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『木乃伊(みいら)の口紅』田村俊子

男の生活を愛する事を知らない女と女の芸術を愛する事を知らない男の話。
大正二年に執筆された作品ですが、ほぼ現代の感覚で読めました。
義男はみのるに自分一人ではとても養えないから働いてくれと言うシーンが印象的で、この夫婦には男女と共働きの近代的な価値観があったことが伺えました。
義男とみのるは何度も喧嘩しては一緒には住めない、離れなければならないと嘆きますが、結局別れず、ラストの締めくくり方も結局どうなったのか分からない有耶無耶な感じですが、恐らく二人はこの先もこんな感じで不即不離のまま夫婦をつとめていくんだと思います。
大変貴重な作品が読め、勉強になった読書でした。

『木乃伊の口紅』田村俊子



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