作品によっても1ページあたりの密度が全然ちがう

ドラゴンボールや刃牙シリーズを読むのと、ハンターハンターやジョジョの奇妙な冒険とでは一冊にかかる時間が違いすぎる

コミックス購入時のコスパは後者のほうが優れているんでしょうが(読み終わるのに時間がかかる)漫画喫茶で読んだ場合は前者のほうがコスパ、タイパともに優れているのでしょう(一時間でたくさんのページをめくれる)

理想をいうと

小説、漫画、映画、ドラマ、アニメもろもろ、製作者の演出した速度で堪能してほしいんでしょうね。それも冒頭から見てほしいと思っている。
でも、倍速視聴以前からタイパツールはいろいろとある。

古典文学の場合

小説だと、抄訳といって一部抜粋したものが文学全集とかに載っていたりします。そもそも古典文学って古くさくて読みづらい文体なうえに、ボリュームが凄かったりするので、ちゃんと読もうとすると時間も気力も必要です。

有名なタイトルだけど「源氏物語」「ドン・キホーテ」「メルヴィルの白鯨」「ダンテの神曲」を読破した人って、身の回りにはほとんどいませんもん。

読む気がなくても教養のためにあらすじだけは知っておきたくて、まんがで読破を読んでみたり、解説している動画サイトを見たりするのでしょうね。気持ちはわかります。だって古典文学って前置きが妙に長かったり、脱線も多かったりして読みづらいですもん、実際。

ファスト映画ってさぁ……

で、ショートリール動画が幅をきかせている現在。二時間の映画を視聴するのが怠い、もしくは時間がないという方もいるのでしょう。

そんな方々にむけた「ファスト映画」が問題になりましたね。ちなみにファスト映画とは、実際の映画の映像をつなぎ合わせて字幕やナレーションを駆使して、十分程度に見れるようにした動画のことです。

まぁ、これ著作権を犯した犯罪行為なんで真似しちゃだめですけど。

こいつの問題は実際の映像を使って、著作権侵害しているところでしょう。ファスト映画で興味をもち、劇場にまで足を運ぶ人がいるかもしれませんが、そんなのはごく少数だろう。

大多数の人はファスト映画だけで見た気になって「駄作だね」「オチが読めちゃうよね」などと好き勝手にコメントするんでしょうね。さぞ二時間つきあったかのような顔で

まとめ

なんともとりとめのない記事になってしまいました。すいません。
個人的な意見として、倍速視聴はやってもいいんじゃないかと思います。本人が楽しめる快適な倍速であれば。

ただ、作品そのものを楽しめてなく、億劫に感じるのなら見なくてもええやんと思ってしまう。
本来、フィクションや創作物(実録ものの含む)なんて、自分の楽しみや興味のために見るものです。

友達との話題作りのために無理して見なくてもいいと思うんですけどね(でも今は、ドラマの不備にたいして、あーだこーだつっこみながら見るという楽しみ方があるから複雑なとこですよね)

タイパがうんぬんではなくて、時間の無駄にしか思えないのに、面白すぎるから見てしまう。というのが作り手にたいする最大の賛辞なんだろうなとは思う。そういうの以外は我慢してまで見なくてもいいのではないかなと。




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